釣りの基本は、その時々に魚が食べている餌を意識して釣りをすることだと思います。
冬場に岸近くから釣りをしていると、浅場の魚はなにを食べているのかなと気になることがありませんかね?
透き通った海をざっとみたところ、あんまりまとまった餌もいなそうだなと。プランクトン類など夜間だとたくさんいるのはわかります。
良く知られている餌として、1月~4月ぐらいまでの比較的水温が低いときに浅場での重要な餌としてはゴカイ類が有名です。
砂地や牡蠣殻エリアに潜んでいて、「バチぬけ」と呼ばれる産卵行動によって、容易かつ大量に捕食できたり。
あるとき釣ったメバルから出てきたゴカイ類。種類はいくつも。
このゴカイ類のほかに重要な餌と思われるのが「ボケジャコ」と呼ばれる、二ホンスナモグリです。
こちらは三月初旬に釣ったメバルとイシモチなんですが、それぞれの胃袋の中から、かなりの量のボケジャコが出てきました。
おわかりになるだろうか。
釣り上げたイシモチが、小型のボケジャコをおえおえ吐き出すんです。
オキアミじゃないよ、ボケジャコだよ
みんなそろって、かなりまとまった量のボケジャコを食べている模様。
ボケジャコこと二ホンスナモグリの産卵は春から初夏とのことで、その影響もあるんでしょうか。
砂泥エリアに隣接する、捨て石エリアで釣れた、この良型メバルやカサゴの胃袋からもボケジャコがたくさん出てきました。
メバルにとっては、産卵後にあたる個体がほとんどだと思うんですが、あんまり動かなくて栄養があるボケジャコはゴカイ類と並んでうってつけの滋養強壮食品なんでしょう。
これらの魚は、南本牧エリアで釣ったものなんですが、界隈の砂泥エリアには無数のボケジャコが潜んでいるんでしょう。それがなんらかの集団行動をすることがあるようです。
もしくは、南本牧のコンテナ積み下ろしエリアには巨大な輸送船が関連している気もします。
大型の船が凹型の岸壁へ年中出入りするので、そのスクリューにより海底の砂泥がまき起こされ、砂にもぐっているボケジャコが露出、そこに「ヒャッハー!!メシだー!!」ってな具合に、イシモチなどがむれるのかもしれません。
- 産卵に伴う集団行動
- 巨大な船のスクリューによる砂泥エリアの撹拌
- 同、時化による撹拌
いろいろ考えられますが、春に浅場でまとめて食べられ、かつ栄養価が高い餌としてボケジャコというのはかなり重要な要素なのでしょう。
普段に砂にもぐっているボケジャコに対して、イシモチやメバルが穴をほって捕食するみたいなことはあんまり考えられません。
イシモチ釣りでは、ある程度砂泥底をたたいて底を荒らしてから待った方がアタリが出やすいんですが、イシモチも本能的に砂煙や濁りが強いところに餌があるとわかっているんでしょう。たぶん。
マゴチが吐き出したボケジャコ
今回は、メバル・カサゴ・イシモチの胃袋から確認できましたが、春に釣るマゴチの胃袋からも、かなりの割合でこのボケジャコが登場します。
小型のマゴチから、55cmを超える大型のマゴチまでこのボケジャコは良く食べるようで。
ということで、ボケジャコがたくさん生息している環境だからこそ、東京湾の底物たちも恩恵をうけているんだろうなーと思った次第です。
釣り人としても、見逃せないポイントだと思います。
釣り船であれば規定のエサをつかうのが基本ですが、岸釣りやボート釣りなどは釣具店で活きたボケジャコを買ってチャレンジしてみるのも、一つだなーと。
数は少ないですが、マコガレイもきっとこのボケジャコを食べているはず。
こちらは台湾の屋台でみかけたアナジャコ(たぶん)
早春のルアーマゴチあたりは、ボケジャコを意識したワームを使うと釣果が伸びるかもしれません。
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