都市河川や農業用水路などで、ミミズをエサにしてぶっこみ釣りをしていると、ナマズが釣れることがあります。
先日も、大型のナマズがウナギ仕掛けにきてびっくりしました。
ここ数年、各都道府県のリリース禁止条例等によってブラックバス釣りが肩身が狭く低調なのと、釣り具メーカーやメディアが代替の販路としてナマズに力を入れていることもあり、ルアーでナマズ釣りをする方も増えてきました。
今回は、そんなナマズ釣りの魅力についてまとめてみたいと思います。
ナマズの種類と生態について
国内で釣れるナマズは5種類います。
- マナマズ
- イワトコナマズ(味が一番よい)
- ビワコオオナマズ(国内最大サイズ)
- タニガワナマズ(新種)
- アメリカナマズ(アメナマ=チャネルキャットフィッシュ)
※ギギなどは除きます。
イワトコナマズとビワコオオナマズの生息域は琵琶湖水系に限定されているもののの、マナマズは沖縄以外の全国に多く分布しているしています。
アメナマことアメリカナマズは、特に茨城の霞ケ浦周辺で養殖から逃げたものが多く繁殖していて、巨大化しています。
荒川や多摩川では熱帯魚のレッドテールキャットが釣られている事例もありますが、繁殖確認はできていません。北海道にはナマズをはいないという説がありますが、マナマズをルアーで釣っている釣り人もいます。今は川によっては繁殖しているようですね。
釣りの本命として一番よく狙われるのが、マナマズ。
マナマズは、温水性で10度から30度を活動範囲としていて、夜光性の魚です。
河川に生息している個体は上流から流れてくる有機物全般や、鮎、ハヤの類、カエル、エビ・カニ類を盛んに食べます。
釣り上げたナマズの腹を見るといつでもぷっくらしていることから、都市河川に住んでいるナマズは餌には不自由しないようです。
ナマズ釣りのタックル
ナマズは、ヒット後に想像以上に暴れます。
そのため、少々強めのタックルのほうがよい気がします。
ライトクラスでも釣り上げられなくはないですが、岸際の根にもぐられたり、杭や葦に巻かれたりすると困難なので、餌でもルアーでも最低でもミドルライトクラス以上のタックルをお勧めします。
個人的にナマズ釣りの場合、スピニングタックルを使います。8フィートのシーバスロッドで、35gまで投げられるものです。
ベイトタックルの場合、夜釣りでバッククラッシュすると厄介だからです。
スペアのリールを持参すればよいのですが、ランガンでは荷物が重くなりますしね。
最近ではナマズ専門の竿もいくつか売っていて、トップウォーターでナマズのバイトを弾かないようにグラス素材をまぜた粘りのある調子です。
スピニングであればリールは3000番台でPE1.5号。要はシーバス用の釣り具がちょうどよさげです。
ブラックバスのライトロッドでも64センチのナマズを釣ったことがありますが、かなり寄せてくるのが大変でした。
<私のナマズタックル>
ロッド:アングラーズリパブリック エルア ショアガン SFGS-80M/P5の旧モデル
リール:旧型レブロス3000
ライン:ラピノヴァX1.5号 PE
リーダー:ファメル フロロカーボンリーダー20lb
その他:ラバーのランディングネット
※慣れている人はベイトロッドでもよいと思いますよ。
※リーダはナマズ用のワイヤーリーダーもあります。視覚的に見切られるということはありません。
ナマズの釣り方
よく、「ナマズはトップウォータールアーで釣るのがベスト」というような意見をWebでみますが、そんなことはありません。
トップウォータープラグで狙うナマズはもちろん一番エキサイティングな釣りだと思います。
一方、ナマズはその他の釣り方でも釣れるので、自分が好きな釣り方をするとよいと思いますよ。
ブッコミ釣り
ブッコミ釣りをする場合は、ミディアムクラスのシーバスロッドに鯉のブッコミオモリをつけて、鯉スレ針をつけるのがよいです。カエシがないのでリリースもスムーズ。
餌はサバやサンマの切り身の塩漬けや、ドバミミズの房掛けがよいでしょう。鶏ムネ肉・ササミ・レバーでも釣れます。
アメリカでは、鶏肉に着色と味付けをした餌でナマズを釣っています。
ルアーでのナマズ釣り(トップウォーター以外)
昼間は5グラムぐらいの輝きの強いスプーンが一番安上がりです。色は水色にかかわらず、ゴールド単体か、アカキン、オレキンが、黒金がオススメです。
ほかにミノー・クランクベイト・バイブレーション・スピナーベイトなど、波動が出るものを使いましょう。
夜行性なので、昼間に釣る際は根際、テトラ際・穴釣り、淵あたりがポイントです。
テキサスリグ等のワームでねちねちやるのも効果的。どのケースもフックバーブレスに変えておいたほうがいいです。
魚へのダメージへの配慮はもちろんそうなのですが、ナマズの口はブラックバスの口とくらべてかなり硬質なのです。
一度フッキングしたらプライヤーを使ってもなかなかとれません。鯰はかなり生命力が強いのでそうそう死にませんが、釣って持ち帰らないのに必要以上に傷つけたり死なせてしまっては、みなさんの気持ちも滅入るはずです。ですので、ナマズを狙って釣るときはあらかじめフックは換装しておくのがオススメです。
ナマズも死に物狂いで暴れるので、夜釣りで返しありのトリプルフックを外していると、自分の手に針が刺さって抜けないという最悪の事態も起きます。
それと、障害物が多いところや瀬を攻める場合は、トリプルフックよりはダブルフックがオススメです。
ルアーでのナマズ釣り(トップウォーター)
トップウォータープラグを利用したナマズ釣りの魅力は、ナマズの捕食音(ボフっ!)に極まるものだと思います。
闇の都市河川で足音を消して近づき、川の合流点へキャスト。ルアーがポイントへ流れて、来るぞ、とおもったら、
ボフっ!
