横須賀で大サバが釣れているという噂、釣れないという噂
どうも平田です。ネット情報では、大サバが釣れているという横須賀うみかぜ公園。
ジグなど投げて、大サバがたくさん来てしまったらどうしよう。
冷蔵庫には入らないから、40センチくらいの1匹だけ持ち帰りだな。あとは、そのへんの家族連れに差し上げよう。
で、脂がのったサバを三等分にして味噌煮にしてねって感じで、ほくほく。
横須賀へ
わたしほどの腕があればサバなんて入れ食いに違いないと強く信じて現地に向かいました。
横須賀うみかぜ公園近くのセブンイレブンには、釣り餌が売っていて、イソメやジャリメや配合餌の撒き餌などがそろっているから便利ですね。
近くに上州屋もありますが、釣りの前に上州屋に行くと、平気で1時間は吸い取られるので注意が必要です。
と、いっても今日はイソメやサビキなどと日和らず、漢のルアー釣り一本で勝負しようと思い、タックルもシーバスロッド一本。
この交差点は釣り人にとって夢があっていい。
前に進んでも釣り場、右に曲がっても釣り場だからね。
うみかぜ公園到着、竿を出す
で、うみかぜ公園に到着したところ、すさまじい混み具合。テントをはっている人もいるようで。アクセスもよいし、お金もかからない釣り場なので仕方ないのでしょうね。みんなたのしみたいもんですから。
よくみると、イワシが釣れている模様。ようやく隙間へ入り竿を出し、隣のタイコリールヘチ釣りのおっさんに挨拶し何を狙っているかヒアリングしたところ、同氏はニヒルな笑みを浮かべ、
「怪物」と、一言。
うぇ?なんだ怪物って。
「え、何ですか怪物って?黒鯛っすか?」と聞くと
「黒鯛なんかじゃないよ、黒鯛だったらすぐにあがるよ。あいつはすんげーひきなんだから。寒鯛だなあれは」とのこと。
さらにおっさんの武勇伝をヒアリングしてみると、先ほどからアタリがあり、ヒットすると竿が猛烈に曲がり、沖に走られきれるとのこと。
が、おっさん、肝心の魚の顔は見ていない模様。
餌は、茹でムール貝をつかっている模様。
「もしかして、それアカエイじゃ」と、思ったところ、おっさんは、わたしの思念をスキャンした模様で、
「エイだったらよう、重いだけだからよう」と、反論をシャットされる始末。
続いて、
「ルアーだったらよう。潮の切れ目があんだろ、そこに投げればよ、イワシもまわってるし、釣れんだろ。こないだあそこでイナダの60センチくらいの出てたぞ。サバ?サバもたくさん釣れんだろ」とのこと。
「イナダの60センチ!え、馬路ですか。おーす。がんばります」と、準備を整え 、数投。
たしかに潮目がはっきりでていて、釣れそうではある。水面をイワシがたわわんと踊っている。
が、ボイルはなく、何となくイワシに緊張感はなさそうだ。捕食者がいないのだろうか。経験上、ベイトがいてもよちよちしている時はフィッシュイーターがいないということで釣れないという気持ちが黒インクのように心を染めていく。
まー釣れなくてもジグをおもいっきり投げるだけでいいっしょ。そらー。100メートルくらい飛んだかな。追い風いっぱい。たのしいな。そらー。
じいさんの昔話
と、メタルマルを投げ、ジグを変え、イワシに近いカラーのダイワショアラインシャイナーのフローティングミノーにし、またメタルマルを投げ、より水を噛んで泳ぐK-TENのシンキングミノーにしたところで、潮焼けした漁師帽をかぶった歯が一本しかない、にこにこ系のじっさまが現れ潮目を指差し、
「あの潮目のあたりでむかし、ダツが群れで凄くってね。ほう。そのルアーはジグとスピナーが合わさってるんですね。それは釣れそうですね。あれやってんのかな、横浜の釣り博のなんちゃらほんちゃら、じゃ、大きいの釣ってね、がんばってくだい」とのこと。
じっさまのむかしはだいたい25年前くらいの話だが、ときたますごい情報を持っていることが多いし、なにより日頃話さない世代なので、じいさんばあさん好きとしては和む時間です。
釣りというのはこうして、見知らぬじいさんや散歩婆さんの戦時中話などもきけるのでたのしいものですね。そして、どのじいさんばあさんの話でも、きまって、「むかしはね、魚はもっと釣れたんだけどね」で、締められる。それは、過去への憧憬もあるのだろう。それが、魚の漁獲量にあらわれる。なんとも切ない。
その後、ホビット系の小さなじいさんが現れ、ヘチ釣りで塩サバにてカサゴを釣り上げ、撤退、また外国人が胴付き仕掛けに塩漬けイワシでカサゴねらい、他は釣れず。
そうこうしているうちに、怪物ねらいのおっさんが、
「ほらきた!(ドヤ)」と、わたしにリアクションをふってくるので、みると確かにヘチ竿が根元から大きくしなり、タイコリールの道糸がどんどん出されていく。
「うわー、すげー、やべー」と、わたしも声援をおくってみせる。
と、ハリス切れ。
すると、怪物おっさんは、
「はー、切れてよかった。あぶなかったー。さ、そろそろしまうとするか。引き味を味わえてよかったなー。アレはエイじゃねんだよなー。すんげーんだから。ドラグ付きのリールだったらいけるかもしれない」とのこと。
怪物の正体が一体なんであるのか。誰も知らぬまま、夜の帳が下りる。
そして、わたしも全くアタリがなく納竿。
この横須賀界隈の大サバは日により回遊に偏りがあるのかもしれませんね。今度は釣ってやると思って、さわやかな夜気の街を家路へ。
ではでは。