これはまだ自分が釣りをはじめる前の話です。
当時釣りには全く興味がなかった自分。
その頃は比較的大きい車に乗っていたので、釣り好きの友人に車を出して欲しいと頼まれることもありました。
あるとき、暇だったのでドライブがてら漁港へ行くことに。
面子は自分の車に5名。
他に3名は別行動もとるとのことで車は3台に分かれ、同じ漁港を目指しました。
冬場の寒い時期でしたが、釣りの前にバーベキューをやろうとのことで準備をしていると、
自分の耳元で、
「ねぇ」
という声が・・・
「なん?」と返事をすると、
周りの友人が「なんってなん?」と。
今、誰かよんだろと言ってもそれぞれ作業をしていたので誰も呼んでないとのこと。
・・・
ちょっと気になりつつもバーベキューを楽しみ、友人たちは釣りへ、自分は片付けをして車で仮眠をとることに。
最初は友人が釣っているのを見てたのですが、その夜はかなりの爆風で寒くなったので(今思えば釣りになったのかな?)車の中にいることにしました。
しばらくすると、また、
「ねぇ」という声がどこからか聞こえます・・・
・・・
「ねぇ」
・・・
さっきは周りに友人がいたけど、今は車の中で1人。
しかも声色的に友達とは違う女性の声。
「ねぇ、こっちにおいで…寒いでしょう?」
ずっとこんな声が聞こえてきて、怖くなり心の中で法華経を唱えていると、やっと声が止みました。
少しホッとしていると釣りをしていた1人の友人が戻ってきました。
気味の悪い目にあったということもあり、少しでも気持ちをあげていこうと、
「釣れたね?」と聞いたところ、
その友人が口にしたのは・・・
「いや、なんだか女の声で『こっちにおいで』って聞こえてきたけん、気味が悪いけん、休憩しようと思って帰ってきた」
とのこと。
・・・
自分はさっきの出来事を話そうかと思いながらも、夜中だったということもあり、今話すのは何となくいけない気がしてそうね、とだけ返事をして横になりました。
仮眠のつもりでしたが、ずっと眠れず、明るくなって少し眠ったのを覚えています。
あとで全員に確認すると、声を聞いたのは自分とその友人だけだったようで。
あれは何だったんでしょう・・・
※投稿いただいた釣り場の怖い話は編集部で編集して紹介しています。