釣りほど多彩な楽しみ方がある趣味があるだろうか。いやない(反語)
釣り師は、なにかと大物釣りに目がいきがち
釣りをするときにどちらかというと大物釣りに興味がいきがちなのはわたしだけでしょうか。
あれこれ工夫して、大きな魚が釣れると興奮する。
鼻息があらくなって、ときに鳥肌がたって、思わず雄たけびをあげたくなる(あげてしまう)
これまでわたしは海の船釣りであれば、シロギスやカワハギ釣りはさけてきました。岸から釣れる魚は、釣り船の高いお金を払わなくてもいいんじゃないかと思っていました。
だって堤防からジェット天秤を投げたり胴付きで釣れるじゃんと。季節によってはボート釣りでも釣れるしなー。そう思ったり。
一方、カワハギ釣りについては熱狂的なファンが多数いて、大会も開かれているわけで、その魅力はどこにあるんだろうと、釣らず嫌いの一つ、船のカワハギ釣りに挑戦するために金沢八景弁天屋さんにいってきました。
弁天屋さんは平日であれば予約なし、先着順で船に乗れるので、思い立ったが吉日という気まぐれ釣り師にはとてもありがたい船宿なのです。わたしの住んでいる逗子からだと新逗子経由でドアツードアで20分で到着するというのも魅力的でして。
金沢八景弁天屋さんが好き
船宿って、ほんとカラーがあるんですよね。
わたしのような船釣り初心者は、ほんわかしたところが好きです。
金沢八景にある弁天屋さんはまず、受付の貫禄あるおねえさん方がキュートです。
分け隔てなくいろんな人に話をふってきたりするのですが、先日は、おねえさんがこんな話をしていました。
「あたしもサ、ほんとはアマダイとか釣りにいきたいんだけどサ、船宿に嫁にくるとサ、ぜんぜんいけないんだからねー!やんなっちゃうよね。朝から晩まで忙しくてサー。だから本当に釣り好きな人はどっか金持ちと一緒になって、その人に釣りに連れていったほうがぜったいいよネ。ね?」
あはは。よくわかんねーけど。こういう会話が早朝の受付時に行われている船宿は好きです。
こういった船宿は常連の方々もだいたい優しくて、朝、
「おはようございまーす!1日、よろしくお願いしまーす」と、挨拶をしても、
ちゃんと笑顔で「よろしくおねがいしまーす」と帰ってきたり。
はじめての釣り物でよくわからないときに、いろいろ聞いてみると、いろいろ教えてくれたり。お互いにタナを教えてあったり。
船宿って、釣らせることが商売ながらも、そのまえに釣りを通して、心から楽しんでもらえるような空間をつくるのが大切な気がします。
平日が仕事の方は、やっとの週末の休みで1万前後の船代をはらって、遊ぶ。
ときに、釣果優先でソフト面を軽視していたり、施設やサイトなどのハード面を強化しつつも人間力などのソフト面がまーったく追いついていないマーケティング偏重な船宿もありますね。
人の好みはいろいろなので、何を重視するかですが、わたしは適度に釣れるという実績がありながらも、朝一で、ガラガラーっと船宿の引き戸をあけたときに、常連・一見構わずに気持ちのよい笑顔と挨拶が交わせる船宿が好きです。
この日は平日だったのですがカワハギ船はほぼ満席。その他に、アジ、アマダイ、キス船などがありましたが、季節柄カワハギが一番人気だったようです。
弁天屋さんでは、乗船後座布団と手拭きが配られます。ちょっとした心遣いですが、こういうところも好きです。
仕掛けも受付のおねえさんから買いました。
「カワハギって、なんだか派手なのが好きなのかねー。あ、針はカワハギっていろいろありすぎるでしょ。だからうちはい一種類だけおいてるの。替え針かそうじゃないのだけね。錘は今は30号。」
とのこと。
ふむふむ、錘が25号しかなかったので、30号を買い増しておこう。
たしかにカワハギ仕掛けは数が多すぎるから、キリがないといえばそうですね。
ということで、こだわりがある方は事前に量販店で好みのものをかっておくとよいでしょうね。ダイワやシマノ製品のカワハギ仕掛け+オモリは扱っていないようでした。
