※この物語を釣れないときも懲りずまた釣り場に通ってしまう全釣りバカに捧げます。
※この物語はフィクションです。が、千葉のコリュッシュさんでオマール海老を釣るためのコツをどこよりもまとめてありますので参考にしていただければと思います。
実釣!
照明が落とされると、真っ暗な会場は静まり返っている。が、この釣りのルールはシビアなものだ。参加者16名に対して、公称2匹ずつのオマール海老が生け簀に投下される。その他生き残りオマールや真鯛や毛ガニ(今回の特別ゲスト)もいるらしいが、基本的にはオマール海老の取り合いが行われる。つまり、誰かが釣ると、自分の釣る分がいなくなるというわけだ。ザワ…ザワザワ……
欲望の増長と疑心暗鬼
そうこうしているうちに、まわりではオマールが揚がりはじめる。誰かが1尾釣るたびに、俺のオマールがいなくなる。なんということだ!アタリもなんにもないぞ。と、置き竿にしていたところ竿先のケミホタルが動いた気がした。すこし竿を聞いてみるも反応なし。下衆大将こと北條貢一が、「まー時間はたくさんあるし、落ち着いていこうよ」と声をかけてくるが、このときから俺の気は狂い始め、暗闇の中ですべてを疑い始めた。
俺:「なんの餌で釣れてる?」
下衆:「オキアミみたいだよ」
俺「…」(ほんとうなのだろうか、この男、俺の分のオマールを釣るために嘘をいっているのではないか)
ザワ…ザワザワ…
俺:「置き竿にしておくとよいみたいよ」
下衆:「うーん」(ほんとうなのだろうか、この男、俺の分のオマールを釣るために嘘をいっているのではないか)
ザワ…ザワザワ…
隣りの他人:「○○を○○したら釣れた」
俺:「…」(ほんとうなのだろうか、この男、俺の分のオマールを釣るために嘘をいっているのではないか)
ザワ…ザワザワ…
暗闇のなかで人間の欲望という醜さと、疑心暗鬼が生じていく。
後半戦へ
18時30分から1時間半経過し、20時。後半戦へ突入。そんなこんなで下衆大将が1匹初っ端でばらしたときから一切あたりでず。くじをひいて後半戦は対岸へ。一旦ライトがつく。
その瞬間に抜け目なく生け簀下部の地形とブロック等の障害物を確認。人生で勝利するにはいかに人を出し抜くかだ。そんな声が脳内に響く。再度消灯。
あ、アタリがまったくない。が、周りはつれているようだ。こうなってくるとオマール海老がどこかで停止しているという考えが脳内で沸き起こり、有利と事前情報で得ていた置き竿をやめ、竿を頻繁に動かすようになる。が、アタリがまったくない。そうこうするうちに、もしかしてまわりの釣っている人間は、売られているアオイソメやオキアミではなくなんらか持参した特餌をつけているのではないか、であったり、まさか、トリプルフックをつけてオマール海老をひっかけているのではないかなどと妄想が広がる。また、そのうちに、目の前の水中には魚やオマールエビなど一切いないのではないかという考えが沸き起こり、一切の集中が阻害され、竿先に乱れが生じる。
こ、これが暗闇の力か。
釣れないという事実から、勝手に妄想がはじまり、自分以外のすべてが敵になっていくというおそろしい競技。それがこのオマールエビ釣りなのだ。
そして、21時30分。試合終了。なんと、あれだけ意気込んだ俺がぜ、ゼロだって。下衆大将もゼロか。し、しかも俺たち以外はけ、けっこう釣ってるじゃないか。ぼ、ボウズなのは俺たちともう一人ぐらいだぜ。
改めて、明るく照らされた生け簀で答え合わせをすると、なんと目の前を真鯛が泳いでいたり、オマールエビもルンバぐらいの速さで動いている。なんと、オマールエビはあんなに速く動いていたとは。彼奴らはあんなに速く動いていたのに、俺は、あいつらがいるところを探して竿をちょこまか動かしてしまったんだ。物事に動じず置き竿で待つ。これがこの釣りの必勝法であることにちがいない。
これが生け簀の形状だ。手前1メートルに浅瀬があり、その先に幅2メートル程度の深場がある。またその深場は中央の網で遮られている。が、場所によってはこの網にすきまがあり、対岸とこちらでオマールエビや鯛が行き来できるようになっている。よくみると沈みブロックのまわりにはオマール海老や真鯛がいる。この沈みブロックの位置を事前に把握しておくのも重要な攻略法なのかもしれない。
