先日、船釣りをしていて「ベイトリール」こと両軸リールのメカニカルブレーキを調整していたら、キャップが落下してしまったという事件があったのです。気をつけていないといつか経験するこのトラブル。大したことがない部品かと思いながらも意外と出費もかかるので、気を付けたいところ。今回はベイトリールのメカニカルブレーキとパーツ交換についての話です。
ベイトリールのメカニカルブレーキについて
ハンドルの付け根の手前のキャップが「メカニカルブレーキ」
ベイトリール(両軸リール)にはいろんな外部パーツがあるんですが、多くのモデルに共通しているのが「メカニカルブレーキ」ですね。
リールのハンドル側にあり、キャップを締めることでスプールが締め付けられ回転を制御しバックラッシュを防いだり、バーチカルな釣りでの落下速度を調整したりします。
キャスト主体のリールにはこれに加えて「遠心ブレーキ」や「マグネットブレーキ」がついています。要はメカニカルブレーキだけのざっくりな調整ではなく、さらに微調整ができるというわけです。
今回はこのベイトリールの基本的なブレーキである「メカニカルブレーキ」についての話です。
リールの「メカニカルブレーキ」は船べり&水際で操作してはダメよ
事件は船タコ釣りのときにおこった。。。
いやね、わかってはいるんです。
もう30年も釣りはやってますし、ベイトリールも中学1年生ぐらいのバス釣りブームから使ってますんでね。このメカニカルブレーキの蓋が落ちるということは知ってました。
が、知っているのと、実際にやってみるのでは大きな違いがあるんだなー。
先日、フィーバー中の東京湾船タコ釣りをやっていたら、どうもスプールの回転が遅いかなーと思ったんです。で、どんどんメカニカルブレーキの蓋をゆるめていったわけです。
するとね、どんどん緩みながらも、まだまだスプール回転が遅く感じられたのです。あとあと考えればそれが仕様なんですけどね。
ゆるめるゆるめる。
ゆるめるゆるめる。
と、
カラン。カツ。
ブレーキの蓋が船べりにおちて、無情にも海に沈んでいったんだなーこれが。
メカニカルブレーキの蓋が意外とお高い
いやね、テンションがた落ちですよ。小さなパーツながらもキツイ。その日はそのままふたなしのアブ・ガルシアWM60で釣り続けタコを11杯。が、心の中に落ちたキャップが気になっていたので、修理について調べてみました。
こちらがメカニカルブレーキの蓋が見事に落ちたWM60。
アブ製品を販売しているピュア・フィッシング・ジャパンのサイトの「リールパーツリスト」というサイトにたどりつきました。どうやら、メカニカルブレーキの蓋をはじめ、パーツはアブ・ガルシアを取り扱っている釣具店で発注できるとのこと。ほーん。
じゃあ、キャップだけ注文すれば安いよね。500円ぐらいかな。
と、おもったら大甘なわけです。人生を甘く見てはいけない。パーツ代だって甘くみてはいけない。
同サイトには各製品のパーツリストがみれるページがあるんです。WM60の場合はこちら
こちらはWM60に付属していたパーツリスト
どうやらね、落ちたパーツが蓋だけかとおもったら、グリスでくっついていたワッシャーとスプリングという4パーツも海にさようならしていたらしいんです。
それで、これが全パーツのお値段です。
- 72 1125769 CLICK SPRING ¥150
- 73 1125770 FRICTION WASHER ¥50
- 74 1125771 RUBBER WASHER ¥50
- 75 1125772 CLICK WASHER ¥100
- 76 1400415 BRAKE KNOB ¥1,500
実際のところ、ワッシャーなどは安いんですが、ブレーキノブが意外にお高めねというやつで。全部で1,850円でした。。。まー安いといえば、安いし、高いといえば高いのかもなんですけどねー。どっちなんだよ。
メカニカルブレーキの蓋を釣具店で注文して装着
某大手釣り具チェーンに出向いて、「アブのリールの部品注文をしたいです」というとスムーズに進みました。このとき、リールのパーツ番号が必要なので控えておくとよいでしょう。
