どうも平田です。
おかげさまでORETSURIにもファンの方がいらっしゃいまして、日々コメントやメッセージに励まされております。たまに、奇特な方がいらっしゃって、いろいろと釣り場の情報やら裏情報を教えていただけることがあります。いやーありがたい。
この日も、「イシガニがたくさんとれるところがあるんです」という情報を神奈川県某所にお住いの方からいただきまして、どきどきしながらむかってみました。
イシガニといえば、殻が石のように固いことから名前がついていて、ワタリガニにそっくりの姿形で味噌汁にするとワタリガニを凌駕するかもという、伝説の味噌汁向け食材です。
一方、市場に回ることはほぼなく、産地で食されているにとどまっている模様。東京湾をはじめとしてタコ釣りのテンヤにタコ糸で縛り付けると、いいらしいという餌でもあります。
イシガニをゲットするために必要な道具はこれだ!
まず、カニとりに必要な作戦と道具を整理しておきます。
各作戦共通で必要な道具・あると便利な道具
ヘッドライト
両手があいた状態で蟹をサーチするためにはヘッドライトが必要です。最近は安価なものもあるのででAmazonや釣具屋で仕入れておきましょう。また、1000円前後のライトの場合接触不良で壊れたり、電池切れもあるので、できれば2つもっていくのがベテラン夜釣り師の鉄則らしいです。わたしは、ヘッドライト+ランタンを常にもっていきます。
参考アイテム:Litom LEDヘッドライト(Amazonベストセラー1,650円)釣具屋さんでは1,000円以下で売られているヘッドライトもあるので合わせてチェックしてみましょう。
ランタン
ランタンはどういうときに利用するかというと、蟹を入れるバケツや荷物等のそばにおいて周囲全体の灯りをたもつときに使います。
ヘッドライトは特定のものを照らすときにつかい、ランタンは全体を照らすときにつかいます。光源をずらさず作業をしたいときはあると便利なアイテムです。
参考アイテム:LE 高輝度500ルーメンLEDランタン(Amazonベストセラー1,498円)
トング等
トングは蟹をつかむときに用います。特に大型イシガニの腕力といったらやばいです。ほんと。「こうすれば挟まれないんだよ」という風に素手で触れるのはほんと危ないので、できれば押さえておきたいアイテムです。
参考アイテム:ダイワ フィッシュホルダーライトゲーム (1,441円) 見た目等にこだわらない場合、多少かさばりますが、BBQ用のロングトングを使うとリーチも長くて安心です。
カニを入れるバケツや網
つかまえた蟹は、はいあがれないバケツやちゃんと閉じられる網でないとすぐに逃げていきます。それもそのはず彼らも必死ですからね。散々蟹をおいかけまわし、バケツをみたら蟹ちゃん脱走ダン。みたいな状況をさけるためにはしっかり考慮した容器を用いましょう。今回、わたしはボートバックに入れておきました。
参考アイテム:
②イノマタ化学 かしこいバケツ17L ブラック(Amazonベストセラー¥ 2,200)これは、耐荷重100kgとのことで堤防釣りの椅子にもなりそうですね。
③TAKAMIYA(タカミヤ) H.B CONCEPT 貝入れネット
これは一番持ち運びが便利というメリットがありつつも、蟹を入れる際に棘がネットにひっかかってめんどくさいです。モクズガニ獲りのときに経験しました。
ライフジャケット
場所にもよりますが、夜の海は危険がいっぱいです。ライフジャケットの装備も検討しておくとよいでしょう。
参考アイテム:ダイワ ウォッシャブルライフジャケット ウエストタイプ
イシガニをゲットするための作戦はこれだ!
