釣った魚の料理は手間がかかるんだよなー。
これは多くの釣り人の共通認識のような気がします。釣りって、実際かなり疲れるんですよね。
釣りをやらない人からすると意外かもしれませんが、おかっぱりの釣りであればかなり移動しますし、岩場などであればバランスを保つためにかなり筋力をつかっていたり。
船釣りであれば、船の揺れに耐えるために普段つかわないような筋肉をつかって筋肉痛になることもしばしば。
そんでもって帰宅したあとに疲労困憊の中、下処理をしてそこから料理をする。早朝から寝不足で釣りをしていたとなると、もうこのあたり意識朦朧だったりするわけです。
魚の種類や量によっては下処理で1時間以上たってしまったり。でもって、そこから料理をすると、さらに1時間程度かかったりする。
そうなるともう食欲うんぬんよりも眠くなってしまったり。ということで、今回は魚の下処理と料理タイミングと時短がテーマです。
魚の下処理タイミングは当日でなくてもOK
釣った魚というと、どうもその日に下処理しなくてはいけないような強迫観念があったりする人もいるかもしれないんですが、イワシやサバなど極端に弱りやすい魚でなければ翌日でも問題ないと思います。
これはちゃんと締めていて、保冷がバッチリの場合ですけどね。
船釣りであれば、氷が比較的潤沢につかえると思うので、帰宅後もクーラーボックスに魚をいれたままその日は寝てしまうのも一つです。
釣行後に疲れたまま下処理をすると、棘や包丁で怪我をすることもあるので注意です。今回はメバルの料理を紹介しますがメバルって棘が刺さると鈍痛があるんですよね。ぼけーっと意識朦朧で下処理しているとだいたいやられます。
冷凍と電子レンジは時短で魚料理を楽しむための味方
ある程度、釣魚料理になれている釣り人だと、魚を食べるタイミングを決めていることでしょう。
数日以内に刺身で食べる魚、1週間以内に加熱して食べる魚、長期的に保存するなどなど。
いずれにしても、用途によって下処理や保存方法を変えていっているかと思います。
よく「冷凍」は二流のように思われがちですが、やっぱり、長期間釣魚を楽しむためには不可欠な方法かと思います。
冷凍は脂肪分が多い魚の場合は劣化しやすいのですが、脂が少ない魚できちんと下処理してあれば1か月以上たっても問題なく食味が保てるわけです。
また電子レンジも「レンチン料理」と揶揄されたりしますが、より短い時間で食材に火を通すという点で状況によってはかなり便利な調理法です。
メバルを下処理して冷凍する
脂肪分が少ないという点で、メバルは保存性が高い魚です。マアジなどと比べても、冷凍庫焼け(乾燥や酸化)しにくいという実感があります。
こちらモエビで釣ったメバル。
現地でエラを切って血抜き&延髄部分を調理バサミでカットしておきました。
本格的な神経締めでなくても、十分保存性が高まります。
余裕がある人は神経締めがベストなわけですが、実際のところそれほど大きい魚ではない場合は、「神経締めなんてやってる暇はねーよ」と思っているひとも多いんじゃないかなと。釣りに集中したいという人がほとんどな気がします。
持ち帰ったメバルは鰭の棘部分を調理バサミで落とし、鱗おとしとエラ・内臓・血合いをとります。特に血合いは歯ブラシなどでしっかりとるのがポイントです。
ゆくゆく煮付けにする場合はこのままラップで密封して冷凍しましょう。
真空パックにできればさらに保存性が高まりますが、1か月以内の料理であればラップで包んでジップロックにいれて保存で十分です。
干物にする場合は、このように開いていきます。血抜きができていれば、身が白いはず。
頭から尾部分を開いたあとに、頭部の付け根を包丁で開いてみましょう。
あとは塩水+日本酒に40分程つける。
塩水は海水程度の塩辛さにします。
漬け込んだら、水で洗い流して水分をとって干します。
乾す時間は好みですが、夜から朝まで、もしくは1日ぐらいにとどめていたほうが身のジューシーさが残ります。保存性を高めたい場合は、漬け込む塩水を濃くしたり、干し工程を2日ほどにしてみたり。
こちらができあがったメバルのひもの。
こうしてみると、いかにメバルの眼がでかいかわかりますね。
魚の眼も水分が残りやすく腐敗の原因になるので、さらに長期保存したい場合はくりぬくのもありですが、どの魚も眼があったほうがおいしそうに感じるはずです。
▼ここからの料理はだいたい15分以内に仕上げることができるので、忙しい日にも手軽に魚を食べたいときに参考にしてみてください。電子レンジがポイントです。
冷凍メバルのひもの、時短炙り
冷凍しておいたメバルのひものは、冷凍したまま炙るのがベストです。
表面に霜がついていたら、かるく水で洗い流すと冷蔵庫臭なども飛びます。表面に日本酒をかるくふってから焼くのもオススメです。
ちなみに、冷凍したひものを時短で炙る場合は、1分ほど電子レンジで加熱してから炙るとよいです。
レンチンとか邪道だろと思う人もいるかと思うのですが、まー時間がないときは文明の利器を使えばよいと思うのです。
このメバルの干物はトースターで炙ったもの。
10分以内で出来上がるはず。
メバルの干物は身が上品で淡白。
うす味にしあがっていたら、レモン汁や大根おろしポン酢で食べるとよいでしょう。
冷凍した&レンチンしたものとは思えない逸品。
冷凍メバルの時短煮つけ
メバルは煮付けというよりも、素材の味を活かしつつ多めの煮汁であっさり仕上げる煮魚にむいているとされますが、冷凍した場合は、しっかり甘辛く仕上げるのも一つです。
冷凍メバルに熱湯をかけて表面の臭みを落としフライパン等に並べ、数分そのままにしておきます。
その後、落し蓋がわりにキッチンペーパーと鍋蓋をかぶせて一気に強火で炊くとよいでしょう。
- 醤油
- 砂糖
- 東肥赤酒
※さらに照りとコクを出す場合、水飴を少々入れるのがおすすめ。
煮汁の濃さは、甘辛くなっている状態であれば後は好みです。
できあがり。
あっさり仕上げた煮メバルよりも白いご飯にあう味です。
これが冷凍品だとだれが気づくだろうか。いや気づかない(反語)
炊く時間は10分程度で問題ないですが、冷凍しているため、サイズや身の厚さによってはやや生煮えがのこる可能性もあるので15分程度炊けばよいでしょう。
さらに時短調理をしたければ、レンジで1分加熱してから霜降り処理と炊き工程を行えば10分で出来上がるはず。
干物も同時並行でしあげれば、合わせて15分ぐらいで仕上がるはずです。
味噌汁は気張らずお湯をそそぐタイプをつかってしまえば、簡単にあったかくてうまい食事が食べられますね。
煮魚や干物の骨やとりきれない身は、椀にいれて熱湯を注ぐと骨湯としてしみじみとした味。
顆粒の昆布だしを少量入れると旨さの厚みもさらにでて味わい深いのでオススメです。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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▼煮付けは東肥赤酒。これですよこれ。
▼水飴をいれると照りとコクが増すわけですよ。これほんと