真実が見えてしまうことは真実が見えないことよりつらいときがある。そんなことを感じる今日この頃。
趣味の上野アメ横センタービル地下食品街巡りにいってきたのでそこで買った中華魚缶詰を食べてみた話をしますよ。
ワタカみたいな魚が描かれた缶詰(豆豉鯪魚)が売られているぞ
同地について詳しく語りませんが地下に降りると、東アジアの市場のニオイがします。ものが腐ったというかなんというか、まーそういった甘いニオイです。
でもって、ニコニコしながら洞窟をすすむと、上野側の入口から一番遠い中華食材屋(店舗が一番広い)があるんですが、そこに魚の缶詰が売られていたんです。
これ。豆豉鯪魚というらしいんですが、結構な量売られているんですよね。
ゴキブリの糞尿がこびりついた棚にたくさんならぶ魚の缶詰。
ラベルのフナというかワタカというかなんというか淡水魚感満載の缶詰。
豆鼓が入っているので、甘じょっぱく煮てあるんでしょうか。これが400円。サバの水煮などの美味しいやつが200円ちょっとで買えるのに、これは輸入しているということもあり、400円。
ラベルの裏をみると
品名 :うぐいとトウチのうま煮(豆鼓魚)
原材料:うぐい、トウチ(大豆含む)、大豆油、醤油(大豆、小麦含む)、食塩、調味料(L-グルタミン酸Na)
とあります。
『うぐい』
ワイの知っているウグイはこういう姿かたちをしてないんだけど、どういうことでしょうかね。
・・・
ま、ここは食べて調べてみようとレジです。
この日はホラパーバジル、ナンプラー(賞味期限が近いので大量でやすい)、白芝麻醤を買いました。
ホラパーについては以前記事を書いたのでそちらでチェックください。
豆豉鯪魚を食べる
どん。メードインチャイナです。
ご覧ください。
どうでしょう。このリアルな淡水魚感。
現代日本人が全く食欲をそそられないビジュアルのお魚がいますね。
しかもよくみたら口から泡をはいてやがる。
ケンヒー(鯁魚)は、コイ目コイ科ラベオ亜科に分類される魚。中国東南部、ベトナム及び台湾の川や池などに生息する淡水魚である。
中国語の標準名は「鯪魚」(リンユー、língyú)
中国大陸では珠江水系を中心に分布する。他には、閩江水系、海南島[3]、香港[4]、ベトナム北部のソンコイ川水系などに分布する。台湾へは養殖用に広東省の汕頭周辺から幼魚が運ばれるなどして持ち込まれた。
出典:wikipedia
このリンユーっていうのは、ウグイと和訳されてますが、そうではない魚みたいですね。水草やプランクトンを食べると。やっぱり姿かたちもそうだけどワタカの仲間なんじゃないかな。
かなり開けるのに力が必要な感を指を切らないようにあけると、でてきたのがこちら。
ニシンの干物を水でもどして揚げてから甘じょっぱく煮つけました。的なビジュアルだなー。
缶には大豆油(と信じるしかない)がつまっていて、その底には豆鼓(豆を発酵させたもの。乾燥した納豆みたいなもの)がかなりつまっています。
ニオイは、臭くはなくて、豆鼓のニオイにやや醤油。
食べてみましょう。
・・・
・・・
・・・
歯ごたえはニシンを戻して甘じょっぱく煮たアレです。
しょっぱうま。
これはもうすこし甘みがあるといいんだろうな。日本人的には。砂糖が足りない。
リンユーを乾燥させたあとに、揚げて煮たということなんだろうか。
白飯と食べてみると、これはこれでうまい。
が、
甘さが足りない気がしてしまう。
おそらくサンマとかイワシの甘辛煮みたいな缶詰を想起してしまうからだろう。
豆豉鯪魚をさらにうまいものにする!
ということで、正体がわかってきたリンユーをさらにうまいものにします。
何を作るのか。
炒め物です。
用意したのは、
左から、ローカンマの豆鼓豚肉入りラー油、テンメンジャン、豆鼓醤、中華街で「麻婆豆腐ならこれよ」と、お姉さんに売り込まれた麻辣鍋醤。そして、五香粉。
これらをブレンドしておきましょう。追加で砂糖も適当に。
しまったローカンマの賞味期限が切れていた。
が、
そんなのに動じるわけでもございませんよ。おほほ。
ほんとは脂系は酸化という呪いがあるので気を付けたほうがいいですぞ。
・・・
さて中華鍋は、っと、
む。
安定の赤さび。
このあたりも全く動じず、洗って焼きを入れればモーマンタイです。
短時間調理できるようにナスをスライス。
空芯菜は、茎と葉にわける。
これでもかと熱した中華鍋に、豆豉鯪魚をぶちまける。
ずしゃー。
わ、やべー、焦げ付く。
茄子と、スライスニンニクを投下。
強火で炒める。
次に空芯菜の茎。
常に強火。
葉。
ずっと強火。
中華ブレンド醤。
全体に味がなじんだら、
紹興酒。
炸裂する鍋。ただよう大陸のニオイ。
中華料理は火を制しなくてはいけない。
というのはたしか美味しんぼで周大人の娘と結婚したいと名乗り出た若者のエピソードにありましたな。
このぐらいの炒め物は全体の調理は1分強で終わらせましょう。
空芯菜がしゃきしゃきしていれば仮免合格です。
ドヤ。みるからに中華。
して、例の豆豉鯪魚のお味は、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
あ、
これ、
ビーフジャーキーみたいになった。
そう、
干物系で水分が少ないからなのだろうけども、そこに、ブレンド中華醤の旨みが乗りうつってスパークしているっていえばうまく伝わるかな。つたわんねーと。ですよね。
もうなんというか人民解放軍が、旧式銃をもって人海戦術で胃袋に突撃してきているというか、なんというか、白飯がすごいスピードでかきこまれていきます。これはうまい。
茄子。
安定のうまさ。
油とタレをよくすいこんでおりますな。
油もこの通り美しい。
この油でごはん2杯はいけるぜ(嘘)
豆豉鯪魚についてのまとめ
- 中華食材では有名なので、よく見る。400円ぐらいする
- そのままごはんのおかずやおかゆにいれて食べてもよい
- 食感が以外で固い。干し肉系。
- 青菜系と炒めるとうまい
- 調理するときに砂糖を足すとさらにうまい
- サバとイワシの醤油煮とどっちがうまいかというと、サバとイワシに軍配があがる
- が、ソフトなビーフジャーキー系の食感と豆鼓が好きな人にはたまらないんだと思う
ということで、好きな人が食べればいい魚で、日本人は特段手を伸ばさなくてもよいんだろうなと思った次第です。
個人的には、そのまま食べても、炒めても、かなり旨かったです。
関連アイテム
Amazonで売ってるので食べてみるのもよし。食べれば語れるしね。まわりに中国人がいれば話題にもできますしね。