あ、乗った!
わ、外した!
みたいな。
ナマズのトップウォータープラグとして、代表的なものを挙げておきます。基本はジッターバグで、このルアーはただ巻きで釣れます。
すれていないところ、流れが速いところでは、ラトル入りのジョイントジッターバグにすると激しく動くので効果大ですが、すぐに場荒れしてスレます。
スミスが販売するジッターバグは日本用にチューニングされているのですぐに使えます。
このジッターバグの派生品としてスミスのキャタピーがありますが、これは動きが安定していてノンカスタマイズで利用できるので便利です。
カスタマイズをするとしたら、スプリットリングを2つかませてフックの可動域を広げてナマズのローリングアタックをいなす仕様にするぐらいでしょうか。目の部分にケミホタル25が1本入るので夜でも視認性は抜群です。
クレイジクローラーやその派生のバタピーは流れが速い瀬(都市河川では鮎狙いのナマズがついています)でも動くので効果的。スウィッシャータイプのベビートーピードもオススメ。
すれたところは、意外や意外、オリザラ(オリジナルスプーク)ののっぺりしたドッグウォークも効果的です。
トップウォータープラグでナマズを釣る方法
トップウォータールアーでナマズを釣る方法を解説します。
まず、天気。
雨が多少ふっているときや、雨後の濁りや増水時に活性があがります。これは、上流からミミズなどの餌が流されてくるからです。他に濁りが発生すると、待ち伏せして小魚が捕食しやすいという要素がありそうです。
次に時間。
夜行性のナマズの時間帯に合わせてましょう。
夕マズメはナマズが棲みかを出て移動する時間帯です。日没後が一番釣れるのですが、周囲に人が多い場合は岸際によりづらくなるので、深夜釣るとよいでしょう。
ナマズがいる場所=ベイトがいる場所です。
季節によってもことなりますが、合流地点、流れがゆるむあたり、瀬、瀬から淵にうつるライン、流れ込みなど、岸際を丹念に探れば最低1回は「ボフっ!」または、「バチャっ!」を聞くことができるはずです。
夜の都市河川では、大体岸際にベイトがよるので水深30㎝ぐらいあればナマズはいます。
慎重に歩いて物音や振動をたてず忍者のように自然と一体化してキャスト。
これも遠投が基本です。
そのうち気づきますが、ナマズは20メートルぐらい近づくと繊細なヒゲ&側線センサーでこちらの気配を察知してバチャっと逃げていきます。
ナマズは上流をむいているので、下流から上流にむけてキャストするのが基本ですが、あえて下流にキャストしてルアーをゆっくり動かすのが効果的な場合もあります。
リリースの仕方
どの釣りでも釣り人の自由ではあるのですが、マナーという観点からいうと、ナマズは鱗もなく粘膜で覆われた魚体です。
できるだけ濡れた草や岸辺で針を外して撮影をしたり、感謝の声をかけたりしたあとは、あまりふれずリリースをしたほうがよいでしょう。
コンクリート護岸の上に置いたりすると、傷もつきやすいので、また釣りたいと思うのであればできるかぎり速やかにリリースするとよいかと思います。ランディングはラバーネットをつかうと傷がつきにくくなります。
フィッシュグリップなどを利用してもよいと思いますが、わたしは、左手にフィッシンググローブをはめてバス持ちにして右手はお腹のしたに添えて逃がしています。かなり握力をいれていないとあばれるので注意です。
釣りは人間のエゴ以外のなんでもないものですが、やはりまた魚を釣りたい。釣った魚にはまた生きて大きくなってほしいと思う心も人間のエゴながら、わたしは誰にも強制することなく、このようにしていきたいと思います。
まとめ
あとは釣行を繰り返しチャレンジあるのみですが、釣り場であった釣り人に挨拶をして情報交換すると、より早く最初の1ナマに出会える確率はあがることでしょう。
暗闇で釣り人にあうとびっくりしますが、「こんばんは」と元気にあいさつして、いろいろ聞いてみましょう。
たまに毎夜来ているひともいて、シーバスも釣れている等の情報も得られ、それはそれでびっくりしたり。
だいたい3月ぐらいから10月ぐらいまでがナマズの釣れる時期なのですが、一番釣れるのは梅雨です。増水してナマズが産卵にむけてテンションをあげていくというのもありますし、ウナギ釣り同様、上流から土砂とともにミミズやら有機物が流れてくるのでしょうね。
都市河川で温排水が流れ込んでいるところは1月でもナマズが釣れています。
ナマズの場合、粘る釣りではないので、平日仕事上がりに釣りをして、仲間と飯でも食って盛り上がるような釣りもよいですね。
ナマズ釣りアイテム
<必須>
- ヘッドライト
- フィッシュグリップ
- プライヤー
<あると便利・安全>
- ニーブーツやウェーダー
- ゲームベスト
- ラバーのランディングネット
- メジャー
暗いと困りますし、夜の河原は何が落ちているかわかりません。スニーカーやサンダルだとけがをするので要注意です。
また川には不用意に立ちこまないほうがよいです。死にますよ。ハードに攻めるのであればライフジャケットを着用しましょう。
あと、メジャーも忘れがちですが、せっかくとったモンスターナマズを写真におさめる際にあったほうがよいですね。