魚介系メシを食べて気が向いたら記事にしていくという、俺たちのメシ。
第1回は、天ぷら系チェーンのてんやの『煮穴子・めごちの海鮮天丼』
引き続き、誰が読んでいてどんな感想をもっているのかわからないけど。
とりあえず続けていく所存だ。
第3回は、寿司である。
え?
あーはい、予算的に回転するやつだよ。
もうね、あれです。回転寿司というとあれこれシッタカしてディスる人が多いんですが、もうこの国において回転寿司っていうのは一つのジャンルですからね。アトラクション×食という。あれはあれで楽しい。
わたしのおじは寿司職人歴60年ぐらいなんですが、それはそれ、これはこれ。と思っています。
では、いくぞ。
おい貴殿、生サバを握って回すんですか?
引き続き猛暑が続くわけです。馬鹿の一つ覚えなんでしょうか。
もう、外を歩くのも疲れますわな。
さて本日のランチは・・・
回転寿司。
まー魚だし、蘊蓄をかまして無理矢理握って回転するような記事にするって技もよいでしょうな。
ほほほほほ。
む。
ちょ。
生さば260円。
ほう。
このアニサキス無駄騒ぎ時代に生サバを出すとはいい度胸ですね。
状況確認のために、吾輩がいっちょ食べてしんぜよう。がはははは。
というわけで入ったのは、『活魚寿司大江戸』。
東京界隈を中心に店舗展開している模様。
活魚寿司という主張ですが、まー活きがいい魚っていうような意味合いなんでしょう。ようわからんけど。
いいだろう。まずは青物から攻めてやる!!
回転寿司っていうのは、各自の攻め方があると思うんですよね。
好きなものだけ頼む人や、魚が食べられないからそれ以外のメニューを楽しんだり、隣の席のおっさんが高級ネタばかり頼むもんだから、自分は最安ネタ頼みたいのに頼めない人、などなど。人間まーいろいろです。
では、寿司屋では何から頼んだらいいのか。
むかしうちのおじ(繰り返すが寿司職人歴60年)に聞いたところ、
「そんなの好きなものから頼んで好きなように食べればいい。」
とのことでした。
かっこいいぞ。わがおじ。
回転でもカウンターの本格的な寿司屋でも無駄に気張らなくていいんです。
「マスター、おあいそ」
とか、シッタカしてつかわなくていいんです。
世のオッサン諸氏におきましては年少の人間をつれて、
「寿司やって物は白身から頼むもんだ」
「中トロは口に残るから最後だ」
「玉(たまご)をたべれば、まーその店のレベル感がわかる」
「煮穴子のツメ(たれ)で、まーその店のレベル感がわかる」
「光物でで、まーその店のレベル感がわかる」
とかいってませんかね。
あーいうのは、職人からすると鼻につく云々。
ひるがえってわたしの場合は、まず汁物をオーダーして、青物から攻めることが多いかなと。
すると、むかいにいるオッサン氏と職人氏が以下のやりとりをはじめたのだ。
オッサン:「いやー中トロほんとうまいよ!」
白髪の職人氏:「そうですか。ありがとうございます」(にっこり)
オッサン:「あれ、あの○○さん見ないけどやめちゃったの?」
白髪の職人氏:「あー○○さんですね。そうですね、みないからやめたのかもですね」(にっこり)
全体的に雰囲気がいい。
『飲食店では客の顔を見れば味がわかる』
ともいう。
これはわたしが作った言葉だった。
ということでみなさん笑顔で、おそらくおいしんだろうなーと。
イワシ(140円)
最初にでてきたのはイワシだ。
漢字で書くと鰯。
身がやわらかく、鮮度が落ちやすいランキングでも上位に位置していると思う。回転寿司チェーンのなかでも、差が出るネタであって、酢締めにして保存性を高めている店も多い。
酢締めは酢締めでうまいんだけども、生で食べたい。
寝起きです。
・・・
うむ。
鼻毛が出てなくてよかった。
うまい。
生のイワシだった。脂がのったイワシって本当にうまいんだよなー。
アジ(140円)
続いてアジ。
もはや国民食といっても過言ではないくらいポピュラーな魚。
釣り人にとってもなじみ深いと思う。
さて、
これがアジ。
パク。
うむ。
うまいんだけど、やや水っぽいかな。
東京湾の釣り物と比べてしまうとちょっとかわいそうだけども、脂が少ないなーという印象。
回転寿司で食べる生サバの味は!?
生サバ(260円)
サバといえばしめ鯖が一般的で、高知や九州などでは生で食べることがあっても、東京にある回転寿司で生サバが食べられるとは思わなんだ。というのが率直な感想だ。
アレじゃないのか、生サバとみせかけてしれっとしめ鯖を出してくるんじゃないだろうか。
だがしかし、腐っても釣りメディア編集長のわたしである。
その舌と眼を誤魔化せるとおもったら大間違いだ!このやろう。
ちょっと眉唾系で待つ。
・・・
・・・
・・・
「はい、生サバ」
つやつやしてやがる。
む。これは!
美しい。
しかも、しっとり柔軟性をもってシャリと一体化しているぞ。
たしかに、酢で締めている感は全くない。
ち、ちきしょう。これは旨そうだぜ。
・・・
・・・
・・・
繰り返すが寝起きである。
これは!