永遠のオマール
そして俺たちのオマール釣りが終わった。まわりの釣り人を見ると写真のとおり大漁のようだ。なんということだ!俺のオマールをかえしやがれこのやろう!と、言葉が出にかかったが。俺たちが生きているのは勝負の世界。ぐっとこらえて、コリュッシュのスタッフさんに攻略法について話を聞いてみた。すると、今日は貸し竿の方もたくさん釣っていた模様。どうやら、アタリがわからないほうが勝手に乗っていて釣れたりするようだ。下衆大将は、アワセが早く2回ほどばらしていたが、放置して餌を食い込ませる。これが鉄則のようだ。
が、俺にはあたりも2回しかなかった。それはなぜか。これはおそらく自分では固定していたつもりでも、仕掛けを頻繁に動かしていたからだろう。次回は置き竿に徹する。そう心に刻んでおく。
また、くやしかったのでさらに粘着して女性のスタッフに話をきいたところ、貸し竿についている釣り針を教えていただいた。ふむふむ。鯉スレ9号にハリス2号ね。なるほど。次回はこれでやろう。どうやら俺と下衆大将が使っていたチヌ針5号はオマール海老釣りにはやや大きすぎたようだ。
なんとボウズのくじ引きで一等がでた。迷わず施設利用券に変えていただく。リベンジあるのみ。
釣り師としてほんとうにくやしかったので、いろいろと粘着してスタッフさんにきいていたところ、ご厚意で、1尾ずつオマール海老をいただく。ありがたや。いい人たちだ。怪しいとか、カイジ風の記事を書いちゃってごめんなさい。
オマール海老釣り攻略法まとめ
ここからはコリュッシュさんでオマールエビを釣るときのまとめです。もう言い切りの文体に飽きたので、丁寧語にもどします。ボウズだったやつが何をいうかという話が聞こえてきますが、失敗から学ぶほうがよいと思いますので、よかったら参考にしてください。
<オマール海老をよく釣るコツ①>
- 竿先が柔らかい竿で置き竿&アタリ放置がベスト。オマールエビは結構早く動くし動かしていると喰いついてこない
- キャストができないため竿は2メートルより50センチほど長いほうが有利(真ん中の間仕切り網のあたりを狙える)
- 針は小さめでハリスは2号程度。大型もいるので細すぎると切れるとおもいます
- エサはオキアミでもアオイソメでも釣れるはず。なにしろ、試行錯誤してエサの出し入れを頻繁にするぐらいであれば、水底に餌をステイさせる時間を多くとったほうがよいと思います。徘徊するオマール海老を足止めするためにはアオイソメを長めにつけるというのもありかと。この場合も長時間放置がベスト
- ブロックが沈んでいるので、照明がまだある段階で探っておくこと。ブロックの上や側面にオマール海老や真鯛がよりそう傾向にありました。
- スタート時と、後半戦スタート時にアタリが集中するため精この時間はとくに精神統一しておくこと
<オマール海老をよく釣るコツ②>
次に重要なのは自分の心をいかに平常心でいるかです。周りがつれだすと、カイジ状態になり、本記事のわたしのように極めて疑心暗鬼になります。すると、目の前を行き交うオマール海老に対して集中がきれることになります。誰かが釣っても、焦らず、俺のオマールはここにいる、俺のオマールはこの置き竿の前を通る。と静かに唱えましょう。
余談、いただいたオマール海老について
この通り、路上で記念撮影をして行き交う人に不信に思われたり、
この通り、膝の上にのせてみたり、
この通り、PCの前で記念撮影をし仕事をしている感を演出したり、
この通り、PCのグーグルアナリティクスの効果検証をやっているっぽく撮影したり、
この通り、Facebookにコメントを返しているっぽく撮影したり、
まーなにをするのもみなさんの自由ですが、せっかくのいただきものですので、おいしく料理して食べるとよいと思います。持ち帰ったオマール海老は海水や水につけず濡れ新聞紙でくるんでおくと1日程度は生きているようです。海老や蟹類は死んだ瞬間から急速に自己消化をしていくので、食べる時は生きたものを洗ってゆでましょう。気が向いたら、また料理コーナーで紹介します。
ではでは。
【永遠のオマール 了】
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