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【保存版】モクズガニの獲り方と食べ方(泥抜き・料理・保存法)を徹底解説!

モクズガニは実は上海蟹の近縁種

モクズガニのはなしをするまえに、まず上海蟹(チュウゴクモクズガニ)について話したい。

上海蟹は知る人ぞ知る高級食材であり、これがまー旨い。晩秋になると巷の中華料理屋に「冷やし中華あります」みたいに「上海蟹入りました」というような張り紙が出る。

上海界隈の養殖池(現地を見た人から衛生的にどうなのかという説もある)で育った上海蟹は、日本に輸入され中華料理屋で蒸蟹や酔蟹(紹興酒漬け)で食べられている。

ここは新宿歌舞伎町の上海小吃。

これが酔蟹。

上海蟹を紹興酒に漬け込んだ一品で、味噌や卵に独特の甘みと旨みがある。

肺吸虫の問題もあるので気になる人、胃腸が弱い人はやめておいたほうがいいかもしれない。自己責任でどうぞ。

続いて、これが蒸し蟹。

メスは卵がぽろぽろになる。これはこれで旨い。

郷に入っては郷に従えということで、日本なんだけども上海蟹には紹興酒が一番合う。

アルコールが飲めない人は、甘い漢方茶の王老吉(ワンロウジー)がおすすめだ。

この上海蟹ことチュウゴクモクズガニなのだが、かなりいいお値段である。

上野アメ横の商店で1杯1,000円~2,500円程度(雄雌とサイズと産地で値段が変わる) もする。料理をしたものになると、1,500円~4,000円程度もする。

このように上海蟹は旨いが、庶民にとっては高いのであまり食べたことがない食材でもあると思う。

一方、日本には、チュウゴクモクズガニと近縁種のモクズガニ(ズガニ)がいる。

この両種はほとんど味が変わらないので、上海蟹が食べたい人はモクズガニを自分でとったり買ったりして料理すればいい。

▶モクズガニについて

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モクズガニについて

ここで本題のモクズガニ(藻屑蟹。モズクガニという呼び名は誤り)ついて説明する。

モクズガニは淡水産の蟹だ。

国内に生息している淡水産の蟹では最大級で、最大サイズは甲羅の幅で10cm以内、体重200g程度に成長する。モクズガニ以外の呼称では、各地で、ズガニ、ツガニ、ヤマタロウなどと呼ばれ、日本全国の河川の上流域から下流域まで広く生息している。

生息する河川の規模はあまり関係なく、海とつながっていて一定の流量があれば小規模河川でも大規模河川でも生息している。

都市河川のような多少よごれたところでも多くの個体を目にするが、あまり汚濁が進んだところのものは食用は控えたほうがいい。泥抜きをしてもニオイが消えないし、化学物質の蓄積があるかもしれない。

モクズガニは成長すると甲羅の大きさが大人の握りこぶし程度、爪と脚をひろげると大きいものは、映画『エイリアン』の幼体(顔に吸い付くやつ)ぐらいのサイズがある。

夜行性で、晩秋以外は日中障害物の隙間にいて、夜になると餌をもとめて徘徊する。

神奈川 モクズガニ釣り

こちらはウナギ釣りのブッコミ釣りで釣れたオスのモクズガニだが、このぐらいのが釣れるとびっくりする。

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モクズガニが一番おいしい季節は?

モクズガニが一番おいしいとされる季節は秋から冬。

漁業者によって漁がおこなわれるのは9月後半から11月がほとんど。

産卵期で内子をもったメスは美味しい。これが時期が遅れると外子(尻蓋に抱卵する)となり味がさがる。オスは味噌や肉を楽しむがこれも秋が旬。

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モクズガニのつかまえ方

モクズガニは河川の上流域・中流域に生息しているのだが、晩秋になると産卵のために河川の河口にあつまる習性がある。卵の孵化と成長に海水が必要なのだろう。

晩秋、湘南の某河口にあつまっていたモクズガニ。

モクズガニのとり方はいくつかに分かれる。

  • 手づかみする(手網・手づかみ・トング)
  • 釣り針で釣る
  • 蟹網をつかう
  • 蟹籠を使う

それぞれ説明していく

モクズガニを手づかみする(手網・手づかみ・トング)

