平田総研によると、蟹とりをしたいと本当はおもっているものの昨今の色々なしがらみでできない中年ビジネスマンが前年比で85%増えているようです。
なんだそりゃ。
でも、やっぱり蟹とりしたいよねというために代わりにいってきましたのでご堪能ください。
今回は3種類の蟹をとってきましたよ
磯のスパイダーマン・ショウジンガニがわらう
ショウジンガニという蟹がいましてね。別名マガニです。
テトラや磯場のカラーに擬態していて、外洋に面したよく波に洗われている場所にいるんですが、なんとなく見た目が蜘蛛みたいなんですよね。
それもそのはず脚が細長く、爪が小さいんです。
食性は雑食ながら、磯場にいるものなどを観察していると、海藻類を小さな爪で熱心にちぎって食べるていることが多いような気がします。
サイズは豆サイズから甲羅が拳大まで。
城ケ島で釣れた最大サイズのショウジンガニ。
潮が動く時間帯に夜のテトラ帯を照らしていると見つかります。
この蟹がですね、かなりすばしっこく、つかまえようとすると速攻で気づいて逃げるんです。
半端にトングを使うと平らでつかみにくいので、脚がもげてにげたり。
網を使うと、磯のフジツボや牡蠣殻などに網がひっかかってその間からあざ笑うように逃げたり。
まー、向こうも必死で決して笑っているわけはないのですが、つかまえようとして逃げられると、翻弄される気分になってきます。
このショウジンガニをとる方法は、ひっこくりといって、エサを差し出して、足を輪っかで締めあげる釣りが射程距離もロングレンジでいいのですが、今回は手づかみで。
というのも、手が届く範囲にいれば手づかみでもなんとかつかまえられたりします。
ちなみに素手だと蟹脚がささったり、爪で挟まれてびっくりして放してしまいがちなので軍手必須です。イシガニ類と比べると挟む力はかなり弱いのですが、まーそれでもちくりとは痛いです。どちらかというと、手からもがいてにげようする際に脚の先が皮膚に刺さって『痛気持ち悪い』のがいやなのでわたしは軍手派をつける派に所属しています。
さあ、ライトをつけてみましょう。
いるかな。
ざぱーん。
みえますか?
ざぱーん。
ごぼごぼごぼ。
(明かりを照らしすぎると逃げる仕様です。注意)
(波が引いて全貌が!)
む。
そこか!
ショウジンガニはこの通りすごい速度で逃げます
特殊技能夜間磯波透視術によってこの夜は5杯のショウジンガニをゲット。
小型も5杯ぐらいいましたがこちらはリリース。
もしかして君はレアポケモンならぬアミメノコギリガザミ氏では?
ショウジンガニをとったあとに、さらに磯場探求、いわゆる夜磯クエストを繰り広げていたところ、イシガニに似ているものの、甲がやや丸っこい個体を発見しました。
あ、
これ、
もしかして、
ノコギリガザミかも。
相模湾ではレアだよなー、と思って手づかみをしようとしたらリーチがたらず、網はむりだなトングをつかおうとおもっていたらライトに驚いてしまい逃げられてしまうという事態に。
ああなんということだ。
500gぐらいありそうだったな。
ノコギリガザミって、2キロぐらいのサイズになるんですね。それから考えるとまだ小型ながらまだつかまえたことがない蟹だったので、逃した獲物は大きい感が半端ないわけです。
・・・
その後、しばらく周囲を探索していたら、
ボチャンと岸壁から何かが落ちる音が。
そこか!
すぐにライトを照らすと、マニピュレータがとれた連邦のボールみたいな兵器が。
・・・
イシガニ???
なんだか顔つきと色合い、甲の形状がイシガニとはちがうなと。
まさか。
これは。
後脚部分に網目模様が。
これこそアミメノコギリガザミ氏だ。
と、興奮したのですが、両爪もなくサイズが小さいのでリリースすることに。
この後も、周囲を探索していたら。
・・・
あ、貴殿・・・
今度は両爪がある・・・
色合いがどこか亜熱帯感だな・・・
マングローブの泥穴にいそうな面構え。
脚が・・・
網目状だ。
これもたぶんアミメノコギリガザミなんでしょう。
こちらもサイズが小さいのでリリース。
今年初のモクズガニは巨大なオスだった
次はそろそろ河川の上流域からモクズガニが台風の濁流とともに下ってきているかなと・・・
川をみていたら、川の真ん中で、両手の平を広げたくらいの大型の蟹が。
これはリーチ的に近寄ると逃げるパターンだな。
よし、たも網アタック!