去年の秋に買ったままのこっていたダイワの仕掛けをチョイス。釣り針は、かけていくハゲ針より、のませの丸セイゴのほうが好きなので、替え針で変更することに。
この替え針式というのがカワハギ釣りの特徴でもあり、釣りをしていると、3本針中、1本が噛み切られたり、針先が曲がったりしたときに、替え針であれば、その部分だけ好きな針に変えられるというメリットがあります。
また、針の大きさや形状などもその日の状況にあわせてみなさん、頻繁に変えているようですね。
ケミホタル50赤+ヤマシタの集奇ビーズ。
この日の水深はMAXで30メートルだったので、ケミホタルはなくてもよかったかなと。
どれほどまで効果があるかわかりませんが、この水深ではケミホタルは精神的保険である気がしています。
エサは、冷凍アサリが配られます。弁天屋さんの場合は、餌付き。
玄人は、自分でアサリの殻をむくというカワハギ釣りの世界。
身のハリや集魚力からいっても殻剥きが抜群に釣れるそうですが、朝早くからその作業をやるというぐらいカワハギ釣りはファンを魅了しているようですね。
カワハギ釣りスタート
おそらく千葉竹岡沖に到着。
左ミヨシの2番目を釣り座に早速釣ってみます。
いつもはもっぱらアジ釣りなんですよーという隣席の男性は、今年3回目のカワハギ釣りということで、いろいろ聞いてみると、
「ちょっと投げて、着底したら叩いて、そこから誘いあげると釣れるっていう感じでしょうかねー」
とのこと。
なーるほど。
ということで一投目、下手投げでキャスト。
このキャストですが、玄人でもよくタックルを海に落としてしまう人がいるようです。
この日も、裏側の釣り座の方がタックルをおとしたようで、人のよさそうな船長から、
「それ、たぶん、反対側の人のタックルが引っかかってるから、そのままあげちゃってもらえますか?」
といわれました。途中でばれてしまったのですが。
・・・
着底後、ラインをたるませ、そこからゆっくり聞き上げる。
うーむ。微妙にあたることもあるが。かからない。
これは、積極的にあわせるものなんだろうか。
そう先ほどの男性に聞いてみると、
「今日はアタリが渋めですね。グググっとくるときはくるんですけどねー。そこから巻くとかかります」
うーむ。渋いと。
と、いいながらも男性は一投目からカワハギをゲットし、その後も数尾釣っているという状況。
トモ側をみても、2名ぐらいを残して、みんな釣っている。
や・ば・い。
あたりがわからない。
もしくは、わかっても乗せられない。
なんということだ。わたしの釣り座だけ濃厚なボウズの気配に包まれはじめたぞ。
ここで、船長から左隣の釣り客に、
「中オモリはないほうがあたりとりやすいですよ。錘でカワハギをよせるというよりも、どちらかというと仕掛けをたるませることが目的なので、アタリをとるには中オモリがないほうがいいです」
というアドバイスがあり、わたしも素直にしたがって中オモリを外すことに。
お、たしかにアタリはわかりやすくなった。
が、乗らない。
よーし。ここは落ち着こう。
初心者である釣り物の場合、あわてずみなさんの釣りを観察しよう。
・・・
もぐもぐ。焼きそばパンがうまいなこれ。
うーむ。凍頂烏龍茶をいれてきたサーモス。ほっとするなー。
と、余裕をかましつつ、精神を安定させつつ、ちらちら。
ふむふむ。
みなさん、仕掛けはほぼ変わらず。集奇はつけているひととそうでない人がいるな。
誘いは、
着底→たるませる→誘いあげる→釣れる。
着底→ゼロテン→釣れる
なーるほど。
あれ?
でもこれわたしとやってることが一緒だぞ。
これは、あれだな。
ロッドが汎用ロッドでアタリがとれてない+針の形状の問題+アサリがコンパクトにつけられていないというやつだ。
・・・
ロッドは変えられないので、針をハゲ針からのませ系に戻し、
前方にキャスト。
着底。
たるませる(5秒ほど)
ゆーっくり誘いあげる。
ガツガツ。ググググ(お!乗ったど!)