三浦半島の河川でガサガサ

昼間につかまえる場合は、夏場に比較的川幅が狭い河川の中・上流域の底石をひっくり返していくといい。また岸際の植物の根やエグレ部分に隠れていることもある。

大河川はポイントが絞りにくいため、小規模河川で岸際を集中的に探すほうが蟹の隠れ処を集中的に狙いやすい。。

なにより夏の暑い時間帯にじゃぶじゃぶ川に入るだけでたのしいものだ。

三浦半島の河川でガサガサ

石をどかしたときにモクズガニがびっくりして逃げることもあるので、手網を構えつつねらう。

針金などにスルメ(とられにくいのでオススメ)を結び付けて、モクズガニが生息していそうな穴に突っ込むと、ザリガニ釣りのようにモクズガニが登場することがあるが、ザリガニと異なり脚の力がかなり強いため、穴から誘い出したあとは網ですくうか手でつかむ。

また夜に岸からライトで照らして歩くと、エサを求めて隠れ家からでてきたモクズガニをみつけることができるだろう。

爪や脚をつかむと自切する可能性が高まるので、トングやアミでつかまえるのがいいのだが、どうしても手づかみをしたい場合は甲羅の後ろ側をつかむようにすると挟まれにくい。

湾奥モクズガニをゲット

河口で、手づかみしたモクズガニ。両爪が大きく発達し体毛に覆われている。

モクズガニを釣り針で釣る

小型の釣り針(たとえばウナギ針)をつかってミミズをつかってブッコミ釣りをしておくとモクズガニがかかることがある。

都市河川の中下流で夜や雨後の濁り水のときにウナギ釣りをしているとき、アタリがあるもののどうしても針がかりしなかったり、じんわり引っ張ったりもどったりするようなあたりが竿先にでる場合は、モクズガニであることが多い。

こういったときは勢いよく合わせず、ゆっくりききあわせするとゴミがかかったような負荷とともにモクズガニが釣れてくる。

釣り針をつかったモクズガニ獲りは効率が悪いので、ウナギ釣りやハゼ釣りの外道と思ったほうがいい。

投げ網をつかってモクズガニをつかまえる

カニ網ほいほい

蟹網というものが売られているので、これにサンマあんどのアラをいれて夜に投げて朝引き上げると獲れる。

蟹網や後述の蟹籠は心無い人にいたずらされやすいので、第三者からみてわかりづらいところに仕掛けるといい。

蟹網は市販だと500円~1000円程度するが、100円ショップの鳥アミや太めのナイロンラインをつかって自作できるので試してみよう。

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※蟹網や蟹籠は、水中に放置すると、多くの蟹や水生生物がエンドレスに網に絡み続けるトラップになってしまうので、仕掛けた罠は確実に取り除くようにしょう。

夜間は隠れ処である障害物からでて徘徊しているためたも網などですくいやすい。足場の高さを考慮してたも網をもっていこう。

蟹籠を使ってモクズガニをとる

モクズガニ獲りで一番効率的なのはこの蟹籠だ。

カゴのなかに、蟹網同様魚のアラ(サンマ・サバなど)を入れて一晩つけておく。

晩秋の河口域であれば、条件がよければ一回で数十杯とれることもある。

が、この蟹籠自体は漁業権が設定されている場所では漁具扱いされていて、だいたいルールに抵触するので、利用は慎重にしたほうがいい。

また漁業権の有無にかかわらず、都道府県ごとの内水面・海面漁業調整規則に抵触することがある。よくチェックしてから利用したい。

その他の獲り方

台風のあとに増水した都市河川にいたモクズガニとコオロギ。モクズガニは、やるときはやる男で、かなり素早く動く。どうやら、コオロギをつかまえようとしていたようだ

テトラや岸壁に生息するショウジンガニやイシガニをとる場合同様、ひっこくりという方法でもつかまえることができる。

モクズガニは活かして持ち帰り泥抜きをするのが重要

<モクズガニの下処理・泥抜きの工程>

  1. 持ち帰ったモクズガニをシャワーなどで洗い流してゴミをとる
  2. 水道水(カルキぬき不要・水深は身体が半分出る程度)で泥抜き
  3. 水が澄むまで朝晩水を入れ替える
  4. 水の濁りがなくなったタイミングで調理可能。もしくは冷凍しておく