伸びろたも網!
するするする。
網が4mまで伸びて浅瀬なので、上から網をかぶせると、見事ゲット。
・・・
さて何ガニだろう。
「小僧、
これで勝ったと思うなよ!」
(モクズガニのオスでした。これはモクズガニとしては最大サイズかなと)
・・・
いやはやこのサイズは実にうれしい。
紹興酒に漬け込んで蒸し上げたい。
「悩んでることがあるんなら話聞こうか系のオッサンリーマン系の面構え」
持ち帰った戦果(ショウジンガニ・モクズガニ・)がこちらです
ということで戦士の帰還のお時間なわけですが、ちょっと遠方だったので、かえったら深夜でした。
夜磯をあるいたり川をさかのぼったりするような活動は意外と疲れるもんでぐったりするもんです。
ショウジンガニ
ショウジンガニはそれほど生命力が強くない+移動中に容器内で活発に動いて消耗するので大体持ち帰ったころには瀕死状態です。
もちかえり時間にもよりますが、夏場で1時間以上帰宅までかかるようであれば腐敗がはじまる可能性があるので、口から金属を差し込んで締めてジップロックにいれて氷締めを推奨しておきます。
こちらがショウジンガニを正面から見た姿。
爪が違いのが特徴。
こちら腹側。
決して巨大サイズではないですが、東京湾や相模湾の平均サイズかなと。
こちらは腹蓋を剥がして歯ブラシでみがいて冷凍保存に。
ショウジンガニは味噌汁にするとイセエビの味がするんですが、白みそブレンドでまた調理してみたいと思います。
モクズガニ
モクズガニなのですが、川の上流から河口を行き来するということもありかなり機動力&生命力が高いモビルアーマー、蟹です。
水なしで持ち帰れば、だいたい帰宅時にも元気なことでしょう。
高機動力。
隙をみせるとこのように壁を登ろうとします。自然界だとこれでさかのぼれるものの、人間界、それも浴室はつるつるしているのでモクズガニの機動力が無力化されることに。
こちらは小型のモクズガニ。
腕と脚が1本ずつとれてますね。
鷺などにやられたのか、台風の濁流でもまれる間にとれてしまったのか。
こちらのタランチュラの塊みたいなのが、大型のモクズガニです。
触れると・・・
稼働します。
しかもすばやい。
でかい。
よくウナギ釣りをしていてこのぐらいのモクズガニがたくさんいる地帯だと針を岩の間や下にもっていかれて根がかりが頻発することも。
顔つきも立派。
俺んとこ来ないか系の顔付きですね。
こうしていじっていると・・・
はさまれるので馬路で注意です。
小型のモクズガニにはさまれたのですが、よゆうで指が切れますんで。
大型の個体のクリティカルヒットをくらったら大人の男性でも叫ぶほどかなと。
古いクーラーボックスに水道水(カルキ抜きなどは不要)をすこしためてそこで泥抜きます。
このときモクズガニの身体が半分水面からでているぐらいがちょうどよいと思います。
・・・
翌朝。
いくらか脱糞していますね。
そこはかとない河口のニオイがクーラーボックスから立ち上りますが、どの個体もそのようなニオイがするので気にせず水を変えて泥抜きしましょう。
ちなみに何も餌をあたえなくても彼らは7日間程度は生きています。
夏場河川の中流域から上流域でモクズガニを捕獲したときは温度管理には気をつけましょう。熱がこもるとお亡くなりになってしまいますよ。
いたずらに手でもてあそばず、蓋をして刺激を与えないで泥抜きするとよいんじゃないかなと。
子供に触らせるといつまでもにぎにぎしますので、すぐ弱ってしまいます。注意。
モクズガニ料理もまた今度。
ではでは。