滅茶旨二郎時貞!
(なんだそれは)
ひかえめにいって滅茶旨いぞこれは。
しめ鯖とはことなりしっとりした身ぜんたいから適度な脂の旨みがあり、それが口中でシャリと一体化してボンバーする。こういえばわかってもらえるだろうか。馬路で旨い。
これが260円とは。
中トロと同様、いやそれよりもうまいように感じるような。
メダイ(140円)
つづいて、メダイ。
釣りのターゲットとしても強力な引きで人気の魚。フィッシュアンドチップスや、ムニエルなどにも適している白身の魚で、それほど安くはないはずだが、140円とは。
ほほう。いいだろう。
かかってきなさい。
どん。
パク。
グーである。
旨い。
140円でメダイが食べられると思わなかった。醤油で食べたけれどもポン酢or塩×スダチなどでもうまいんだろうな。
鯛しゃぶ(140円)
つづいて鯛しゃぶというメニュー。
おそらく湯引きになった養殖の真鯛なんだろうな。それにしても、140円ってやすいな。
ドキドキ。
どん。
皮目はないものの、表面のみ丁寧に湯びいてある。
それに、もみじおろしポン酢という構成。
これはまーうまいだろうな。
おーす。
これもうまい。
養殖真鯛とかのくささとか脂っけなどが湯引き×氷水締めで落とされているのかはよくわからないけどもさっぱりして食べでがあってうまい。
にしてもこれが140円か。おそろしい時代である。
アサリ汁(140円)
しまったアサリ汁をレビューしようとおもったものの寿司がうまくてぐびぐびのんでしまっていたぞ。おい。しっかりしろよ。
こちらがアサリ汁。
味噌汁単体としても十二分にうまい。アサリはしっかり砂ぬきされていて、身が大きい。
あえて言おう、茶碗蒸しはアドベンチャーである。
なまこ(200円)
続いて回転する皿の上を眺めていたらなまこというメニューがあることに。
格安回転寿司でなまこってはじめてみたな。
まーあれだ、なまこについてはわたしはうるさいからな。
どれどれ
ほうほう。これは酢締めされているものだな。
どれどれ。
・・・
・・・
・・・
コリコリ。さっぱりうまーい。くさみもなーい。
酢締めにしてからしばらくたったものと思われるが、これはこれでアリだ。
200円でナマコの寿司が食べられるなんて、いい国だな日本。
しばし湯のみにプリントされた富嶽三十六景神奈川沖浪裏に引き込まれる。
ざばーん。ざっばーん。
茶碗蒸し(260円)
つづいて締めとして、茶碗蒸しでフィニッシュ。
これも各チェーンの性格がわかるポイントだ。あ、シッタカしちゃった。
・・・
・・・
・・・
ははーん。
カマボコ蓋型か。
そうきたか。
カマボコ蓋型とは、茶碗蒸しの表面に大ぶりのカマボコで蓋をするようにして蒸し上げるものである。
このフォーメーションにおいてどこから食べるかは食べての自由でもあるが、スタンダードなのは、カマボコをぺろりとひと思いに食べる技である。
うまい。ふつーのカマボコである。
つづいて、茶碗蒸しの中を掘り進んでいく。
茶碗蒸しとは宝探しみたいなものであって、先の見えないところを掘り進んで出てきた具にいちいち驚きつつ味わっていくという喜びがある。
この具材からは作り手のコスト意識やおもてなしの心、ためらい、など、数多くの想いがつたわってくる。
はて、この茶碗蒸しは、
・・・
・・・
・・・
む。
なんと、エビが2キレ。
ぷりぷりしっかり歯ごたえがあってうまい。アルゼンチン赤海老を刻んだものかな。
いいぞいいぞ。
さて次は、
・・・
・・・
・・・
次にでてきたのはイカの切り身と銀杏。
これもそれぞれうまい。
具はカマボコ蓋+3種類だった。
世の茶碗蒸しといえば、ほかにカニカマで誤魔化したり(それはそれで好き)だが実に背筋が伸びる潔いフォーメーションであった。
わたしはタケノコが好きなので、タケノコも期待したのは事実だが、まあいい。
期待がすべてこたえられる世界など面白くもないからな。
活魚大江戸寿司は安くてうまかった
いろいろ疑ったものの、活魚大江戸寿司はうまかった。
店舗や職人にもよるのかもしれないがオススメしたい。
安い。
意外に生サバをオーダーする人が多く、目の前で売り切れた。あれは旨い。
買い占めたいくらいうまい。
この根性巻という、根性焼きみたいなネーミングの巻物があったが満腹で頼めなかった。気になる。
クリリンの額にある焼き印みたいに6つの具材がまきこまれた豪快な巻物なのだろうか。
チャレンジャー求む!とあるので、量がすごいんだろう。
<その他興味深ったメニュー>
ほや260円
煮はまぐり430円
えんがわゴマ醤油140円
生車えび200円
全ビール党必見の17時から閉店までビールほぼ半額だ。260円はやすい。
参考:活魚寿司大江戸
筆者:平田 剛士
※平田に味わってほしい魚介料理があればこちらから鋭意タレこんでほしい。いいかお高いのは無理だからな。