どうも平田です。ワタリガニってうまいですよね。
そのむかし平田家で蟹を食べると言ったら、ワタリガニでした。母の実家方面に引っ越してからはそれがズワイガニとかタラバガニになったものの、やはりわたしの舌に焼き付いた蟹の記憶はワタリガニなんですよね。
身はそれほどおおくないけど、脚のつけねの肉をほぐしたり、味噌をすすったり、加熱されてかたまったメスの腹子をぽろぽろ食べたり。
なつかしい。
最近スーパーでみかけるのは、比較的小ぶりのバーレーン産と中国産なのですが、国産品となると大型のものだと1杯980円ぐらいして、ちょっと買うとなると気が引けます。
このワタリガニ、どうやら東京や神奈川でもとれるらしく、せっかく引っ越したということもあり神奈川某所にワタリガニとりにいってきました。
ワタリガニの生息場所
ワタリガニハンター各位にきいた限りでは、東京湾でも相模湾でもワタリガニはいると。
釣りのポイント情報誌をみるかぎりでも、横浜のみなとみらいの赤レンガ倉庫界隈やふれーゆ裏や根岸湾でとれたりと、条件さえあえばどこにでもいるようです。
<ワタリガニをつかまえるためのポイント>
・砂地であること(イシガニの生息地とかぶるが、ワタリガニはより砂地にいる模様)
・河川が絡んでいるとよい模様(流下してくる有機物があるからでしょうかね)
・温かい季節は浅場へ来る。秋になると深場へ移動する。ちょうど6月は産卵期にかぶっている
・夜行性で昼は砂の中にもぐっている
というのが大体の情報です。
みなさんも、この条件をふまえてとりにいってみるとよいでしょう。
ワタリガニいきなりゲット!
そんなこんなで先日の深夜神奈川県下にある某磯にいってみました。
産卵期のワタリガニは満月の日にパタパタ泳いでいるとのことですが、この日は暗い夜。
目を皿のようにして、砂地に隣接する磯をさがしてみます。
水深1メートル弱。
潮どまり+海が住んでいるので海底がよくみえます。
んあ、
いきなりいたぞ。まじか。
あれ?でも、イシガニかな?
タイワンガザミかな?
でも色は青くないな(タイワンガザミは色がブルー)
でも砂の上に鎮座しているシルエットがイシガニっぽくはないぞ。
ということで、
必殺タモ網アターック!
手ごたえあり。
うーむ、いいサイズです。尻蓋を見た限りはメス。卵を抱いているようでもないので、ここは持ち帰りいただくことに。食べたことがないですが、卵を抱いている個体はあんまりおいしくないとおもうので逃がすことにしています。
持ち帰ったワタリガニの処理
ワタリガニをどうやって食べようかというときに以下の選択した思い浮かびました。
- ゆで蟹
- トマトクリームパスタ
- ケジャン(朝鮮料理です)
そういえば、3つ目のケジャンはそこいらの店でたべることも難しいですし、東京大久保界隈でもなんだかんだで2000円ぐらいするので、ここはケジャンをつくってみることに。
ケジャンには2種類あり、
ヤンニョムという韓国の味噌だれでつくったヤンニョムケジャンと
しょうゆベースでつくったカンジャンケジャンというのがあるようです。
わたしは、カンジャンケジャンを食べたことがなかったので、想像で味を再現できるのはヤンニョムケジャンかなーと思い、さっそくとりかかろうとするものの念のため冷凍することに。
ヤンニョム・ケジャンづくりスタート
翌日、冷凍庫からワタリガニを取り出し自然解凍します。
その後、尻蓋をとりのぞき、タワシ等全体の汚れをおとします。
このようにきれいになりますよ。お尻のあたりから腹子がみえますね。
ケジャンにつかわれるワタリガニの場合、この状況がもっとも旨いようです。
続いて甲羅をはずします。
うひょー。オレンジ色の卵がうまそうですね!
この工程でエラを指でむしっておきます。
この通り、エラがとれました。
自家製ヤンニョム(韓国風薬味味噌)を作る
ヤンニョムはタッパーにはいったものがコチュジャンなどと市販されているのですが自宅になかったので、作ることに。
まず、ワタリガニの卵をスプーンで取り出し別皿に移します。
ちょいと味見をしてみたところ、
こ、これは、歌舞伎町の上海好吃でたべた、バリ高上海蟹蟹の醤油漬けの同じ味だ。
濃厚かつ鮮烈な味。
以下の材料を練り合わせます。
- 味噌
- おろし生姜
- フライドガーリック
- フライドオニオン
- コチュジャン
- ごま油
- 黒コショウ
- すりおろし白ごま
- 甜麵醬(隠し味でテンメンジャン)
- ワタリガニの卵
ワタリガニの卵と味噌も投入して練りあげましょう!
これが正規の作り方ではないとおもうのですが、わたしのなかでこれは旨いだろうという設計でつくったケジャンのヤンニョムです。
なめてみると、こりゃうまい。
炒め物やチャーハンにいれてもうまそうです。
ヤンニョム・ケジャンを仕上げる
さ、ここからはラストスパ―となのですが、
まずワタリガニは先日ご紹介したイシガニとくらべて装甲が柔いのでラジオペンチで問題なく脚を割ることができます。
鍋やボールにスライスした野菜を用意します。
今回使った野菜は
- 人参
- ピーマン(しし唐でもOK)
- 長ネギ
- 玉ねぎ(必須)
- ナス(なくてもよい)
ここに殻をつぶしたワタリガニと特製ヤンニョムジャンを投入して和えます。ワタリガニの脚は4等分するのがスタンダードなようです。
また、あえる前にワタリガニにレモンをしぼってから工程をすすめると、くさみが減るようですよ。
盛り付け。
えごまの葉と韓国唐辛子(先日苗を買ったもの)を添え、
針生姜のと万能ねぎをちらして出来上がりです。
う、うまい。
味噌にワタリガニの卵のうまみがいきわたり、白飯にあう味です。韓国ではこの料理は飯泥棒的なポジションにあるようですよ。
まとめ
ケジャンは朝鮮料理屋で食べると、前述の通り結構なお値段です。
これを現地採取でまかなえばかなりリーズナブルに至福のときがすごせますよ。
腹子をもったワタリガニがとれる季節。ぜひみなさんもお近くのポイントをさがしてチャレンジしてみてはどうでしょう。
ではでは。
※今回の(いつもそうですが)調理方法ですが自己流なのでスタンダードな作り方はほかのサイトをチェックすることをおすすめします。
※ワタリガニやイシガニ捕獲については以下の記事をチェックすると道具などがわかります。