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東京湾のカサゴ釣りに初めて挑む|釣人割烹さんからの寄稿

カサゴ

ORETSURIをご覧のみなさん、こんにちは。

外房や東京湾への週末釣行を平日、仕事中に妄想しているサラリーマン・アングラーの釣人割烹です。

春の海 ひねもすかさご かさごかな

はい。江戸中期の俳人、与謝蕪村の有名な句(のパクリ)ですが、釣り仲間に誘われて先週末、カサゴ狙いで東京湾へ出ました。

カサゴはよく本命ではない「お客様」で釣れます。とてもうまい魚であることは知っています。しかし本命として狙うのは今回が初めてでした。やったことがない人、やってみたい人の参考になればうれしい限りです。

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50歳をすぎても釣行前夜はなかなか眠れない

今回お世話になった船宿の第二泉水丸(東京・葛西橋)へは筆者の自宅から東京メトロ東西線で1本。始発に乗って午前6時すぎに着き、仲間4人と合流しました。

余談ですが「電車釣行」は本当に気楽ですね。50歳をすぎても釣行前夜はなかなか眠れません。「おまえ、遠足前の小学生か」と恥ずかしい限り。

車だと行きはよいよい、帰りがつらい。眠気と戦う長距離ドライブが待っています。筆者はたいてい車での釣行で、スタミナ消耗の7割以上は運転によるものでしょう。

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断定調の記事で釣り物に妙な先入観を持ちたくはない

さて、カサゴというのは、どんなふうに針に掛けるのか。

初挑戦のときは事前にネットで釣り方を入念に予習したくなりますが、そこは我慢します(仕掛けのチラ見くらいはしますが)。「これだ!」という断定調の記事で妙な先入観を持ったり、変な「型」にはまったりしかねません。

船宿に仕掛けの詳細を聞き、前日に自作しながら妄想する。船に乗るときに船長にコツを聞く。そして実釣する。釣行後はネット記事で大いに復習します。なるほど、こんな手があったのかと「学び」になります。

この日もうまく手が合うのか心もとない気分で船着き場へ。しかし、第二泉水丸はLTアジやシロギスで何度もお世話になっている頼もしい船です。

「釣らしてくれる」と大船に乗った気持ちで右舷ミヨシに座りました。

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横浜・本牧ふ頭へ。カサゴの釣り場は岸壁のすぐ際

午前7時半ごろに出船。目指すは横浜・本牧ふ頭です。

東京湾奥の荒川河口から約1時間、快晴で富士を望みながらのそう快なクルージング。釣れても、釣れなくてもどっちでもいいという気分になりますね(開始の合図で「戦闘モード」のスイッチが入るまでは)。

タックルはシロギスなどの小物用として愛用している短い和竿に小さな両軸リール。

仕掛けは幹糸フロロ3号、ハリス同2号、ムツ針12号2本のオーソドックスな胴突き仕掛けです。ただし根掛かりでオモリのロストが多いと聞き、少し工夫しました。

幹糸の先端に小さなヨリモドシをつけてフロロ1号の短い捨て糸を結び、これに直接20号オモリをつける。オモリは犠牲になっても仕掛けはサルベージするという計算です。

ちなみに2本の枝針の長さは40cm、間隔は50cm。下の枝針からオモリまではヨリモドシをはさんで計10cmです。

快速船は白波を引きながら羽田を越え、アクアラインの通気塔を過ぎて、大黒ふ頭の「巨大なキリンの群れ」(荷揚げクレーン)が見えてきました。左奥には横浜ベイブリッジ。この橋の北は大黒、南は本牧です。

目標のふ頭が近づいてきました。どんどん近づいてくるぞ。

あれ。岸壁が迫っているのに速度が落ちない。このままではぶつかるなあ……。

ようやくエンジン音が下がり、岸壁すれすれで止まりました。頭上から護岸が押しかぶさってくるようです。

「始めてくださーい」

水深は15m。なるほど。カサゴ専門船はこんな場所で釣るのか。岸壁から釣りができるのであれば、長めの磯竿を出せば、同じポイントに仕掛けを下ろせそうです。

遠くから「底についたら3mくらい巻いて、しっかりコマセを振って……」と聞こえてきます。アジ狙いの船。そう。この一帯は「天然アジの生け簀」なのです。温排水の影響もあり、コマセでとどめられた黄アジはこの界隈で1年中過ごしているわけです。

カサゴ釣りの餌と釣り方

タチウオ釣りのサバ餌

カサゴ釣りの一般的なエサはサバの短冊。地域によって活きドジョウ

カサゴは一般的にはサバの身餌で釣るようです。今回、配られたのはコノシロの短冊でした。船長の助言に従って小さなハサミで身を削り取り、薄皮にして針につけます。ヒラヒラすると食いがよいとのこと。

