海水温も徐々に上がり、次第に海の魚も活性が高まる5月・6月は、気候的にも絶好の釣り日和になることもしばしばです。
そこで今回は、この時期に身近な堤防から釣ることができる代表的な対象魚アオリイカとカサゴの釣り方についてまとめてみました!
目指せ2キロオーバー!活きアジで狙うアオリイカのウキ釣り
春先は産卵の為に接岸してくるアオリイカを狙う絶好のチャンスであり、1年の内で最も大型が狙える時期です。
身近な堤防からでも、場所によっては2キロ、あるいは3キロオーバーといったモンスタークラスのアオリイカを釣りあげることも決して夢ではなく、その上食べても非常に美味しいとなれば狙わない手はありません。
近年ゲーム性の高いエギングでのアオリイカ釣りが広まっていますが、餌釣りというジャンルで考えたとき、この時期の釣り方でおすすめなのが、『ウキ釣り』です。
この釣りはアオリイカの好物であり常食しているされる活きアジをエサにするので、エギングと比べてもアタリの数が多く、かつウキの動きによって明確にアタリが分かるので釣り初心者であっても十分に楽しむことが出来ます。
またウキ下やオモリの重さを柔軟に変えることによって、強風時や水深が浅いポイントを攻めるといった様々な状況に対応することが出来るのも大きなメリットです。
アオリイカのウキ釣りのタックル
タックルですが、磯竿の1.5~2号と中型スピニングリールの組み合わせが基本です。
大型アオリイカの引きは強烈の一言なので、ラインやハリスの号数にもよりますがリールのドラグ調整は事前にしっかり行っておきましょう。
ラインはPEラインの1.5号前後かナイロンラインの4号前後があれば強度的には問題ありません。
※本記事末尾に参考タックルを記載
アオリイカが好む活きアジの管理と調達方法
泳がせ釣りでアオリイカを狙う際、最も重要といっても過言では無いのが、活きアジの管理です。
アジの活きの良さが釣果を大きく左右するといっても過言ではないので、釣り場までの管理には細心の注意を払う必要があります。
アジバケツに入れる場合は、20センチ級のアジであれば海水1リットルに対して1尾までが基本です。それ以上入れてしまうと酸欠気味になって弱るのが早くなるので注意しましょう。
また、エアレーションは故障に備えて最低でも2台は用意しておくと安心です。
アジは現地調達できるのであれば釣り場に前もって到着して用意することができ最高ですが、春先の大型アオリイカには20~25センチほどの大きさのものでなければアピール力には欠けてしまうので、アジのサイズや確実に釣れるのか少しでも不安な場合は最寄りの釣具・釣餌店で購入するのが確実です。
尚、春先はイカ狙いの釣り人が多く、入荷状況によってはアジが売り切れている事も珍しくないので、1週間前までに電話問い合わせ事前予約しておくとさらに安心です。
アオリイカのウキ釣りのコツ
釣り方のコツの一つとしてアワセのタイミングをしっかりと捉えることです。
アタリのパターンとしてはウキが一気に引き込まれる、横走りするなど多種多様ですが、いずれにしても早アワセはすっぽ抜けにつながるので厳禁です。
アワセの目安としてはウキに反応があったあと、竿を聞き合わせし、竿先をアオリイカが強く引っ張るようであればまだエサを抱えて移動している最中なのでまだ早い状況です。
移動したアオリイカがアジを夢中になって食べはじめると、竿は海水の入ったナイロン袋を引っ掛けたときのように、ただ重たいだけのように感じます。このタイミングで小さく鋭くアワセを入れるとしっかり針掛かりします。
興奮のあまり大アワセをすると身切れでバレることが多いので避けるようにしたほうが無難です。
ちなみに、針掛かりして寄せる途中で針外れしてしまった場合、すぐに仕掛けを回収せずにしばらくその場で放置してみて下さい。アオリイカは獰猛なので、食い気があってエサのアジがまだ残っているようであれば再度アタックしてくるかもしれません。チャンスは最大限に活かしましょう。
アオリイカのウキ釣りの外道
アオリイカのウキ釣りをしているとゲストとして、同じイカ類ですがコウイカやシリヤケイカが釣れることがあります。
特にコウイカについては食味もよく人気です。コウイカのタナはアオリイカと比較してより底ですので、狙って釣る際にはウキ下を調整するとよいでしょう
身近に釣れる高級魚。胴付き仕掛けで狙うカサゴ釣り
カサゴというと冬の魚というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、岸釣りでは水温が高いほうが釣りやすい魚です。そのため5月6月にも狙って釣ることは十分に可能です。
この時期に狙うメリットとして、7月以降になると水温上昇により高活性になるエサ取りにそれほど邪魔されずに釣りができて、20センチオーバーのサイズも狙えることが挙げられます。
釣り方は、ブラーをつかった釣りやジグヘッドとワームをつかったルアー釣りなどがありますが、今回はシンプルな胴付き釣りをご紹介します。
この釣り方は仕掛けのセットから実釣に至るまでとてもシンプル。ですので釣り初心者からベテランまで本当に誰にでも気軽に楽しむことが出来ます。また、胴付き自体は、カサゴ釣り以外にも、その他の堤防釣りや船釣りでも使うしかけですので、基本を押くと釣りの幅が広がります。
カサゴ釣りのタックルについて
タックルですが、胴付き仕掛けは遠投せずに堤防際を探る釣りです。
エギングタックル等のルアーロッドなど出来るだけ操作しやすい短めのものがおすすめです。
