神奈川の住宅街で釣ったウナギを食べながら少年時代を回想してみた

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うなぎをさばく
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先日、神奈川某所の住宅街でウナギを釣ることができた。

帰宅して計測したところ54センチ。

胴回りは親指と人差し指で輪を作ったぐらいで、蒲焼きにはちょうどよい太さ。

今回はこのウナギを調理してみる。

目次

ウナギの泥抜きは難しい

このウナギ。釣ったはなからハリスをきって水汲みバケツにいれていたので気づかなかったのだが、釣り針を飲んでいた模様で泥抜き中の翌日死去した。

ウナギは死ぬと鮮度が一気に落ちるので、速攻で冷蔵庫に入れてすぐに調理したのだが、ウナギの泥抜きといえば一回も成功したことがない気がする。

だいたい彼らは泥抜き中に死ぬのだ。

まず、以下の要素でウナギが弱る。

  • 釣り針を飲まれる(大きめの針と太目のハリスをチョイスしているが・・・)
  • 釣り上げたウナギが釣り糸や仕掛け等に自ら絡む自傷行為(所謂ウナギツイスト)
  • エアーポンプ&水の循環がない状態で泥抜き

ウェブ上で、ウナギにハリスを飲まれても泥抜き中に器用に外してしまうからOKという中国雑技団的な説をよくみるがが、わたしが釣ったウナギはことごとく死んでいった。

もしかして、『エアーポンプ&水の循環がない状態』により、酸欠orウナギ自身が粘液に含ませている毒素やらなにやらで自傷行為的に死んでいるのかもしれない。

ウナギは死ぬときはすぐ死ぬ魚

ウナギはすこしの湿り気さえあれば地上を這って、生息域を移動するという話を聞いたことがある。

ということもあって、ウナギを釣って料理し始めるまで生命力豊な魚だと思っていた。

が、死ぬときは意外とあっけない。

よーし、泥抜きするぞー。という具合に、釣ったウナギをためた水にいれて、数時間おきに水をかえたりシャワーで酸素をおくっていても、だいたい当夜もしくは翌朝に死んでいる。

謎である。

読者の中に泥抜きマスターがいたらコツを教えてほしい。

ウナギの下ごしらえ

このウナギは釣った翌朝死んでいたのだが、死んだばかりと見えてニオイを嗅いだところまだ腐敗していないと判断して調理してみた。(活きと比較すると数段味は落ちるはず)