なにしろカサゴは底根に貼りついている魚です。「オモリはべったり底につけてね」と船長は言います。

教わった通り、根掛かりを恐れずにオモリを着底させ、10~20秒数えてゆっくり大きく聞き合わせします。掛かっていれば重みが加わる。掛かってなければ再び静かに下ろして待ち、また聞き合わせ。その繰り返しです。

筆者なりの工夫で、アタリを出して針掛かりさせる「やじろべえ」の構えを取ります。両腕を前に突き出し、両手のひらで小さなリールを包み込むようにやさしく握る。そこを支点に竿が自由に上下動する構えです。

竿先はうねりに合わせて上下する(船が上に行けば竿先はぴょこんと下がる)が、オモリはピタリと底につき、道糸はゼロ~マイナスのテンションに保たれます。アタリがあれば両手のひらでリールをぐっと握って竿を軽くあおります。

和竿の穂先は極細のグラス製で、一緒に乗るベテランの先輩から「やわらかすぎる。カサゴに根にもぐられ、仕掛けをロストするぞ」と指摘されました。

カサゴ釣りでは、9:1調子のカワハギ竿だと硬すぎて魚をはじくので極端すぎるが、やや硬めの先調子がいいとされるようです。なるほど。しかし、ノープロブレム。微弱なアタリで早めの合わせを入れ、もぐる前に抜き上げれてやれ、と。ここらへん筆者はせっかちな性分でして。

やがてカサゴのアタリがではじめる

しばらくは誰の竿にも生命反応が出ません。

「はーい、上げてくださーい」

ほんの少し移動して「はーい、始めてくださーい」

第二泉水丸は小刻みの移動を繰り返し、攻撃的に魚を探し回ります。

3回目の小移動後にアタリが出ました。

キュッ(リールを包む両手のひらに力を入れる)
クイッ(そのまま竿を軽くあおる)
グーッ(針掛かりして竿がしなる)

おお、掛かった。

けっこう引きます。ゆっくり巻いて抜き上げると、あれっ。うれしい船中カサゴ第1号ですが、引きに比べてやや小さい。水深のせいもあるのかもしれませんが、引く力があるんだなあ。

しばらくすると、またアタリ。

キュッ。クイッ。グーッ。

おお。さっきより重いぞ。やわらかい竿の胴の部分までしなります。

今度は立派な20cmクラス。
いやぁ楽しいぞ。カサゴ。

転々とする拾い釣りで、1匹、また1匹と追加していきます。1度の大移動と多数の小刻みの移動で約2時間、カサゴ5匹と「お客様」のドンコ2匹。まるでパッとしませんが、10人ほどの釣り客の中では好調な方でしょう。カサゴってこんな釣りなのかと思いました。突如として状況が一変するまでは……。

カサゴが入れ食い状態に

2度目の大移動で、本牧の某岸壁へ。

船は岸壁に左側を横付けするようなポジションで、右舷の筆者は岸壁を背に海側で糸を垂れています。すると背中の方がなにやら騒がしい。左舷ミヨシの先輩から声がかかりました。

「入れ食いだ。こっちへ来いよ」

見れば、岸壁に向かって仕掛けをちょい投げするだけで即アタリ、即掛かり。

こりゃたいへんだ。「おじゃましますよ」と先輩の横に入れてもらい、戦列に加わります。

釣り上げた魚は右舷自席のバケツへ入れ、エサを確認して再投入する。

突然はじまったカサゴの「猛烈バクバクタイム」

他の竿に良型がダブルできて、船全体が沸騰するような活気に包まれています。

気がつくと、左舷の人びとが初対面の右舷の人びとを温かく迎え入れ、釣り客全員が左舷にズラリと竿を並べています。

それにしてもこの本牧の岸壁ですが不思議な「底」でした。

着底したあとオモリで地面を小突くと、オモリがさらに沈み、スーッと50cmほど糸が出る。さらに小突くと、また50cm出る。複雑な消波ブロックが沈んでいるのでしょう。2段底、3段底で、下へ落とし込むほどアタリが増えるというパターンでした。

カサゴ釣りは根がかりも頻発するもの

このポイント。カサゴの食いっぷりもすごいが、当然、根掛かりもすごい。

が、ここは手返しの勝負です。根掛かりにこだわっているヒマはありません。根がかってしまったら、容赦なくブチブチと切って仕掛けを回収、修復して再投入します。

「短いフロロ1号捨て糸」作戦でオモリのみロストして2本針を回収できることもあれば、魚が下針を食って根にもぐったのか上針だけ戻ってくることも。このときは上針の下に新しいオモリを結んで投入します。この1本針が根掛かりすれば、新たな2本針仕掛けを投入。

