この記事では、ワタリガニについての解説と、生食してダイジョブなの?という話と、絶品ワタリガニ料理のヤンニョムケジャンの作り方などを紹介します。
ワタリガニ類について
『ワタリガニ』と呼ばれる蟹は、多くの場合ガザミかタイワンガザミです。
渡るというだけあって、脚の一部がオール状になっていて泳いで移動するんですよね。
- ガザミ:甲羅がより固い、やや重厚感あり
- タイワンガザミ:オスの甲羅が青い。ガザミより甲羅が柔らかい。ひょろひょろしたイメージ
ざっくりいうとこのように分けられるかなと。
ワタリガニと呼ばれている冷凍品、切り蟹(胴身+両爪だけになっている)で販売されているのはだいたいバーレーン産か中国産で、国産ワタリガニとなると、サイズが500gから1キロ程度までのものがあり、オガクズや海水で活きたまま販売される個体はかなり高額で販売されています。
蟹は死ぬと一気に劣化するので、死んで黒ずんできたりドブ臭いニオイを発しているものはたとえ50%値引きでも買うべきではなく、高くても活きガニを買うとよいです。
が、国産ワタリガニは高い。
でもですね、季節が秋や梅雨時であれば、蟹網等を使えば堤防からワタリガニ(ガザミ類)が簡単にわんさかとれてしまいます。
脚の一部がオール状のイシガニは冬場も湾内にこもっていることが多いのですが、ガザミとタイワンガザミは、水温の低下とともに内湾から深場に移動すると言われています。
実際、海水浴シーズンが終わったあとの秋の湾内ではたくさんのワタリガニを目撃するのですが、それが水温低下とともにまばらになっていくなと。
一方、東京湾や相模湾では12月ぐらいまでは狙ってとることができます。
12月などは、フェリーなどが発着する比較的水深がある砂底の堤防あたりがよいと思いますよ。カレイの投げ釣りをしながら、蟹網を投げる。あれはあれで面白い。
タイワンガザミのメスは一見ガザミっぽい
こちらがタイワンガザミです。
一番上の個体がオスでその下の個体がメス。
オスは甲羅が青く腹側が白いのが特徴です。上の写真だと色味がわからないので、もう一つ紹介します。
ほら、青いですよね。
水深1m程度の砂地であれば、この青い模様とで容易に見分けられます。
メスは、ガザミにやや似ている色合いなので間違いやすいですが、ガザミのほうがザクっぽい色合いをしていまして、身体ががっちりしています。
食べ方は、塩ゆで・蒸し・味噌汁あたりが一般的なのですが、韓国料理のケジャンにし生食で食べる方法(要冷凍)は身の甘みが甘エビのようでオススメです。
タイワンガザミの生食は大丈夫なの?
結論からいうと、大丈夫かどうかの科学的データはないので、生食する際は自己責任です。
一旦冷凍するとはいえ、加熱しないで食べるというと、変に自己主張をしてくる人が絡んでくるので改めてわたしの考えをまとめておきます。
タイワンガザミは、イシガニのように内湾に引きこもっているわけではないですし、モクズガニのように河川を行き来するような特徴もありません。(モクズガニの生食は肺吸虫待ったなしでほんとヤバいよ)
だからって寄生虫がいないかというと、それは言い切れないんですよね。
海の生物でも様々な寄生虫がいますしね。
タイワンガザミについても、以前河川の汽水域まではのぼってきているものを目撃したことがあります。その個体は大潮で流れにのってきただけなのかもしれないのですが、河川で汚染されていないとはいいきれないところはあります。
タイワンガザミなどの生食について現時点で厚生労働省等でアラートがでているわけではないですが、個人的には十分に冷凍してから解凍して食べることをオススメします。
ワタリガニは生食(要冷凍)がうまいよ、といっても、危険な情報を拡散するなーといわれてしまいそうなのですが、何を食べてどうなるかはその人次第だと思うんですよね。
むしろ、人が○○だよと言ったら自分の頭で考えて行動できないで鵜呑みにすること自体が問題なのではないかなと思います。
アニサキスしかり、自然の生き物には寄生虫がいるのは前提条件なので、すべて自己責任で行動する。リスクをとりたくない人はとらなければいいし、リスクを下げつつ食べてみたい人は食べればいいと思います。
これが自分の頭で考えて行動できる大人かなと思います。
以前、ケジャンの記事をUPしたところ、SNSでほんの1名なのですが真夜中に「寄生虫がー」「マイナス20℃で24時間がー」「お前のスタンスが―」とご丁寧にクソコメを秒速で重ねてくる方がいたのですが、その方もガザミやタイワンガザミになんの寄生虫がいるかはわからないで批判していたんですよね。
意見をいうのは自由ですが、そのあとケジャンから離れて人格攻撃になりはじめたので、あーまた現れたかとおもってブロックしておきました。
長くなりましたが、まとめると、ガザミ類に人体に影響を及ぼす寄生虫がいるかどうかは不明。個体差や生息域などいろいろな要素が絡んでくると思います。
そういったことを踏まえて、自分の頭で考えて食べたい人は食べればいいし、そうでない場合はやめればいいだけです。
