真鯛の「鯛中鯛」ってなに?

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鯛の鯛
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ORETSURIをご覧のみなさん、こんにちは。サラリーマン・アングラーの釣人割烹です。

真鯛のなかに「鯛」が埋まっている。

これ、知っていますか?

鯛の二つの胸びれの根もとに1個ずつ埋まっている骨。これが鯛を思わせるかたちなのです。

この骨、「鯛の鯛(たいのたい)」や「鯛中鯛(たいちゅうのたい)」と呼ばれ、正式には「鳥口骨」「肩甲骨」「射出骨」という3種類の骨からなります。

江戸時代から幸運を呼ぶ「縁起物」として珍重され、あの美空ひばりも集めていたとか。漫画「美味しんぼ」でも紹介されています。釣り好きならご存知の方も多いはず。

釣り上げた大鯛の記念になる上、運気も向上する?今回は「鯛の鯛(たいのたい)」の取り出し方を紹介します。

目次

「乗っこみマダイ」は脂たっぷり

過日、内房で釣った2枚のマダイ(2.7kgと1.0kg)を持ち帰っておいしくいただきました。

両方ともメスで、真子(まこ=卵巣)を抱えていました。

大きな方の真子は両手ですくってもあふれそうなほど。さばいた魚が卵を抱えていると、いやがうえにも「大切な命をいただく」と厳粛な気分になります。卵も含めて可能な限り料理し、いただきます。

マダイの真子。煮付けるとうまい

いまは産卵を控え浅場にやってきて荒食いする「乗っこみ」と呼ばれる時期で、身に脂がたっぷりのっていました。

昨年8月にも3.1kgを釣りましたが、これは産卵後で脂が落ちてパサパサ。比べれば今の季節(5月)が断然うまいです。

たっぷりのった脂が身の切り口から浮いてくる

マダイはいろんな食べ方をしてきました。

刺身や湯引きはもちろん、塩焼き、干物、煮付け、昆布締め、ムニエル、カレー、鯛飯、鯛茶漬け、潮汁、あら汁……。

今回は小さい方をポワレとカルパッチョ、大きい方は「しゃぶしゃぶ」にしました。

ちなみに、しゃぶしゃぶのタレですが、ゴマ油にたっぷり塩を入れ、よくかき混ぜたものがオススメです。

シンプルですが、しゃぶしゃぶしたあとこれにつけて食べると素晴らしく美味しい。ぜひ、やってみてください。

「鯛の鯛」を取り出すには煮付けにするのがオススメ

「鯛」の取り出し方は、ざっくり言えば頭を「かぶと煮」にするだけ。

塩焼きだと壊れそうだし、なまの状態では、まとわりつく筋繊維を除去するのはやっかいです。

その「かぶと煮」を作るには、マダイの硬い頭を真っ二つに切り分ける「かぶと割り」を成し遂げなければなりません。

大きなマダイをさばくのはひと苦労です。高級魚と言われるだけあって、体のつくりもしっかりしています。骨は太く、硬いウロコがくまなく体を覆っています。

なかでも頭は本当に硬い。

でも実は、頭部の中心に左右均等に刃物を入れると案外パカッと簡単に割れるのです。とはいえ薄っぺらな家庭用の万能包丁では厳しいでしょう。よく切れる出刃包丁がいります。

まずは、マダイの「かぶと」をまな板の上にしっかり立てて、口を開きます。

上あごに4本の犬歯がありますね。

以前、釣り上げた真鯛に指を噛まれたことがあります。ヤバい痛さです。それにしても厳つい顔ですね。

この口に出刃の先を差し込みましょう。

4本ある犬歯の真ん中に刃が入り、包丁のみねが下あごの側に来るようにします。

まずは出刃包丁をじわじわ押し込んでいきましょう。

刃が真ん中を切り進むように注意してください。さらに、テコの原理で包丁を上あごから頭頂部に切り下ろしていきます(支点は下あご、力点は包丁の柄、作用点は出刃ですね)。


切り進む線は真ん中を保ちましょう。

って、おいっ、真ん中だよ、真ん中!

左にずれました。涙。

真ん中だときれいに割れていくのに、こうなると刃はにっちもさっちも進みません。生命の神秘。やむなく出刃を抜き、無理やり手でメリメリと割りました。

筆者は小さなマダイなら簡単に割れるのですが、大きなものはいつも悪戦苦闘します。プロなら一気にガシッと割るところ。さらなる精進が必要です。

さて、料理の仕方や味つけは各自の好みでしょう。

今回は割った頭をフライパンに並べ、水400g、酒200gで煮立てました。

アクをていねいにすくって醤油とみりんを大さじ4杯ずつ、砂糖を大さじ3杯加え、刻んだ生姜を大量に投入。クッキングシートを落しぶたにして、弱火で20分ほど煮ました。

煮詰めて出来上がり。

「鯛の鯛」に色を塗ってエポキシ接着剤で補強

さて、胸びれの部分を箸で慎重にほぐしましょう。大きく頑丈な骨が出てきます。

よく見ると、プラモデルの部品のように「鯛」がはまり込んでいます。折れたり欠けたりしないよう、キッチンバサミで慎重に切り離します。

特に真ん中の切れ目が入った部分や細長い部分は折れやすいので要注意。

きれいに取り出した「鯛の鯛」に赤い水性ポスターカラーを塗り、エボキシ接着剤で固めてみました。

こうすると強度が出るし、いかにもめでたそうな「縁起物」でしょ?

寄稿者

釣人割烹

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