主要メーカーであればネットにパーツリストがあるのが一般的です。URLをスマフォにブックマークしておくかキャプチャーをもっておくとよいですね。
両軸リールはスピニングリールと比べてパーツも多いことがほとんどです。具体的にリールのパーツが指定できない場合は、説明書をもっていって釣具店スタッフに相談するもありだと思います。
ということで、数日後、釣具店からお呼び出しの電話をいただきパーツを購入。5営業日程度だったと思います。
どうやら落ちたのはこの5つのパーツ。ワッシャーにいたってはかなりちっこいですね。
シンプルなメカニカルブレーキの蓋のなかにこんなにパーツがあったとは知らなんだ。
これをメカニカルブレーキの蓋側に設置。ずれやすいのでグリスをすこしつけて接着しちゃうとよいかもしれません。自己責任で。
組み立て自体ができればあとはネジ(キャップを)をしめるだけ。
念のため、締めるとスプールの回転も締まるかチェックしておきましょう。
ベイトリールのメカニカルブレーキ蓋とスタードラグの距離関係
それにしても、いままで両軸リールのメカニカルブレーキ蓋ってゆるめてもスタードラグにあたってキャップが落ちなかったよなーとおもっていたんです。
そこでもっている複数の両軸リールをチェックしてみたところ、このブレーキ蓋とスタードラグの距離ってまちまちなんですね。それもそうか。
こちらアブ・ガルシアのレボ・ビッグシューターWM60。
比較的メカニカルブレーキの蓋とスタードラグの間に距離があることがわかります。ギア部分とハンドル部分の接合箇所自体に距離がある仕様なのです。
一番船釣りでつかっているシマノバルケッタ300HG。
メカニカルブレーキの蓋とスタードラグはほぼ密着してます。これだとメカニカルブレーキをゆるめていくと、スタードラグに干渉するので、あ、これ以上は緩めちゃダメなんだなと気づきますね。
こちらはアブ・ガルシアのブルーマックス船3。ビッグシューターWM60ほどじゃないんですが、メカニカルブレーキの蓋とスタードラグの間に距離があります。
ということで製品仕様的にも、メカニカルブレーキの蓋が釣行中に滑落してしまう可能性が高いか低いかについては差がありそうです。
メカニカルブレーキを調整する際は「水場」から離れよう
両軸リールのメカニカルブレーキの蓋とスタードラグの位置関係を比較してきたんですが、ここでそもそも設計が悪いんだとかいいたいわけではないんです。
みなさんにお伝えしたいのは「メカニカルブレーキの調整は水の近くで行わないほうがいいよ」という話です。
- 夜釣り
- 船釣り
- 岸釣り
いろんなシチュエーションでブレーキを調整するシーンがあると思うんですが、最悪メカニカルブレーキの蓋が落ちるかもということは覚えておいて、調整する際は水から離れたほうがいいと思います。
船釣りだったら、船べりで調整しないで、釣り座にしゃがんで行う。でも、これでも「カラン」って落とすと、排水溝に転がって行って、ジ・エンド。みたいなのがあるかもなので注意です。
岸釣りだったら、水から離れてしゃがんで調整するとよいと思います。立っているときに、ブレーキノブ(蓋)が落ちてしまうと転がってどこかにいってしまうかもしれません。
それと夜釣り。なにかと暗い場所ではものが無くなりやすいので、できるだけブレーキ調整しないような釣り方ができるとよいなーと思いました。
まとめ
ということで、ベイトリールのメカニカルブレーキの蓋が落ちてしまった問題についてのまとめです。
- メーカーにもよるが部品は発注できる
- リールのパーツリストは購入時の製品同封だけでなく各社のサイトに掲載されていることもある
- メカニカルブレーキの蓋は意外にお高いかも
- メカニカルブレーキの蓋だけでなく内部にワッシャーなどがあり固着して落ちてしまっているかも
- ベイトリールの製品仕様でブレーキ蓋とスタードラグの距離が遠いアイテムがある
- ベイトリールのブレーキ調整は落下に注意しながら行う
以上です。
これで、みなさんがメカニカルブレーキの蓋を落としてしまっても安心ですね(笑)
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)