日本には便所サンダル、通称ベンサンという軽装歩兵用の装備がありますね。
別名健康サンダル・ヘルスサンダル等ともいいますが、一番利用されているシーンは便所においてであって、誰が何と言おうと便所サンダルという名前が似つかわしいと思います。
この便所サンダルなのですが、あるときから装備するとなんだか軽やかで通気性もいいし、滑らないので釣りで履くようになりました。
ベンサンの種類にもよりますが、優秀なベンサンはかなりのスリップ防止能力をもっているので、釣り船に乗ったりすると、船長だったり中乗りのおっさんが装備しているのもみます。
釣りにおけるベンサンの活用事例
ちょっとここでベンサンの活用事例を。
フラットなテトラならお手の物。角度がついていたり苔っているところや水深があるところは自分で判断してもっと装備に気をつけよう。
こういうところもジャバジャバいけていい。ここは水深60センチぐらい。
夏場だと、こうして大物とファイトするときにも大地を感じやすい。
歌を歌うときに裸足になる女性歌手がちらほらいるがなんとなく気持ちがわかる気がする。
ガイアってやつかもしれない。
このようにインスタ映えもバッチリ。
アカエイなどがいないところではこのようにじゃばじゃばと。ずんずんいける。
船のデッキでも滑りづらい。
電車内でも圧倒的なスパルタンさ。すね毛のワイルドさも相まってか、ペルシア軍が攻めてきても恐れおののく存在感。
えーっと、なんの話だったか。
あーそうだ。便所サンダルの呪いの話でしたね。
或るとき、玄関から得体のしれないニオイが…
あるときから少しずつ感じていたのです。
でも、ちょっと勘違いかなっておもっていたのですが、やっぱり臭い。
うちは玄関とリビングが一体化しているのですが、リビングでぼーっとしていると、
臭い。
本を読んでいても、
なにか臭い。
この臭いはなんだろうか。
・・・
ビーフンやフォーのようにでんぷん質が発酵したかのような臭い。
より正確にいうならば、これは・・・
台湾の臭豆腐の臭いにそっくりだ。
まー臭い。とにかく臭い。
うんこや魚などの死体の臭いといっても過言ではなさそうだ。
でも、ゴミがたまっているわけでもないし、下水がつまっているわけでもない。
もしかして、天井裏とか冷蔵庫の裏で鼠が腐敗して脱水の上、ミイラにでもなっているのではなかろうか、とか思って、当然臭いの発生源を探しはじめたわけです。
・・・
・・・
・・・
うーむ。なんとなく玄関が臭いな(文字通り)
あ。
まさか。
俺ちゃん、うんこ踏んだんじゃないの。
もしくは、釣りにいって腐った鯉や鮒とかボラとかを踏んで内臓ゾンビみたいなのが、靴底についていたり・・・
うわわ。いやだなあ。
犬のウンコかな、猫かな、人の野糞かなあ。
が、
スニーカー類をみてもどこにもついてない。
ベンサンかなー。
でも、便所サンダルは、釣りにいったら毎回洗ってるからなー。
丸洗いできてすぐ乾燥するのがベンサンの特性でもあるしなー。
と、便所サンダルを手に取ってみる。
ム?
なんとなくあたりの臭豆腐臭が濃くなった気が・・・
靴底をみてみる。
うーん、ウンコとか、腐れ魚の切れ端などはついてなさそうだな。
強いて言うならば、碁盤の目状のソール部分に、小さな巻貝がはまっているぐらい。
・・・
と、玄関の床をみると、便所サンダルを持ち上げたところに、ミキプルーンのようなねっとりとした黒褐色の液が・・・
なんだこれ?
劣化しきった機械油みたいだな。
指にとってみる。
ねば、ねばり。
・・・
うわ、けっこう粘るな。
ねばーり。
鼻につけて嗅いでみる。
・・・
くっさ!
これがめちゃめちゃ臭い。
すべての臭いの発生源がこの謎の粘性のある液体であったようです。
では、この液体はどこから発生したのか。
天井?
玄関の天井を見上げてみる。
が、とくに変わりはない。
もう一度便所サンダルをまじまじとみる。
巻貝が相変わらずはまっている。
・・・
巻貝を指で掘り出してみて、臭いを嗅ぐ。
・・・・
ぬわ。
こ、これやんけ。
賢い釣り人である読者のみなさんはもうお分かりかと思います。
つまり便所サンダルでテトラ帯を歩いていたところ、中味のはいった巻貝を靴底がはめとってしまったようなのです。
釣行後、シャワーをかけて塩分は落とせたとしてもこの巻貝はいつごろからかずっとこの靴底にいて、やがて中身が死に、その怒りやこの世への未練さを微生物とか酵素などが分解し、タタリガミとなって、ぼとり、と、床に粘液として落ちたのでしょう。
「このうらみ!はらさでおくべきか!」
というのは、藤子不二雄A氏の魔太郎が来るの魔太郎のセリフですが、まー巻貝の呪いだったのかもしれません。
タタリガミの臭いは指と爪の間にこびりついて、幾度とハンドソープであらっても1日落ちなかったことをご報告いたします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
ということで、【釣りの怖い話】とかいっておきながら、臭い話でしたが、ORETSURIではみなさんが経験した釣りにまつわる怖い話を募集しています。
俺のもっと怖い話(釣りに関する)を聞けという方は、コチラから話をしてください
内容によって記事にしたいと思います。