蟹類は鮮度劣化が激しいので、モクズガニをつかまえたら活かしてもってかってくるようにしよう。

死んだらびっくりするほど早く腐っていき、ドブのような腐敗臭も強くなる。

常に水につけておかなくても生きているので、潮干狩り用の網やクーラーボックスにいれてもちかえると逃げられず便利だ。

夏場などは氷が直接触れない程度に冷やしながら持ち帰るとよいが、冷やしすぎると凍死するので注意。氷の量や配置に工夫をしたい。

オススメのもちかえり方法はクーラーボックスの底に、少量の保冷剤を敷き、その上に濡れ新聞紙をしく方法。

無事生かしてもちかえったら、まず洗って目立つ汚れをシャワーなどで全体の砂泥を洗い流そう。

洗面所などで洗うよりは、お風呂場がオススメ。

ハサミが勇ましいので、勇ましいなーと鑑賞してみるのもいいが、油断すると挟まれるので注意だ。

尻蓋がこのように尖っている蟹類はオス。メスは抱卵しやすいように尻蓋が幅広。

このように激おこプンプン蟹になる。

再度モクズガニ脱走

しばしば脱走もする

次に泥抜きをする。

汽水域や完全に海水で獲れたモクズガニでも真水で問題なく泥抜きできる。カルキ抜きは不要。

水道水そのままでも問題ない。

モクズガニは水質の変化にとても強い生き物だ。毎日水を変えつつ泥抜きをすると1週間は生きている。

モクズガニの泥抜き

沈殿しているのはモクズガニの糞や吐き出した胃の未消化物。

数日真水を交換しながら泥抜きすると、やがて水が濁らなくなり、アンモニア臭や泥臭が少なくなるので、そこで泥抜きは終了。

そのまま調理の工程に移るか冷凍保存しておこう。

モクズガニの締め方や保存方法

泥抜き後はすぐに調理するのがベスト

モクズガニ

冷凍モクズガニ。晩秋の河口域に集まる個体は長旅のため脚がとれてしまっているものも多い

泥抜きしたあとのモクズガニはすぐに調理するのがベスト。

泥抜きに1週間断食させたといってもモクズガニの動きは速いため、締める場合は口から千枚通しを差し込む。ほかに、焼酎・紹興酒・白ワインに漬け込むのもよい。

大量のモクズガニ

白ワインとハーブに漬け込んだモクズガニ。動きが鈍くなる

酸を含んだ酒類につけこむことでモクズガニの臭み成分が分解されて仕上がりのニオイやクセも気にならなくなる。

冷凍保存も可能

モクズガニは冷凍保存もできる。

写真はタイワンガザミだが、モクズガニの場合も同様の方法で対応可能。

保存法は両爪を輪ゴムで固定し、ジップロックなどにいれて冷凍する。油分が少ないため酸化しにくいが1か月を目安に消費したい。

複数の個体を一緒に冷凍するときは脚と脚が固着して、利用時にバラバラに折れてしまうので、ラップを敷いたバットなどに重ならないようにならべ、冷凍が完了してから順次ジップロックにしまっていくとよい。

モクズガニ料理の種類

泥抜きし下処理したモクズガニは和食でも養殖でも中華でもフル活用できる。

調理前にはタワシで表面をこすっておくとよい。

モクズガニのトマトクリームパスタ

神奈川 モクズガニ釣り 調理 トマトクリームパスタ

昨今インスタ映えがキーワードになっているが、モクズガニ料理でもっともインスタ映えするものがモクズガニのトマトクリームパスタだ。

作り方はこちらの記事から。

うなぎ釣りのゲストで釣れた巨大モクズガニをトマトクリームパスタにしてみた

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モクズガニは味噌に独特のコクがある。この旨みや風味をソースに溶け込ますことができれば、手軽ながらも味わい深い料理になる。

