みなさんは綺麗な魚といえばどの魚を思い浮かべますか?
その一つがサヨリかなと思います。まず【サヨリ】という名前から女性がイメージさせられるのはわたしだけでしょうか。人間のなまえにつけても、なんとなくしっくりくる気がします。
ためしに、自分の苗字に【サヨリ】という名前をつけてみましょう
平田サヨリ
ほらね。しかもなんだか美人そうなイメージという。
そんなサヨリさんですが晩秋から春が旬と言われています。春先で堤防釣りでサヨリをねらわなかったので、脂がのっている春という完全な旬は外してしまいましたが、先日スーパーで2尾199円のサヨリさんが売られていたので、ひさしぶりに食べてみようと思いました。
サヨリについて
今回のサイズは32センチ。サヨリは40㎝ぐらいまで成長するらしく、その姿かたちから、小さいサイズは鉛筆、大きくなると閂(かんぬき)とよばれるようです。かんぬき=門や戸をしめるための横木ですね。寺や金持ちの家の正門の裏手にあるアレに似ているということですね。
まず、頭を落とします。シロギス調理のときにも説明しましたが、頭を8、9割切って腹側にもってくると内臓もとれてくるよいですよ。
とくに刺身などにするときは内臓をできるだけ傷つけないように料理するのがよいです。一旦白身に内臓臭がつくと取れないですからね。あとこのとき、寄生虫のサヨリヤドリムシがいる可能性がありますが、特に害はないのでもしいたら取り除きましょう。
サヨリヤドリムシが寄生していたサヨリを釣った記事は以下からどうぞ
次に残った内臓をきれいにとります。この個体はオスだったようで、白子がありましたので取り除きます。今回は白子は食べませんが、釣りあげたすぐのものであればポン酢あたりで食べられることでしょう。食べたことがないので味はわかりませんが。
サヨリは、腹黒といって腹腔の表面が黒く、外面の良さと比較されて悪女のイメージもあったりするようです。実際はサヨリが海面付近を泳ぎ、色素が薄いため紫外線の影響を受けやすいため、このように黒くなっているのだそうです。
次に、三枚におろします。小出刃かフィレナイフのようなものが調理しやすいかと思います。
腹骨をブレードの薄い刃ですきましょう。
サヨリの甘酢締め
刺身で食べようかと思ったのですが、以前食べたときの酢締めがうまかったので、再度ためしてみることに。
<材料>
- 砂糖
- しょうゆ
- 酢
- みりん&酒
(上記は同量)
- 乾燥ゆずの皮
- 真昆布
この乾燥ゆずの皮は、ひもの網で皮を天日乾燥しておくだけです。
一晩寝かすとこのように。レモンをしぼって食べるとすっきりしてあじわい深いです。
サヨリの卵をからすみに
いままでサヨリを塩焼きにしたことはなかったのですが、サヨリはダツの仲間でサンマとも近縁だそうです。ということで塩焼きもたしかにうまそうだと思い試してみます。こちらの個体はメスだったようで、卵がありました。これはキスの卵と同様からすみにしてみます。これはまた別の記事で。
頭も取り除いてもよいですが、見栄えがよくなるので残しておきます。内臓を取り除き、全体に塩をふって20分ほど冷蔵庫で寝かせておきましょう。
今回は焼き網ではなく、アルミホイルを敷いたトースターで焼きました。
味と触感は、カマスによく似ているなと。卵をもっていたので脂肪分は弱かったですが、春先であれば脂もさらにのってうまいことこの上ないのではないかと思います。とはいえ、こちらも淡白でクセがなく上品な味でした。
最後に
釣ってきたサヨリは、えらや口腔内にかなりの確率で寄生虫であるサヨリヤドリムシがいて、気色悪く感じるものですが、この魚はクセもないしとてもうまい魚です。脂が少ない時期はフライにしてもよいでしょう。まだ料理したことがない方は、ぜひ試してみてください。なお、産卵後に味が落ちたサヨリの味は秋には復活するようです。
ではでは。