蟹のトマトクリームパスタといえば、ワタリガニをつかったものが一般的ですね。
岸からワタリガニ(ガザミ・タイワンガザミ)をとるのは6月から夏いっぱいがよく、水温が低下するごとに深場に移動していき、岸からはとれなくなっていきます。
晩秋から冬あたりは岸から食べ応えのある蟹類がとれないかというと、イシガニや晩秋産卵行動で河口域に降りてくるモクズガニなどは簡単にとれるので、それらをつかったトマトクリームがオススメです。
モクズガニのトマトクリームパスタは、過去に何度もつくったことがあり実に旨いのですよ。
ということで、今回はモクズガニのトマトクリームパスタづくりの様子とコツについてご紹介します。
モクズガニの泥抜き
淡水の魚介類を食べる際に、泥抜きというものがあり、これには賛否両論あるものの蟹に関しては間違いなく泥抜きしたほうがよいと思います。
まず、モクズガニは蓋ができる容器にいれて数日から1週間程度泥抜き(排泄物を出す)しましょう。河口域でとったものでも、真水で問題ないので、1日に1回程度水を変えてあげればエアレーションなしでも元気にしています。
毎日水がかなり汚れる(&臭い)ものの、しばらくすると汚れが薄くなっていきます。
写真は撮影用のためにバスタブにいれていますが、衣装用ケースみたいなものがよいかもしれませんね。
モクズガニの下処理
こちらは殻をタワシであらったあと冷凍保存しておいたもの。
モクズガニの殻は、両爪の付け根の胴体側と尻蓋の内側に汚れがたまっているのでよく流しておきましょう。
水分をきったあと冷凍しておくと1か月程度はおいしく食べることができます。
解凍するときは、流水でドリップが凍ったものを洗い流してから利用するとよいです。
モクズガニのトマトクリームパスタを作る
まず、オリーブオイルで玉ねぎのみじん切りとニンニクを炒めたあと、野菜類を追加します。
今回使った野菜は以下の通り。
- マッシュルーム(しめじでも可)
- パプリカ(無くても可)
- セロリ(あると風味がよくなる)
フライドオニオンもいれると風味とコクがでます。
次にトマト缶をいれ、刻んだハーブ類をいれましょう。
<ハーブ類>
- フェンネル
- タイム
- オレガノ
- パセリの芯
※今回は入れませんでしたが、バジル類もあわせてもよいですよ。
その後、下処理したモクズガニと白ワインとナンプラー&黒コショウ&クレイジーソルトをいれます。
モクズガニは、甲羅を外した後、尻蓋・エラ・胃袋(口の裏側の部分)をとって、調理ばさみで胴体を4つ割りにし、脚にも切れ目をつくっておきましょう。
その後、生クリームをいれます。
このときはスプレー式のホイップしたものをいれましたが、特に泡立てることは不要なので液体のままいれましょう。
生クリームがない場合は、牛乳+バターで代用しましょう。クリームチーズをいれてもよいですよ。
その後、弱火でソース全体を煮詰める。
このように、全体がなじんできます。
この時点で味見をしてみましょう。
味の濃さや旨みが足りなければ、クレイジーソルトやナンプラーや味噌で調整するよいですよ。
パスタはアルデンテ手前でゆで上げたものをフライパンに移しつつ、火加減は弱火で、茹で汁を加えてソースとなじませる。
ソースがパスタになじんだら、盛り付け。
パスタトングをつかって、盛り付けるとうまくいきますよ。
蟹類はパスタの上へ。ハーブ類を最後に飾ると色合いもいいですね。
うーむ実に旨い。ナンプラーによりできあがった旨みのベースの上に、カニ味噌と生クリームのコクとトマトの酸味が合わさり、そこにハーブが香るという。
あまったソースはコンソメスープで割ると、蟹のブイヤベースのようなものにあります。
ガーリックトーストと一緒にたべると実に旨いので試してみてください。
<モクズガニのトマトクリームパスタのポイント>
- モクズガニの泥抜き下処理をしっかりする
- 味付けのベースにナンプラーかアンチョビを利用する
- 生ハーブを利用する
- カニ味噌が少ない場合コクを出すためには、クリームチーズやバターと味噌が効果的
- 生クリームを入れすぎると胃もたれするので注意
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