堤防でちょい投げをしていて、潮どまりなどでアタリがまったくない状態。
放置プレーを決め込み、ふと仕掛けを回収しようとすると、すこしだけ抵抗感がある気がする・・・。
これはハゼかなメゴチかなと思っていたら、なにやら毛むくじゃらの毛虫みたいなものがうねうねしてやがるぞ。
ゾゾゾゾォォォ…。
そう、それがウミケムシだ。
今回は奇怪生物「ウミケムシ」について解説する。
ウミケムシについて
まるでタワシかよ!な海毛虫氏
ウミケムシは、ゴカイと同じ多毛類で砂地に多く生息している。
日中は砂に潜っているものの、エサの臭いに釣られて動き出す。夜間、湾内などの浅い砂地で、投げ釣りをしていると高確率でヒットすることも。
腹部以外はガラス繊維のような棘に覆われていて、手などにささると赤くはれて痛みやかゆみがでる。
またハリがかりしてもアタリがでる生き物ではないので、比較的待ち時間が長いカレイ釣りでは、ウミケムシがついたまま1時間経過していたという残念なことが起きがち。
ウミケムシを釣らないために
エサを底上に放置しない
ウミケムシを釣りたくない場合は、砂地(砂まじりの根含む)で底付近を狙わないに限る。
一方、砂地はカレイやキスなどの好ポイント。
この場合、置き竿にして餌を放置せず、一定間隔でさびいて餌の位置を移動するとよい。放置された餌はウミケムシやヒトデの格好の餌食となる。
針を大きくする
ちなみに、ウミケムシの口は伸縮が自在で、カレイの投げ釣りで利用するようなやや大型の針でも飲み込む。
「針を大きくする」という対策は、ハリを飲まれるまでのスピードを遅くすることにはつながる。
完璧な対抗策にはならないと思っておいたほうがよいだろう。
ウミケムシが釣れたら
三崎港花暮岸壁。かなりの海毛虫濃度を誇る。
ウミケムシが釣れた場合は、ハリスを切って逃がすのがもっとも安全。
仕掛けの予備がない場合などは、フィッシュグリップなどでつかみプライヤーで外すとよい。
エサにはウミケムシの棘が刺さっているので新しく交換し、道具についた棘は、海水でしっかり洗い流しておこう。
ウミケムシに刺されてしまったら
ウミケムシの棘は、手指に刺さると取れない。
無理にこすったりせず、患部の水分をティッシュペーパーなどでぬぐってから、ガムテープなどをつかって抜き取る。
腫れや赤み、痛みは部位や人によって異なるが、1日程度は腫れて痛むことが多い。ステロイド外用剤の塗布によって、症状がすこし落ち着く。
応急処置をしたあとは、状況に応じて医師の判断をあおいだほうがいい。
ウミケムシの食事
ウミケムシの口はウォームのように伸縮し、大きな針も飲み込んでしまう。
カレイ釣りにつかうような流線針・セイゴ針・ブラーについているぐらいの針は、丸ごと飲み込む。
彼らの食事のペースをみていれば、仕掛けの放置が危険なことだとわかることだろう。
まとめ
今回は、堤防釣りで釣れたら困る「ウミケムシ」への対策を紹介した。
だれでも出会う生き物なので、いざというときにつかめるように道具はしっかり用意しておきたい。