真夏の場合など死んだウナギは加速度的に腐敗していくので注意だ。

まな板をはみ出るサイズ。秋という季節からか胴回りも太目な気がする。

背開きにする。ウナギ裂きという専門道具があるとさらに器用にさばけるのかもしれない。

身は3つに切り分け、内臓は捨てた。頭部は2つに割り、骨を尾部分とともにたれに利用する。

頭を割るのは、素人であれば調理ばさみが無難だ。

むかし、吉祥寺のウナギ屋でウナギの頭を甘辛く焼いた串を食べたことがあるが、香ばしく旨みがにじみ出てよかった気がする。

身が白い。肛門部以外に1か所赤い点があり、その部分を包丁でほじったら、赤細い寄生虫がいた。

魚に寄生虫がいるのは前提条件なので動じない。

串にさす。金串は関西風だそうだが、ガスコンロで焼く場合竹串は焦げるので必然的に金串をチョイスるする。

左の串が曲がっている理由は以前タコ釣りの釣り針にしようと企てたことがあるからだ。

ウナギの蒲焼き作り

まず、ウナギの頭と骨と尾をガスコンロで炙る。

ジュクジュクと脂がはぜるのをみていると、ガスコンロが汚れるという考えを旨そうだという想いが上回っていくことに気づく。

次に、しっかり炙った頭などを、以下の材料をまぜたタレに入れて煮詰める

  • 砂糖
  • 日本酒
  • みりん

※ザラメ+水飴を入れるとさらに良い。

煮詰まってきたら、火を止めて一旦おいておこう。

ここで味見をしたときに、臭みを感じなければ大体そのウナギは問題ない個体だ。

このタレづくりの際に、なんとも言えないドブ臭やカビ臭さや都市河川臭(洗濯排水のようなにおい)を感じてしまったら大体アウトだと思ったほうがいい。

次に、ウナギを蒸す。

天然ウナギ、それもある程度のサイズのものは養殖物(6か月出荷個体)と比べて皮や身が硬い。

ということもあって、関東風の蒸し工程を取り入れたほうがよいと個人的には思っている。

蒸器がない場合も、工夫して強引に蒸せばいい。

強引にウナギを蒸す。

蓋をして30分ぐらい蒸すといいらしいが、適度に脂をのこしておきたかったので、蒸し時間は15分程度に。

このように蒸しあがる。

鍋にたまった湯のニオイを嗅いでみよう。

うん。問題ない。

この個体は期待が持てるぞ。

白焼きにする。

ガスコンロで強引に炙る場合は、弱火がいい。

その後、タレを繰り返しつけて焼く。

実に香ばしい・・・

天然ウナギのうな丼を実食

ちょっと焦げてしまったが、焼きあがったウナギを温かいご飯にのせる。

山椒も少しまぶしておくと風味がでてよいだろう。

できあがり。

その昔、焼きあがったウナギが冷めて固くなるのを防ぐためにうな重やらうな丼は発明されたらしい。

1分くらいでかき込む。

実に旨い。

旨過ぎて、Facebookに美味しんぼネタを投稿してしまった。

活きでなくても旨いのだから、きちんと泥抜きして備長炭で焦がさず炙ればこれは極上品なのだろう。

おまけ(平田家とウナギ回想録)

ちょっと話が飛ぶ。

今回ウナギの調理なのだが、ウナギを調理するときはいつも小さい頃を思い出す。

幼少の頃、平田家では土用の丑の日になると祖父正臣と一緒に築地市場にウナギを買いにいくというイベントがあった。

早朝、眠気まなこで中野区野方から有楽町線経由で築地までいき、矢鱈に魚臭い市場内のどこかで養殖の黒背のウナギを買っていた。誰が買うのか、アメリカザリガニが大量に売られていたのも覚えている(どうやらフランス料理屋が仕入れるらしい)

素人なりに祖父が「上等だ」と吟味した太目のウナギを少量の水+酸素が充満したビニール袋にいれてもらい、竹で編んだ買い出しカゴにいれて持ち帰る。

帰宅してもウナギは元気そのもので、すぐにそれを祖父がさばく。

このとき、わたしと三兄の前で祖父が氷で冷やす+焼酎につけるという技を披露していたのだが、ウナギは荒ぶる神のようにくねくね逃げ回り、ときにはナショナルの大型冷蔵庫裏への完全逃亡に成功したこともあった。

祖父の出刃包丁に頭をたたき切られても、このウナギらの頭はパクパク生きていた。

三兄とわたしは血生臭いその頭を集め、生命力の強さに感銘をうけつつ何をおもったか、ヒトスジシマカに刺されながら玄関脇にあったバケツまでもっていきいつも泳がせた。

胴体と切り離されたウナギの血生臭い頭。

これが不思議なことにずっと生きて口とエラをぱくぱくしているのだが、子供というのは残酷で次第に飽きるとこれを柿の樹あたりに投げ込み、厨房でウナギをさばく祖父のもとに戻る。

ウナギの頭はそのまま放置され、やがてニオイにつられて蠅がよってきて蛆がわいていたのを覚えている。柿の栄養になるという理屈だったのかもしれない。

このウナギをさばくときに祖父が、「ウナギは串刺しで3年、裂くので8年、焼くのは一生というんだよ。何事も一生をかけて極めるのだなー」というようなことを毎回しみじみ口にする。

我々兄弟は、深いことはわからんのでふーんといいつつ、この一生かかるという焼き方を任される。

台所の裏手に勝手口があり、その半分腐りかけた木製のドアを開け放ち、七輪で備長炭(本物の)の火をおこし、串に刺されたウナギを焼く。

祖父のこだわりであった水あめとザラメが入ったタレをつけては焼き、タレをつけては焼く。

七輪でウナギを焼く場合、火が大きくならないで緩やかに続くので子供が焼いても失敗しない。

なんでこれが一生なのかな。そう思いながら、香ばしく焼きあがったウナギを炊き立ての白飯にのっけて食べると、実に旨かったのを覚えている。ウナギは毎回豊富であって、毎度うな丼を食べ過ぎて気持ちが悪くなっていた。

ウナギの頭は柿の根本に捨てていたのだが、ウナギの骨は食べていた。

ウナギの骨はザルにならべ縁側で乾燥させて食べていたが、素揚げにしてあったかどうかわからないが生臭かったのを覚えている。

しかも縁側で無防備に干していたので、蠅は盛んにたかるし、築40年の家に頑固に同居していた鼠にもかじられていたのでわたしは食べるのを嫌がったが、祖父は「カルシュームだから・・・大きくなれないぞ」などという風に強制的に食べさせるのだった。

祖父のおかげかわからないが、わたしの身長は成長するにつれて180センチを超えることができた。

このようにウナギには物語がある。

本記事のウナギを釣った記事はこちら

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