金田湾へ
だいたいの釣りで本気を出していない。ってことは、もし俺が本気を出したら矢鱈に釣れるんじゃないか。ほくほく。それは名案じゃないか。だって本気を出すだけで釣れるんでしょ。
簡単だよ。イージーだよ。そんなの本気を出せばいいんだからね、と、ハナキンに猿知恵を働かせ、土曜日になんとか眠気まなこで神奈川県三浦半島の金田湾へ向かった。
今日は一人なのでやや遅れて三浦海岸駅に降り立ったのは7時半程度。三崎東岡もしくは剣崎方面のバスは1時間に二本程度の模様。これはタクるかね?と自問自答したが、まー待ちましょう。
急がば回れ。兵糧も飲料水もないしね。と、三浦海岸駅前を探索するが、コンビニが見あたらない。ようやくローソンを発見し、おにぎり2つとカツサンドと水1リットルをもとめバスに乗り金田湾ボート 釣りの浜浦さんへ。
いざ、沖へ
女将さんに挨拶して、ジャリメをもとめる。前回はアオイソメだったが、やはりキスやメゴチにはジャリメだろう。
「1パックでよいですかね?」
「うーん、メゴチがふえてきたからね。すぐなくなっちゃうかもね」と、女将さん。商売上手ですね。
まー餌が無くなって買いに戻るのは愚の骨頂。
余る分にはよかろうと思いジャリメ2パックを手にとって準備し、乗船。本日は大潮、到着した頃はサゲ止まりへ向かう手前。
引き船をしていただく。
釣れる釣れる
風が強いから、生簀前(イワシの蓄養いけす)でやってくださいという男性の指示にしたがって、まず、パームスのモーラのバス用パックロッドでチョイ投げをする。この竿はブラックバスようだが、小さくしまえてライトな餌釣りにも便利。デザインもいい。アングラーズリパブリックのロッドは安くて品質もよいので好んで買っている。
仕掛けは硬質ゴムのようなものでできた天秤に4号のナス型オモリをつけて、船用競技キス二本針。
メゴチは入れ食い。時折キスが混じる。二本がかりも多く、写真のようにメゴチが上、キスが下にかかることが多い。泳層がメゴチベタ底に対して、シロギスは砂地のすこし上を群れているからなのだろうか。
小一時間で、そこそこ釣れる。
アタリは一投に一回は必ずある。
前回アオイソメで勝負したが、シロギスならばジャリメが良いという定説はその通りだと思った。吸い込みまれやすい。
あとキス競技針。これもいい。軸が長いものは飲み込まれにくく、金のビーズも集魚効果てきめんで実にいい。
メゴチをつけたヒラメ泳がせ仕掛けを投入。アタリなし。
あ、やばいやつだこれ
午後、金田港側を背にして釣っていると南西風が背中を強く押してくる。
これはちょっと様子を見てダメだったら撤退したほうがよさげだな、と、場所を移動するためアンカーをあげて気がつくと、あれよあれよと言う間に流される。
あ、やばいやつだこれ。
江戸時代、八丈島から島抜けしようとして、どっこい黒潮に流されて押し戻された流人らの気持ちもこんな感じだったのではなかろうか。
あ、
と言う間に流されて、泳がせ仕掛けが他人の仕掛けに絡む体たらくをさらし、すんませーんとお詫びしつつ道糸切断、ふと気づいたらイワシの蓄養いけすに、ごっつんこ、という無念さ。
みると生簀の中ではイワシがぐるんぐるんと渦を巻いている。
そこからひと呼吸おいて、なんとか離脱し、或る生簀の北東側にアンカーを落とし、そこそこ釣る。メゴチ、メゴチ、メゴチ、メゴチ、キス、キス、メゴチ、メゴチ、というような塩梅で釣れてくる。
投げる場所と仕掛けの位置によってメゴチとキスは釣りわけできそうだ。次回はキスに絞り、ハリスが浮くフロート系の仕掛けでも作ってみようかな。
強烈なアタリ!?