タモ網捕獲作戦
これは、堤防釣り等で利用するタモ網(玉網・ランディングネット)を利用する作戦です。
堤防や磯にいるカニのなかで、ショウジンガニやイシガニは比較的岸寄りのストラクチャーに引っ付いていることが多いです。
目視して蟹の逃げ場を想定しつつタモ網をかぶせて電光石火すくいあげるわけなのですが、注意したいのは①夜間の場合ライトを直接蟹に照らすと逃げてしまうという点と②岸壁や磯についている牡蠣殻に網目がはまると蟹に逃げられると点です。
タモ網のメリット
たも網のレンジにもよりますが、5メートルクラスのものがあれば、だいたいの堤防・岸壁・テトラに張り付く蟹はいちころです。
タモ網のデメリット
それほどありません。もっていくのがめんどくさいということぐらいでしょうか。
ちなみに、もっていくのがめんどくさい順でならべると、蟹籠>タモ網>蟹網です。
蟹網捕獲作戦
蟹網は餌袋にアジやサンマのアラをいれてそのまわりに張り巡らされたナイロンラインにあわれ蟹さんがひっかかってしまうというアイテムです。自分でもつくれるので、DIYが好きな人は作ってみましょう。
参考アイテム:カニ網 (投げ用カニアミ)
蟹網のメリット
強めのラインに結べばキャストできるため攻められる場所がさらに広がります。サーフなどでヒラツメカニをねらったり、ワタリガニを狙う際は有利です。持ち運びもしやすいですね。
蟹網のデメリット
蟹カゴ捕獲作戦
蟹カゴは蟹網とちがってキャストできないため、足元に落とすか、ロープ等で延長して手投げして使います。漁業権のある場所ならびに都道府県のルールによって密漁行為として扱われるため、注意が必要です。
汽水域の河川では秋になるとモクズガニが大量に下ってくるため、この蟹籠で狙えます。モクズガニもうまいんですよねー。アメ横センタ―ビルの地下では上海蟹とならんで北海道産のモクズガニがけっこうなお値段で売られていますよ。
参考アイテム:カニカゴ
蟹カゴのメリット
まず大量捕獲ができることでしょう。また仕掛けておき時間をあけて回収ということもやりやすいアイテムではあります。以前、秋口、多摩川の丸子橋下流の水門付近に2つの蟹カゴが仕掛けられていて、それを岸からみたところ、数十匹のモクズガニが入っていました。うーむ。すごい。たしかに、乱獲につながりやすいアイテムなので漁師や都道府県の官庁のみなさんからすると規制するのもよくわかります。わたしはまだ使ったことがないです。
蟹カゴのデメリット
持ち運びが不便。これにつきますね。車移動でないとちょっともっていくのは難しいかと。
蟹釣り捕獲作戦
蟹を釣る方法です。ジグヘッドなどにイソメや魚の切り身をつけてみえている蟹の目の前に落とすと蟹がすぐに抱きついてくるので慎重に釣りあげます。水面からあがると、蟹が餌を放すので、できればタモ網を併用したいところですね。
また、ひっこくりという手法もあり、これはカニを棒の先につけた餌でおびきよせ蟹が寄ってきたところでハサミや脚に輪をひっかけホールドして釣り上げる方法です。わたしはやったことがないですが、はまる人ははまるようで。
長くなりましたが、蟹をつかまえる方法と道具の説明は以上です。
イシガニ獲りスタート
この日も到着は、夕刻。日暮れ1時間前といったところでしょうか。
某磯は、ルアーマンやエギングの方でにぎわっていたものの、ド干潮になるということでみなさん撤退されていきました。
ということで誰もいなくなった磯で装備を確認し、イシガニ獲りをスタートします。今回はタモ網作戦で狙ってみます。
まだ明るいもののではありながらも干潮になり潮がとまり水中の様子がわかりやすい状態です。
しばらく観察していると、イソガニはいるものの、ショウジンガニは見当たらず。
・・・
お、イシガニがいた。中ぐらいのサイズだな。
ということで、たも網が入る場所かどうか確認してから、退路を想像してタモ網アターック!
しゃ!獲れました!
フジツボを右爪につけたイシガニゲット。まだ殻に毛のようなものが残っているので、大人にはなり切れていない個体なのでしょう。
イシガニも必死なので、この通り、ハサミを振り上げてきます。この状態で不用意に手を出すと泣きをみますよ。ほんと。トングを使いましょう。
お、またいた!
タモ網アターック!
よいしょー。
獲れた!
あ、卵持ってますね。メスです。これは資源保護のためにリリースです。来年もその次も獲りたいですからね。たくさん産んでくだされ。
段々と日が暮れていく磯。
じっと岩と岩の間をみていたところ…
うわ!でけー
今日イチサイズが登場です。
この個体何をおもったか岩の間を水面近くまでのしのし上がってきたのです。
うーん。網を入れづらいけど、
タモ網アターック!