モクズガニのブイヤベース

カワハギのアラとイシガニとモクズガニのブイヤベース

イシガニとモクズガニのブイヤベース

モクズガニからは良いだしが出るので、その他の魚介類とともにブイヤベースにしてもいい。

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蒸し蟹(茹で蟹)

モクズガニの白ワイン&ハーブ茹

下処理したモクズガニを蒸し上げる。

茹でより、蒸すほうが旨みが抜けにくい。蒸しにつかう水に日本酒か白ワインを入れるとさらにいい。ハーブをいれてゆでるのも臭みがぬけて香りがついていい。

ゆで上げる場合は水から徐々にゆで上げる。熱湯に生きたモクズガニを放り込むと、ショックで爪や脚を自切してしまうので見栄えが悪くなる。

また、茹で上げる前に鉄串を口から甲羅の中に差し込んで締める方法もある。

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蟹汁

城ヶ島 釣り ショウジンガニとアオサの味噌汁

写真はショウジンガニの味噌汁

モクズガニを調理バサミで半分に割り昆布だしに投入し味噌とみりんで仕上げる。

脚についても、調理ばさみでカットしておくと味がでやすくなる。

酔蟹(よっぱらいガニ)

上海蟹の調理法として知られる酔蟹。

これは紹興酒に生きた蟹を漬け込んで生のまま食べる珍味。

一方、モクズガニや上海蟹は肺吸虫は宿主でもある。餌のカワニナなどをモクズガニに寄生虫がたまるわけであるので、安易に食するのは危険だ。

中華料理屋では活きたまま輸入した上海蟹を八角や桂皮(シナモン)などとともに1週間は漬け込んで仕上げる。

ガン汁(ズガニ汁)

産地によっては郷土料理としてガン汁というものがある。臼やミキサーなどで蟹を殻ごと粉砕して、ダシに投入してたんぱく質を凝固させる料理。

モクズガニの甲羅酒

蒸しあげたモクズガニの甲羅を外し、味噌などを食べた後に熱燗をそそいで飲む。

野趣あふれる風味が満喫できる一品。

蟹メシ

湯であげたモクズガニの身をほぐし、味噌や内子などとご飯を混ぜ合わせたもの。

身をほぐす工程がややめんどくさいが、至福の味。

お好みでレモン汁+醤油orポン酢をかけて食べるとよい。

モクズガニ料理の注意点

神奈川 モクズガニ釣り 調理 トマトクリームパスタ

泥抜きして冷凍したものか、生きたものであれば美味しく食べられるモクズガニだが、注意点もあるので覚えておこう。

調理中は生食する料理のそばでの作業を避ける

モクズガニは前述の通り、肺吸虫に寄生されている可能性が高い。

そのため調理中は生食するものの近くでの作業を避けよう。

調理器具は良く洗う

まな板や、包丁ならびに、あたりに飛散した体液などを体内に取り込んでしまうと危険である。

また調理後は、調理器具ならびに周辺を洗浄する必要がある。

しっかり加熱して食べよう

モクズガニの場合、寄生虫の被害を減らすために蒸すよりは茹でたほうが中心部まで熱が通りやすいのでオススメ。

茹でる場合は熱湯になってから最低15分は火を通そう。

肺吸虫による症状

  • 咳や血痰
  • 皮膚への寄生。虫の移動による腫れ
  • 脳内への寄生。頭痛、嘔吐、てんかん発作等

モクズガニを来年もつかまえるために

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ABOUTこの記事をかいた人

平田 剛士

ORETSURI編集長。釣り歴30年ぐらい。いつの間にか釣りメディアをはじめていたもので人生不思議だなーと思っている今日この頃。 口癖は「釣りはいいよねー」