竿やラインについては、ヒット直後に根に突っ込む習性のあるカサゴをある程度強引に海底の根から引き離すために、柔らかすぎるものは避けるとよいでしょう。特に大型になればなるほどカサゴが根に入るパワーはかなりのものですので、注意が必要です。
リールはスピニングリールでもベイトリールでもどちらでもかまいません。ラインはPEラインであれば1.5号前後、ナイロンラインであれば4号前後を用意して下さい。
仕掛けは市販のもので十分ですが、ハリスは最低でも3号以上のものを選んで下さい。根が荒い場合は5号以上をつかうこともしばしばです。この釣りに関してはハリスの太さはそれほどカサゴの食いに影響しないのであまり気にしなくて良いです。
少し意外かもしれませんが、カワハギ専用の胴付き仕掛け(ハリス3号程度)が針掛かりも良くておすすめです。オモリは釣り場の水深にもよりますが、8~10号を揃えておけば問題ありません。
エサはエサ取りに対する強さと本命へのアピール力を考えるとキビナゴ一択です。大型に狙いを絞るのであれば1尾を丸々付けて、食いが渋い場合は半分にカットして付けて下さい。小粒のキビナゴが混ざっている場合は、2~3尾を房掛けにすると良いです。
塩サバや塩サンマは集魚力も高くカサゴも好む餌なのですが、エサ取りも好む餌ですので、キビナゴをおすすめします。
※本記事末尾に参考タックルを記載
堤防カサゴ釣りの3つのコツ
この釣りのコツはとにかく「1ヵ所で粘らない」「仕掛けを海底から少し浮かせて待つ」「ヒット直後に全力で底を切る」の3点です。
まず1点目ですが、カサゴというのは非常に貪欲な魚なので基本的に目の前にエサがあればすぐに飛び付いてきます。しばらく待ってもアタリがない場合は、その周辺に魚が居ないと見切りすぐに別の場所に仕掛けを落とすようにして1ヵ所で粘らないようにしましょう。
ちなみに、攻めるポイントとしてはケーソンの継ぎ目や堤防の曲がり角、海底に根があるところ、テトラとの際など何かしらの変化がある場所です。
根回りで穴釣りになった場合は、カサゴは同じ穴でも釣れますが、大きいものから釣れてくる傾向にあるのでこの場合も見切りと移動を繰り返す必要があります。
続いて2点目ですが、カサゴというと海底にベッタリのイメージを持っている人も多いかもしれませんが、だからといって仕掛けもベタ底に付けているとアタリは意外に少なくなります。
基本的にカサゴに限らず根魚は目線よりも上にあるエサ、上から落ちてくる餌に強い興味を示す習性があるので、必ず仕掛けは海底から50センチ~1メートルほど切って待つようにして下さい。
特に遊泳力のある大型ほど上のタナでヒットしてくる傾向が強いです。
ちなみに、釣り場によっては堤防を観察すると内部が空洞のスリット状になっている場所もあると思います。こうしたポイントでは釣り方が少し変わってきます。
こうしたポイントでは堤防を支える支柱についているカサゴも多数いるので、海底付近でアタリが無くてもそのままゆっくりとリールを巻いて仕掛けを回収して下さい。食い気のあるカサゴが居れば中層付近でも飛びついてくることでしょう。
最後に3つ目ですが、竿の説明でも触れましたがカサゴはサイズを問わずヒットすればすぐに自分がいた根に戻ろうとする習性があるので、あたりがあったら竿をたて全力で底から引き離すことをおすすめします。
特に30センチ級の尺カサゴに迫るサイズともなると一瞬でも対応が遅れるとすぐに根に入られてしまいます。海底から2メートルも浮かせれば基本的にバレることはないのでカサゴ釣りはここが勝負どころとも言えます。
カサゴを持ち帰りすぎないのもマナー
最後に、カサゴは刺身、から揚げ、アラ汁等とても食味がよく魚影が濃いポイントに当たれば簡単に数も釣れるので、思わず持ち帰り過ぎてしまいがちです。ですが、根魚であるカサゴはメバル同様、成長が遅く、ポイントによっては釣り切られてしまうこともしばしばです。
できるだけ小型のものはなるべくリリースを心がけましょう。たとえば宮崎県であれば、『宮崎海域カサゴ資源回復計画』というものがあり、全長18cm以下のカサゴは獲ることが禁止されています。
特に、堤防や立ち入り禁止エリアでないテトラ帯は釣り人に集中して釣られることが多いポイントですので、繰り返し釣れるからといって家庭で食べきれないほど持ち帰ってしまうと、その釣り場のカサゴの魚影が極端に薄くなってしまうこともしばしばです。
沖合に根が続いているポイントでは、カサゴやメバル等の資源が継続して補給されるといわれていますが、砂浜のなかにポツンとあるような漁港の堤防などはすぐに資源が枯渇します。
いつまでも楽しく釣りをしたいというのは誰でも同じだと思います。法律や条例で規制されていない場合でも自主的にセーブすることも釣り人のマナーの一つなのかもしれません
カサゴの胴付き釣りのゲスト
ムラソイ。カサゴよりは水深が浅いエリアに多い
この釣りの外道としては、キビナゴ餌で狙っている場合は尺にせまるメバルが釣れることがあります。また、ムラソイやクロソイやタケノコメバルなど根魚全般が釣れることでしょう。場合によってはフッコクラスのスズキが喰いつき竿を曲げてくれることもあるので油断は禁物です。
まとめ
5月と6月の堤防釣りということで、今回はアオリイカとカサゴにしぼって、特性と釣り方を紹介してきました。
これからは梅雨入りしてないかぎり風もほどよく、ますます外出しやすい気候ですので、少しでも興味のある人は気軽に海に繰り出してみてはいかがでしょうか。
自分だけの新しいメソッドや楽しみ方が見つかるかもしれません。マナーをまもっていつまでも持続的で楽しい釣りを続けたいですね。