おし、つ、釣れた!
わたしだけ釣れていないのをみていた船長から、
「ようやく釣れましたねーよかったですねー」と一声が入る。
や、やったぞ。ボウズを逃れた。
やや深場に移動
後半戦は水深30m程度へ。
いやーみなさんたくさん釣っているのですよ。
が、わたしこの時点でカワハギは1尾。その他、ベラとトラギスなど。
着底して、たるませる。
誘いあげる。
誘いあげる。
グググ。
む!キタコレ!
久しぶりにのったなー。
なんだか重いぞ。デカいのかなこれ。
・・・
・・・
・・・
む。フツーサイズだ。
ぬ。
あれ、針がかりしておらず、ハリスが角に絡んだまま上がってきた模様。
或る意味ミラクルだよこれ。
と、単独釣行のため、だれにも伝えられず一人で感心してみる。
この後、2回のってきたものの、巻き上げ途中にバレるという。
カワハギの口の形状をみると、クチバシなんですよね。なので、釣り針の状態やかかりどころによっては、
他の釣りもの以上にバレやすいなと。
ああ。釣り船にのったのに、2枚。
無念。南無。
と、
ぴしゃり。
と、何かが右袖に落ちてきた気配が。
え?
・・・
・・・
・・・
カモメの糞という呪い。
いつもベラとか差し上げているのに、弱り目に祟り目というか、こういう恩を仇で返すというやり口ですか。
(´Д⊂ぐすん。
もう、君たちにはエサやらないんだからね。
14時20分沖上がり。
船長が釣果を聞きに回ってくるのですが、これほどまでに、俺をスルーしてくれと願ったことがあったでしょうか。
船長「どうですかー?何枚ぐらい釣れました?」
俺「に、2枚です(ぐすん)」
船長「うーん、残念だったですねー。カワハギって平均っていうのがないんだよなぁ。釣れるか釣れないか。竿がちょっと柔らかかったかもしれないですね。カワハギはアジ釣りなどの柔らかい竿じゃなくて固くないとアタリがなかなかとれないんですよ」
※この日の竿頭は30尾以上で、その他の方も10尾ぐらいは釣っていたので、圧倒的な不漁を記録してしまいました。なので、弁天屋さんが悪いわけではなく、みんな釣れるんだけど、わたしだけという状況です。はい。
カワハギ釣りの魅力
これまでチャレンジしてこなかったカワハギ釣りですが、まさにテクニックの釣りだなと感じました。
各自仕掛けにこれでもかと工夫をし、繊細な竿をつかい、繊細なあたりをとる。
タナがあえば、ある程度雑でも一定の釣果がでるコマセの釣りなどとちがって、カワハギ釣りは、本当に腕の差が出るなと。
まだやってみたことがない方はぜひやってみるとよいですよ。
敗軍の将が語る、船カワハギ釣りのノウハウまとめ
これから肝醤油をもとめてカワハギ釣りをやる、わたしのようなカワハギ釣りビギナーには以下のアドバイスをおくりたいなと思います。
- LT五目竿などの転用は不可。9:1等の先調子のカワハギ専用竿を用意しよう。ない場合はレンタルロッドを借りたほうがよい
- あたりが取れないばあいは、集奇系グッズを全部外すとわかりやすくなる
- 針の形状やサイズはかなりシビアなので事前に釣具店でくわしい人に聞いてから買い求めておく
- カワハギ初心者の場合、釣り針はハゲ針より吸い込み系の針がよい。
- アサリは、水管2回→ベロ二回→内臓に針を刺しておくというのがよいのですが、よりコンパクトにまとめたほうがカワハギがのる。大き目なものはハサミでカットして半分にする
- 集奇グッズは外しつつも、オモリだけ赤金+ホログラムor金+ホログラムをつけておけばかなりPRになる
この冬にカワハギ専用竿を装備したうえでリベンジして続編をお送りします。乞うご期待!
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