「ホンビノス」を買って料理したつもりが「ウチムラサキ(オオアサリ)」だった話

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ウチムラサキを料理する
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※今回料理に使った食材は、「ホンビノス貝」ではなく、「ウチムラサキ(オオアサリ)」でした。食後気づきました。実録っぽくいきたいものですので、そのあたりを配慮して読んでいただければ幸いです。

目次

「アサリ」として売られていたホンビノス貝

或る日いつものようにスーパーの魚介売り場をうろついていると、昨今東京湾で大繁殖している「ホンビノス貝」が売られていたんです。

しかも商品名は「アサリ」と表記されているという具合で、これアサリじゃないじゃん!とか一人ひそかにツッコミをいれ、ボストンクラムチャウダーでも作ろうかなーと家路へ。

ホンビノス貝について

ホンビノスこと、ホンビノス貝といえば、すこし前まで白ハマグリという名前でデコレーションされながら販売されていたんですね。

卸業者や小売業者もしくはその両方による悪だくみにより、消費者はすっかり騙され、「わーい、このでっかいハマグリ安いのにうまいね!」「あたしハマグリだいすきなのー!」とか、新橋あたりの居酒屋で食べられたり、主婦によってどしどし買われたんです。

が、「実際は種類がちがくね」「ちょ、このまま売るのやばくね」というような話になり、ちゃんとホンビノス貝という名称で売られるようになったという、いわくつきの貝。

いまだに、「白ハマグリ」という名前でちゃっかり売られていることもあるのですが、まーハマグリに負けず劣らず旨い貝です。

ホンビノス貝は、主に東京湾に生息しています。

もともと、アメリカからきた大型船のバラスト水(船の浮力調整をする)に稚貝がまぎれこんでいたと推測されるもの。

東京湾でよくおこる青潮による貧酸素状態等の水質汚染にも強いということで、アサリなどが生きられないエリアや時期でもすくすく育ち大発生したものです。

千葉あたりにいくとバケツ一杯とれるというところも、なんとなく結果オーライ的なオーラをまとっている強者だなぁといつも感じております。

環境でも大きく育つ。みんなブラック企業とかいってる場合じゃないぞ!俺もブラック企業出身だからな!ということで、個人的には好感をもっています。うまいしね。

ホンビノス貝でボストンクラムチャウダーを作る

クラムチャウダーの本場アメリカでは、ボストンクラムチャウダー(クリーム系)・マンハッタンクラムチャウダー(トマトスープ系)というのがあるらしいんです。

これらの材料にホンビノスがよく使われているということ。

個人的にはモスバーガーのクラムチャウダーが小さいときからかなり好きなので、ボストン系のクリーミーなクラムチャウダーを作ってみます。

まず、砂抜き。

薄めの塩水に数時間つけておきます。3%塩水が妥当なようですが、そこは我らのホンビノスパイセンなので適当でよいでしょう。どんとこい。

冷蔵庫で1日おいておいたら、びよーんと水管がのびました。が、余裕でいきています。すごい。

数時間後、こんな感じにへどみたいな白濁したなにかを出していらっしゃいます。

いいですか?すべて吐いてくださいよ?吐いちゃえば軽くなるよ。

これがホンビノス貝がつかっていた塩水。結構汚れましたね。

次にホンビノス貝を白ワインと塩を少々いれた湯で軽く湯がきます。

いったん、ここでホンビノス貝を取り除いておきましょう。

うーむ。うっすらダシがでていますね。コハク酸でしょうね。味見をしてみると、サクッと火を通しただけなので、かるく旨味がある程度です。

ボストンクラムチャウダーの材料はこちら。

ベーコン、ローリエ(月桂樹の葉。そのへんでとってきたのを乾かしたものです)、パセリのみじん切り、かるくゆでたホンビノス貝、タカナシ純生クリーム35、ジャガイモと人参と玉ねぎを2センチ角程度にやっつけで切ったもの。

先ほど下茹でしたホンビノス貝を殻から取り出します。オイスターナイフかバターナイフがあると便利。

む。

貝柱が固着してとれない。これ、下茹でしないほうがたんぱく質が凝固せずよかったかもしれません。

おい、身が砂にまみれているぞ。誰だよ砂はほとんど噛んでないっていったやつは。

むむ、なんだかこの内臓もしくは排泄物系は風味を害する危険な感じがします。排除しましょう。

こんな風に取り除きました。ほかに、黒い消化管のようなものがあったのでそれも取り除いておきます。今回はスープにするので、できるかぎり生臭みのもとは取り除いて筋肉部分だけにしておく方針で。

砂も一通りすすいで、細かくカットしたものがこちら。ホンビノスの水煮とかいう表記の缶詰で売られていそうですね。

鍋に、植物油を少々いれ、刻んだベーコンと玉ねぎを入れ、炒めます。次に、ジャガイモ、ニンジン、セロリの茎を投入。

ここに、先ほどホンビノス貝を下茹でしたスープを注ぎ、コンソメ適量&白ワイン、白コショウ、ローリエを投入。

5分ほど加熱して、生クリームを100g投入し、牛乳を600mlほど注ぎます。今回の牛乳は、淡路島牛乳。おいしい牛乳と同等の価格。

味付けは、ナンプラー。

コクを増すために、パルメザンチーズ。

ローリエを取り除いてさらに5分ほど煮込みます。

できあがり。刻んだパセリをちらしておきましょう。

実食。うーむ。これはモスバーガーのクラムチャウダーを超えてしまったレベルに旨い。

いやーあれですね、「ホンビノス貝だったら、ボストンクラムチャウダーにするの一番うまいよ」という知ったかのネタがさらに一つ増えましたよ。ごちそうさまでした。

ホンビノスじゃなくてウチムラサキ(オオアサリ)だった

食後に甘めの白ワインを飲みながら、さて、ホンビノス貝について勉強しようかなとネットをみていたところ、なんとなく、ホンビノス貝に似た貝が登場しました。その名は、ウチムラサキ(オオアサリ)。

ほーん。

ホンビノス貝とウチムラサキはマルスダレガイ目ということで同じような系統。

種類は別で、特徴としては、貝殻の裏がホンビノスは白いのですが、ウチムラサキは名前の通り、紫色をしている模様。

・・・

気になって、廃棄した貝の殻を見直してみたら・・・

ばっちり紫でしたw

ということで、ホンビノス、ホンビノスといっていた貝は、ウチムラサキ(通称オオアサリ)だったわけです。ということで冒頭の商品表記「アサリ」は、ある意味正しかった点もあったということになりますね。

このウチムラサキですが、殻の内側のをみると、天の橋立の風景に似ているということで橋立貝とも呼ばれるようです。

まとめ

ホンビノス貝とウチムラサキはそっくり双子なみ。もうそれだけです。

あと、ウチムラサキをつかったクラムチャウダーもかなりうまかったのでおすすめです。

ではでは。

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