おーとれたー
それにしてもデカい。わたしは手が大き目なのですが、手のひらサイズを余裕で超えてます。爪がかなりいかつい。
この個体、甲羅も毛がなくなりつるつるしています。大人の証なのでしょう。人間の場合、大人になると毛が生えるもんなのに、逆ですね…
このとおり容器の中でお互いデスマッチをはじめてしまうので、気になる人は爪をゴムで縛るか、爪の一方か、爪自体をもぎ取るとよいのかもしれません。
まるでクワガタ獲りにいったあと、夜な夜な虫かごからバキっ!バキっ!メシっ!と対決の音が聞こえるかのようです。
引き続きイシガニ獲りに熱中
ではどのようにイシガニがとれるかというと、こんな感じです。こうした岩をよーく観察すると、ほらいましたね。
実は、こちらはメスで卵をもっています。なれていくると、お尻の形状ですぐわかるので無駄なタモ網を投入することもなくなってきます。それにしてもイシガニはメスのほうが個体が小さいようですね。
そうこうしているうちにイシガニが10杯とれました。かなり小型の1パイを手づかみでリリースしたところ、力強く挟まれました。
せっかく逃がしてやったのに。。。
でも生きるってそういうことだよな。
まだまだ獲れそうな状況でしたが、食べきれないので、このへんで終了です。
しっかし、縄文時代の狩猟採集のドキドキが遺伝子のどこかに眠っているのでしょうか。アドレナリンが体内を駆け巡り、へんなテンションで家路につきました。
持ち帰ってイシガニを料理する
こちらの9杯を持ち帰りました。デカいの2匹を塩ゆでにして、レモン汁で食べるとして、中ぐらいの2匹はパスタだな。それと、小型の2引きは味噌汁でいただこうっと。
残った3匹は冷凍してまたどこかで食べようっと。殻が硬いものの、むき身にして蟹チャーハンもいいなー。
この通り、体液なのか、体表の汚れなのか、はたまたその両方なのかわかりませんが、すこし入れておいた海水が褐色に汚れています。
これが本日のビッグワン。デカいなー。
爪がやばい。この爪なので、子供ちゃんとイシガニ獲りをする際はトング必須ですよ。ほんと。
イシガニの味噌汁を作る
Twitterでイシガニとったどー的な投稿をしてみたところ、なにしろ味噌汁が最高でワタリガニをしのぐ!という話があり、まずは味噌汁から作ってみます。
昆布でだしを取り、
みりんをちょっと入れて、イシガニを投入。あらかじめペンチで爪を粉砕し、胴体は真っ二つにわっておきました。イシガニの場合、出刃包丁や調理ばさみでは切れず刃こぼれするので、ペンチがよいでしょう。蟹の甲羅割がある方はそれがベストです。
蟹に火が通ってエキスが染み出ると煮汁が白くなります。そこで火をとめ味噌をとき入れ、器に盛り付け万能ねぎをちらす。
できあがりです。
うーむ。なんとも味わい深い妙味だこと。実に美味。とりあえずバーレーンや中国産の冷凍ワタリガニの味噌汁の25000倍ぐらいはうまい気がします。
イシガニの塩ゆで
つづいて大型個体の塩ゆでです。鍋に湯をわかし塩を海水ぐらいの濃さにしてゆで上げます。命、ありがたくいただきます。
鍋のサイズは、大型がちょうどいいですね。雪平鍋などでははみ出てしまいます。
ゆであがり。レモンを添えました。実にいい発色です。
甲羅が鬼のように固いですが、ペンチを利用しながら食べてみます。
この硬さは歯がかけるレベルだなほんと。
カニ味噌も美味。モクズガニには少々劣るものの、味わい深い味噌です。
イシガニのトマトクリームパスタ
最後にパスタを作ってみます。以前、モクズガニでパスタを作った際も絶品だったのでイシガニでも旨いでしょう。
まず、ニンニクと玉ねぎとローリエと唐辛子を弱火でじっくり炒めます。
今回は材料が不足していて、冷蔵庫にあるもので仕上げることに。トマトは甘いプチトマトに、生クリームがないので牛乳をつかいます。
そこに、フライドオニオン、フライドガーリック、ナンプラー、みりん、白ワイン、トマトケチャップ、バターを投入。
あれこれいれるのが面倒な方は、カゴメ基本のトマトソース+生クリーム+白ワインで事足りるかと思います。また、隠し味で少量味噌をいれてもうまいかと思います。
煮詰めたソースに、半分にわったイシガニを投入。旨味のエキスがよくでるように、ハサミと脚もペンチで割っておきます。
じっくり蟹に火を通して、ソースに旨味をうつしたところで、いったん、蟹を別皿へ移動。
残った濃厚ソースにゆで上げたばかりのアルデンテ手前のパスタを投入します。
パスタをいれたあとに、油の乳化させソースとパスタの一体感を出すために、パスタの茹で汁をおたま2杯程度加え、最後に弱火でソースをよく和えたあとにオリーブバージンオイルを1周回し入れできあがりです。
こ、これは実にうまそうだ。
実に、美味。いやー家飯ってのはほんとうに贅沢ができていいもんです。
まとめ
イシガニやワタリガニやタイワンガザミ、これらは比較的大きめの蟹で形状もジオン公国のモビルアーマーのようにかっこいいのでつかまえるとなると、かなりテンションがあがることがわかりました。
しかもつかまえたあともへんにテンションがあがり夜眠れなくなりました。子供かよ。
イシガニは食べても実に旨いわけなのですが、産卵個体なども根こそぎとると、なかなか場所の復活まで時間がかかるはずなので、卵持ちの個体や小さめの個体は逃がすことを心掛けたり、獲りすぎないで足るを知るということが大切かなと感じた次第です。
みなさんも蟹獲り道具をそろえて、磯や堤防でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ではでは。
イシガニ獲り動画
▼イシガニに挟まれるとこうなるので注意。
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