ただし、何度も食べた立場からすると、ワタリガニ類のケジャンはやっぱりものすごくうまいので一度は味わっていただきたいなと思うばかりです。
ケジャンって、しょうゆベースのカンジャンケジャンと辛味噌ベースのヤンニョムケジャンがあるんですが、韓国・朝鮮料理屋で食べると2000円とか余裕でしちゃうんですよね。
これが、堤防で蟹網でとって自分で作れば、まー調味料代と蟹の餌のアラ代ぐらいで出来上がります。原価は200円以内ぐらいでできるかなと。
ということでヤンニョムケジャンをつくる
ケジャンの製法なのですが、興味がある方は過去記事に2つあるのでそちらもチェックしてみてください。
基本2種類があって醤油ベースか辛みそベースなのですが、今回は辛みそのヤンニョムケジャンを作ります。
まず冷凍したタイワンガザミを用意。
家庭用冷凍庫なので-20度は出ていませんが、1か月程度冷凍しておいたものを使用。
1か月計画的においておいたのではなく、あ、そうだケジャン食べようみたいなノリです。
今回来客があったので3人分なのですが、中型以下であれば食べるところは少ないので、半身に割るとして4杯以上あるとよいかなーと。
<ヤンニョムの材料>
- コチュジャン
- サムジャン
- かどや銀印ごま油
- 白コショウ
- ニンニクペースト
- 生姜ペースト
- ナンプラー
- 砂糖
- すりおろし白ごま
- りんごor梨のすりおろし(用意するのが面倒な人はりんごジャムを砂糖の代わりにりんごジャムを少々)
これらを自分の好みでよく混ぜておきましょう。
濃くと辛さはコチュジャンで、旨みと塩辛さはナンプラーで調整するとよいと思います。
まぜ合わせたのがこちら。
いろいろ調味料を用意するのがめんどくさいという人はヤンニョムジャンだけ売ってます。a_id=643333&p_id=54&pc_id=54&pl_id=616&s_v=b5Rz2P0601xu&url=https%3A%2F%2Fsearch.rakuten.co.jp%2Fsearch%2Fmall%2F%25E3%2583%25A6%25E3%2582%25A6%25E3%2582%25AD%2520%25E8%2596%25AC%25E5%25BF%25B5%25E9%2586%25A4%2528%25E3%2583%25A4%25E3%2583%25B3%25E3%2583%258B%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25B8%25E3%2583%25A3%25E3%2583%25B3%2529%25201kg%2F-%2Ff.1-p.1-s.1-sf.0-st.A-v.2%3Fx%3D0″ target=”_blank” rel=”nofollow noopener noreferrer”>楽天市場で見る
流水解凍したタイワンガザミの尻蓋をとる。
尻蓋に隠れたエリアは水垢のような汚れや砂がついているのでよく洗い流しておきましょう。
その後甲羅を剥がす。
左右のエラをつまんでとり、口吻から続いている胃袋と呼ばれる個所を取り除き、砂を洗い流す。
(蟹味噌が流れないように注意)
蟹の爪や脚には調理ばさみで割れ目をつくっておくとエキスがでますし、爪をすするときにも食べやすいです。
タイワンガザミはイシガニよりは甲羅はやわらかいのですが、前歯で両爪を割ろうとすると、折れたりするので注意ですよ。やるなら奥歯で。調理バサミ推奨です。
幅が広い容器などで野菜類と合わせていく。
<野菜類>
- きゅうり
- 人参(なべ物用に切ったものを流用しましたが薄くきっておけばOKです)
- 長ネギ(初日に食べるのであれば水でさらして辛みをぬいておく)
- ニラ
- 玉ねぎ(同様)
- クコの実(あれば)
- ナツメの実(あれば)
- 揚げタマネギ(あれば)
これらの材料をいれてあとは混ぜるだけです。
なんどか作るとわかるのですが、ヤンニョムは多めにつくっておいて、少しずついれて味を好みに調整するとよいですよ。
さらに盛り付けるのがめんどくさいのでフライパンのまま供することに。
糸唐辛子や万能ねぎあたりをちらしておきましょう。
余裕がある場合は1日寝かしたほうが蟹のエキスがさらにしみだして、辛みそと一体化し、野菜にしみこみうまいです。
基本的に、タイワンガザミは両脚の付け根の胴部分をすすります。
茹でたり蒸したときのように筋肉が固まっていないので、チューっと甘エビのような甘みのあるプルプルな身を吸い取って食べます。
ケジャンは野菜に蟹の旨みがしみこむのでカニを食べたあとに、あったかい白飯の上に野菜をのっけてかきこむのも実にうまいです。
ではでは。
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ちょっと食べてみたいんだけど作るのめんどくさそうだなという場合はネット販売もいろいろとされているのでチェックしてみるとよいでしょう。野菜なしで500g2,000円ぐらいが相場です。