・・・

あっ!まずい。

仕掛けの数が足りません。枝針用の針はふんだんに作ってきましたが、幹糸部分は準備した6組を早々に使い果たし、慌ててその場で仕掛けを手早く作ります。

ところが、30分あまりで潮が引くようにアタリが減り、入れ食い終了。

この間に横の先輩はカサゴを30匹くらい釣りました。驚異の「分速1匹」ペースです。一方、筆者は仕掛けが底をついた後半に手返しが失速。

しかも、オモリのロストは12個で先輩の倍近くも根掛かりしている計算。20匹に届きませんでした。

…この差は何だろう。想定外の入れ食いで仕掛けが足りなかったのは教訓ですが、根掛かりはどうすれば減らせるのか。宿題として持ち帰り研究するしかありません。

もしや、カサゴはいなくなったのでは・・・

もう一つ、気になることがあります。

潮が引くようにカサゴのアタリが消えたのは、アジのように「食いが止まった」「食い渋り始めた」ということでは、多分ないように思えます。

左舷からの一斉攻撃で、そもそもカサゴ自体が船下からいなくなったのではないか。

カサゴは見るからに鈍くさく、泳力が弱そうです。こうした「掃討作戦」が展開されたあと、新しい個体が速やかに根を埋めるとは思えません。

しかも悪いことに、カサゴは針に掛かって上がってくる途中に減圧で浮き袋がふくらんでしまい、リリースしても自力で底まで戻っていけません。

おチビさんを「大きくなって、また針に掛かれよ」と逃がしても、水面をむなしく漂うばかり。エサを取れずに死ぬか、カモメのエサになる運命です。

船長によると、尻に近いある場所に針を刺して浮き袋の空気を抜けば、底へ戻れるそうですが、やり方が分からないし、じっさい誰もやっていません。釣ったからには幼魚を持ち帰ってから揚げにし、おいしく、ありがたく命をいただくほかないのです。

東京湾の釣りでも、アジやシロギスはいくらでも湧いてくる感じですが、カサゴ釣りには「資源収奪」感がつきまといます。科学的な論証なしにきちんとしたことはいえませんが、その昔、東京湾からアオギスが消え、イシガレイも危うい状況。放流事業があるとはいえ、カサゴもその後を追うのではないかと心配になりました。

その後は「入れ食い」もなく、忘れたころにポツリ、ポツリと上がるのんびりペースに戻り、午3時半ごろの陸上がり。

トップは52匹。筆者はその半分ほどですが、初挑戦としては上出来でしょう。その日から3日間は家でカサゴ尽くしでした。

カサゴとドンコ(エゾイソアイナメ)

定番のカサゴの唐揚げ。歩留まりが悪いカサゴを丸ごと味わうことができる

カサゴの潮汁。カサゴはアラからいい出汁がでる

から揚げ、刺身、湯引き、塩焼き、煮付け、潮汁。中でも最後の潮汁が旨かった!

はじめてのカサゴ釣りでしたがまた挑戦してみたいと思った次第です。今度はもちろん、尻から空気を抜くやり方を覚えて。

それではまた!

寄稿者

釣人割烹

タックル情報

  • 釣り竿:小物用和竿(1.6m)
  • リール:ダイワ・プリード150SH-DH
  • 仕掛け:自作。金ムツ12号2本針胴突き、オモリ20号、幹糸フロロ3号1m、ハリスフロロ2号40cm、捨て糸10cm(幹糸5cm+ヨリモドシ+フロロ1号5cm+オモリ直結び)。枝張りの間隔60cm。幹糸と枝スは直結だとよれるので、回転ビーズなどを使った方がよい

船宿情報

第二泉水丸(東京・葛西橋)

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▼カサゴ釣り解説記事

船カサゴ釣り関連アイテム

▼ロッドは30号前後の錘に対応した8:2~7:3のライトゲームロッドが一般的。

▼オモリは25号もしくは30号が一般的。根がかりが多いため装飾のある高コストのものではなく、シンプルなものをたくさん用意すると根がかりを恐れず釣りができる

▼仕掛けは胴付き2本針の枝針2号、幹糸3号が一般的。自作の場合、根ずれに強いフロロカーボンで仕掛けを組みたい

▼カサゴの胴付き仕掛け用自作用パーツ。夜光ゴムやフラッシャーなどは食いにはあまり関係ないと言われている

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