大磯港でカマスが矢鱈に釣れるらしい。それもルアーで。
昨今はFacebookやツイッターで、知らない人のタイムリーな釣果情報をみて出かけることもできる時代になった。便利ですなあ。助さん格さん。ほくほく。
そんなこんなで、突き動かされるように、時合だという、夕まずめに合わせて出かけることにした。
大磯は湘南の発祥の地なんだってね。中途にある釣具屋で青イソメを購入。500円。
自宅の冷蔵庫にあまったイソメがあるのをまた忘れてしまった。
大磯港東堤防
こちらは、大磯港東堤防外側。
30センチほどのカレイを釣りあげた方がいたので、青イソメをふんだんに使って、サーファーの途切れたところに、ジェット天秤を投げる。
しばらくして引き上げるとハリスがスパっと切れている。こりゃフグ野郎に違いない。
また投げ、放置。そして時合に突入。
ジモッティのおっさんが港内側のヘチにタコテンヤを落とし、マダコを釣り上げ、ほくほくしている。
が、こちらの投げ竿にはアタリなし。
港内の様子。
人がたくさんいて、ほぼ皆さんカマス狙いの模様。見る限りあまり釣れている方はいない。
投げサビキの方の話では全然釣れない。ルアーの方がよいんじゃないとのこと。
ということで、フラッシュ感があったほうがよいだろうと、細身のシンキングミノー金黒カラーを投げ、トゥイッチを繰り返す。
事件は起きた
その後、内側でカマスを一匹追加。船だまりのスロープ付近に移動。
なんということだ。
水深約二メートルはありそうだ。
まず、メタルジグが海底にて名誉の戦死を遂げる。
次にジグヘッド二本、これも牡蠣殻か何かに絡みとられ殉職。
ライトルアーのラインは8ポンド。なんとも分が悪い。
ようやく手応えを感じ、ゆっくり引きあげたところ、
誰かの沈めた巨大な天秤仕掛けとアンデッド化したリールが、大量のPEラインとナイロンライン玉とともに上がってくる。
泣けてくる。すべてのやる気が失せる。
だがしかし、諦めてはならない。あきらめたらそこで試合終了ですよ・・・?
そう。そのとおり。
むかし、太公望は、かつて別れた嫁に覆水盆に返らずと言ったそうだが、今回落ちたのは釣竿とリールとジェット天秤だ。
ひっかかりも多いし、干潮になれば・・・、スマートフォンに聞いてみると一時間後が干潮とのことだ。だが、水深は2メートルぐらいある。
「おい馬路か。泳ぐのか?そして、潜る。正気か!?もうすぐ34歳だぞ!?パームスのショアガンくらいまた買えばいいじゃないか?君はそんなに金がないわけでもなかろう。」
「いいや、あいつは、タックルベリー元住吉店で出会い、俺がはじめてシーバスをルアーで釣ったとてもいいロッドだ。見捨てるわけにはいかない。」
「そうか、わかった。お前の気持ちは十分理解した。頭をひねるんだ。精神を統一せよ!頼るのは己の脳味噌しかない。」
精神統一。
。。。
。。。
備えあれば憂えなしとはこのことだな。
さすが俺。でかした俺。常に最悪の状況を想定してるなんてすげえな俺。
さ、フロロのリーダーにジェット天秤をつなげ、
その先にカウントダウンラパラのトレブルフックをはずして二つつける。
いける!これはいけるぞ!
探ること数十分。。。
やった!!!慎重に引き上げ、ミッションコンプリート。
「こうしてこの世から、また一つの不可能が消えた。人類の叡智は今日という一日の困難を乗り越え、明日という未来を切り開くためにある!」
そんなナレーションが聞こえる。
それにしてもジェット天秤くん、侮ってゴメンね。君のおかげだよ。
その後、精神も安定してカサゴを釣り、メバルにひやかされ、カマスは船周りで追ってきたものの釣れず、撤退することに。
カマスは時合だけやって、帰るべき、そう思った。