カサゴとして売られていたアカブチムラソイ
日課となったスーパーの魚介コーナー巡り。この日もめぼしい魚はいないかなと思っていたら、
『特選』
というキャッチが目に入ってきました。カサゴねー。ん?でも、これカサゴじゃないよね?これってよくありますよね。悪く言えば食品偽装なのですが、マイナー魚の名前を書いても売れない場合があるのでしょうね。
これは、カサゴでなくて、ムラソイじゃないかなと。橙の斑点があることから、アカブチムラソイかなと思います。ムラソイ自体は東京湾や相模湾あたりの岩礁地帯でよく釣れる魚なのですが、このアカブチムラソイはこのあたりでは生息していないんですよね。ということで、食べたことがない魚なので、料理してみることに。
アカブチムラソイの観察
みためはムラソイのように頭部と胸鰭と背びれで磯に固定できる仕様のようですね。
過去のムラソイ釣りについて解説した記事をご覧いただくとよくわかると思うのですが、ムラソイはゴロタ場や磯での根潜りの力がピカイチなんですよね。そのため、身体の頭部周りがかなり頑丈にできています。カサゴと比較してもムラソイのほうが重装備なんですよ。
このムラソイをタイドプールにいれてみたところ、この通り。一気に溝に頭をつっこみ岩と同化しました。しかもひっぱっても背鰭と胸鰭で固定されてとれません。ムラソイをねらうときはこれに注意して釣りましょうね。細いラインだとこうなると切るか、浅場ならば手を突っ込んでランディングするしかありません。
サナダ虫様が登場
アップでみてみると、橙色の斑点が顕著ですね。特選とあったので、刺身にして、アラはアラ汁かなと思っていたら・・・
登場しましたサナダムシ(真田虫)。細めの稲庭うどんサイズですが、まだ生きていて、元気ににょろにょろ動いています。。。恐れ入りますが、お引き取りいただければと思います。
アカブチムラソイで味噌チゲを作る
サナダ虫先生の登場により、ちょっと刺身にするテンションが下がったので、ぶつ切りにして、味噌チゲにしてみます。抱卵していたので、肝臓と胃と卵巣を食べることに。カサゴ類もそうなのですが、頭部はキッチンハサミで割るとダシがさらに出やすくなりますよ。
そんでもって、ボールにいれて湯通ししておきます。この工程で生臭みがとれるので、煮つけや汁ものをつくるときは必ず取り入れたい工程です。
と、工程を省略しますが、鍋に、湯をはり、スライスした人参、たまねぎ、しし唐、にんにく、しょうがを投入します。
味噌、みりん、酒、コチュジャン(タッパー入りがおすすめです)、ごま油、牛脂(スーパーのお肉コーナーで手に入るもので可)、ダシダ(韓国風牛肉ダシ)orウェイパー、黒胡椒、鷹の爪で味付けをします。
20分ほど中火で火を通し、仕上げにごま油をひと回しいれ、あさつきや万能ねぎをそえて出来上がりです。
アカブチムラソイの味の感想
味噌チゲにして味の感想といっても、よくわからないというのが当たり前の話なのですが、カサゴやノーマルムラソイと一緒で、汁ものにすると深いダシがでてこういったチゲにもよくあう魚だなと思いました。
スーパーでアカブチムラソイが売られていることは、まーあまりないと思うのですが、釣りをしていてカサゴやムラソイやメバルが手に入り、いろいろ料理して変わったものがいいなーと思ったときにこの味噌チゲは簡単につくれるのでおすすです。どんぶりにご飯を少量もり、韓国のりをまぶし、そこにとき卵を入れた味噌チゲを流し込むとまたこれもうまいですよ。
それにしても、どんな魚介類もスーパーで正式名称で売られていたほうが楽しいとおもってしまうものの、やはり売れなかったら店側もこまってしまいますし、消費者も味わえないというジレンマ。これなんとかしたいもんですね。いつも思うのは、魚屋は販売するだけでなく料理法や味もしっかりアピールすればよいのになと思います。
たとえば、
『知る人ぞ知る荒磯のアカブチムラソイ!アクアパッツァや汁物、煮つけに最適でカサゴに匹敵する味です。ぜひ食べてみて!うまいよ!』みたいな。
まーORETSURIのこういった記事がみなさんの記憶に残れば幸いです。
※と、おもったら別の日にはこのアカブチムラソイがちゃんとソイして売られていました。