魚を美味しく食べる方法として、ある程度のベテラン釣り師であれば、自分流のノウハウを持っていると思う。
- 活締め
- 氷締め
- 潮氷で冷やす
- 寝かせる云々
一方、何が正しく、自分の処置がどういった目的のためにやっていることかわかっていないことも多いと思う。
バイク用品・マリン用品を取り扱うヤマハ発動機グループの『ワイズギア』の動画チャンネルが、ジャパンインターナショナルボートショー2018で行われた、ウエカツこと上田勝彦氏による船上〆の技術を紹介した映像を公開している。
もともとボートで釣りをする人にむけた発信だが、おかっぱりの釣りでも十分役に立つことがある。
動画は3部にわかれていて、具体的でわかりやすい。
それぞれ海で魚を釣って食べる人にとってはとても有益な情報だ。それぞれチェックするとよいだろう。
<この動画でわかること>
- 〆方の種類と目的
- 船上〆の解説と使用する道具
<ポイント>
- 魚の鮮度は温度がぶれるときに落ちる
- 締める時には衝撃を吸収するマットが必要
釣った魚はただただ冷やすというイメージを持つ人が多いと思うがそうではないという話が印象的。
<この動画でわかること>
- 船上〆の技術と効果
- 具体的作業その1「即殺」
- 具体的作業その2「放血」
<ポイント>
- 即殺をするときに脳にスパイクや手鉤を入れる角度は神経締めのワイヤーを入れる角度を配慮
- 放血をするときに氷水をつかわない(心臓麻痺になる)
- エラや心臓を切らないでエラの付け根の膜をきってそこから見える太い血管をナイフで刺すように切る
- エラの付け根の膜を切るときのナイフは起こさないで寝かしていれる(心臓を傷つけない)
- 尻尾を切らない(血圧が下がって血が残る)
血を抜こうとするときにエラを切ったり、氷水につけたり、尻尾を切る(大型の魚の場合)ということは心臓のポンプをとめたり、血圧を下げてしまうという意味合いがあるというのが印象的。
<この動画でわかること>
- 船上〆の技術と効果
- 具体的作業その3「神経抜き」
- 具体的作業その4「予冷」
- 具体的作業その5「保冷」
<ポイント>
- 神経を抜いたあとの予冷の水温は5度以下にしない(水に手をいれてしびれないぐらい)
- 保冷時はラップで体表を覆わないと色が変わる
- 魚の筋肉に直接氷があたるとそこだけ冷えて固くなり、その後身割れの原因になる
- 魚の旨みは死後硬直前後に2回ピークがある
- 活〆は死後硬直までの時間を長引かせ、その後の保存期間を長くする技術
味をもとめるなら、たくさん釣る必要はないのかも
3つめの動画で最後にウエカツさんが、「こだわりの魚釣りは量より質の時代」というテーマで話して動画が締まる。
たしかに釣りは釣果を競うことが一般的だが、人によって釣りの目的はことなり、食にピークを置いている人の場合は、船上で魚がどんどん釣れても数を追わず、その魚の品質を自らの手で高めるという方法もあるかもしれないなと感じた。
いいコンテンツだった。
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アイキャッチ画像出典:Youtube