さらに風が強まり、他の船の方々が岸に退避、もしくはボート屋近辺に戻り釣りをしている。わたしも戻ろうかと、したところ、泳がせ仕掛けに強烈なアタリがあり、ぎゅいんぎゅいんしている。
ん!?と、聞合せをしてみるとなんだか来ている気がするが、根掛かりの気もする。
巻こうとするとまける。で、2分ほど格闘した挙句よくよく見たらアンカーがいけすのロープに絡まっただけの模様。そしてぐんぐん引いていたのは蓄養いけすのロープだった様子。
10メートルくらい距離があったが、ロープは斜めに固定されているのかも。あんまり近づいてはいけませんな。
※2017-05-12補足:イワシの畜養イケスは1本のロープで固定されていて、風や潮の流れによって360°回転する仕組み。そのため、夏場の午後金田湾に吹く南西風に生け簀が流されているとき、は南西側にブイがあり斜めにロープが入っている模様。
その後風がさらに強まり、がっちり固定されたボートは横からの強い風と波に転覆しそうに、アンカーはビクともしないし、これはあかんやつかもしれない。ライフジャケットはきっちりしているものの、脳裏に
死。
の一字が思い浮かぶ。
がぶがぶ。
海水が矢鱈に辛いなあ、俺。死んじゃうのかな。
がぶがぶ。
と、妄想しつつ、ボート屋である釣りの浜浦さんに電話しようかと思ったが、これは、差し迫っていてヘルプにきてくれる前に転覆して海の藻屑になってしまうやもと思い、唯一もっていたダイワのフィールドプライヤーでロープを切断。ナイフとハサミはサバイバルの必需品ですな。
で、ミッションコンプリート。ふー助かった。日頃の行いが良いからだな。えっへん。とか思いながら、岸に戻ろうとするが、風と海流のせいかまったくボート進まず。
まごまごしている最中に、船外機付きボートで巡視していた浜浦の男性がやってきてたので、アンカーを切ってしまった件をお詫びすると、「まだや釣りしますか?、やるなら岸近くまで引っ張ってつけます」とのことで、有り難く申し出に応じ引かれていく。有難いこってす。
今度こそ強烈なあたりが!
その後、アンカーを付け直してもらい再チャレンジをしようとしたところ、頑固なロープが絡んで伸びないが、ええいままよ!と投入。海底まで届いたか不明だがまあいい。
と、気づいたらまた南西風に流されていた模様。
2017-05-12補足:ボート釣りではアンカーが着底していないと流されます。
その後、よちよちしているところを再度浜浦の大将に気づかれ、「流されてしまっているのでボート屋の前でやってもらえますか」、とのことなので、また牽引してもらおうとしたその時、その時だ!
泳がせ釣りのシーバスロッドにアタリが!聞き合わせしてみると、ロッドがバットから曲がり、ドラグがうなり、PE1.5号すべて出されてしまう。
え、エイ!?
で、3分ぐらい粘っていたものの、ばーっとPEラインがすべて出されて、下巻きの海平ナイロン5号が出され、やがて連結部分でぱつんとラインブレイク。
浜浦の大将と話した限りでは、マゴチはもう少し鋭く引くから、マゴチじゃないとのこと。以前、岸近くで同船のたまみ氏がエイの子供を釣っていたので、おそらくエイと考えておくとする。ま、エイでもよいから、ずどんとデカイのを釣りたいところ。
その後、金田港の堤防で塩鯖を餌に味噌汁用のカニ釣り。
シロギスとメゴチの釣果
帰宅。こちらが釣果。メゴチは逃がしたり、餌にしたりなので、この倍くらいはとれたかなという。
下ごしらえ。
刺身包丁がほしいところ。
キスとメゴチの卵巣。これは日本酒をかまして塩漬けにしてみます。
肝心の天ぷらの写真は、
撮り忘れました。。。
ではでは