秋冬のカワハギは肝がパンパン。通称肝パンとも呼ばれます。
だいたい肝醤油で刺身で食べると思うのですが、実は味噌などと合わせて焼きものにするのも絶品です。
ということで、今回は『カワハギの柚肝味噌焼き』をご紹介します。
そろそろ熱燗がたまらん季節ですが、日本酒にもよく合う料理です。
そんじゃ、先日金田湾で釣った秋のカワハギを使って調理してみます。
カワハギを釣ったら必ず血抜きして保冷
こちら釣り上げたばかりのカワハギ。
腹回りがパンパンですね。
カワハギの肝を料理に使うときは、釣りあげてすぐにエラ部分に鋭いナイフを刺し血抜きするという点に注意を払う必要があります。
このとき、よく切れるナイフでサクッと、エラの付け根あたりをきって泳がせておくときれいに血が抜けます。
ナイフを入れる角度を胴側にかたむけすぎると肝部分にあたって崩れてしまい血がにじんだり、切断された食道経由で胃内容物の臭いがつくので注意です。
カワハギの胃腸の中身はいろんな魚のなかでも特に臭い部類に入るんですよね。
その後は、頭と胸部分の角が邪魔でジップロックなどに穴があくのでたくさん釣れたらハサミでカットして持ち帰りましょう。たくさん釣れなければ、そのままでもよいですがね。ぐすん。
それと、持ち帰り時は保冷もしっかりとしましょう。
カワハギの下処理
肝を使った料理は当日がベスト。当日に下処理してあれば翌日までは臭みも出ずOKかなと。
<カワハギの下処理工程>
- 口と角をカット、そこから全身の皮をはぐ
- ヒレをすべて切り取る
- 頭と胴を落とす。このときに内臓まで刃をいれない
- 胆嚢と胃腸を崩さないように取り除き、肝を取り外して日本酒につける
- 頭部をカットしてエラをとりのぞく
- 眼をくりぬいておく
すると、このようなシルエットに。
初日にここまで下処理をやっておけば冷蔵して翌日に料理でも全く問題ありません。
肝も日本酒に漬け込んでおけば大丈夫。むしろ身は翌日のほうが旨みが出るはず。
カワハギの柚子肝味噌焼きをつくる
こちらが日本酒に漬け込んだ肝。
釣り上げたあとの血抜き処理がしっかりできていれば、このように白い肝がゲットできるはずです。
血抜きが不十分だと、血管に血が残っていたり、持ち帰り時に褐色になっていることもしばしばなので、注意したいですね。それでも旨いものの、やっぱり雑味があるのは否めません。
肝を日本酒とみりんと混ぜ合わせた状態。
裏ごしをするか、木製のスプーンの腹部分で押しつぶすと、血管部分が分離してくるのでこれは取り除きます。
ここで柚子皮の登場です。
生が手に入らない場合はこのように乾燥したものをつかっても大丈夫です。
これをはさみで細かくカットして、以下の材料と混ぜ合わせる。
<柚子肝味噌の材料>
- 砂糖
- みりん
- 日本酒
- 味噌
ゴリゴリゴリ。
はー、ゴリゴリゴリと気が済むまで混ぜ合わせておきます。
アルミホイールもしくはこのようなBBQ用のアルミ容器にカワハギを盛り付け、肝味噌を半分ぬる。
で、魚グリルかオーブンで焼く。
強火だと一気に味噌が焦げるので注意です。
オススメは中火で味噌をやや焦がしたあとに、半分残しておいた味噌を再度塗り、再度炙るという技。
こうすると香ばしさにくわえて、クリーミーな食感を楽しむことができます。
あとはネギあたりを飾り付ければよいんじゃないかなと。
柚子の代わりに、乾燥させておいた木の芽を刻んでいれてもよいと思います。
味は・・・
濃厚な味噌に柚子が爽やかで、カワハギの白身の旨みも十分いかされている状態。
白いご飯をがほがほかき込める味。
酒好きの方におきましては、この料理は熱燗が一番合うんじゃないかなと。
安酒の心にしみいる秋の夜長。
一度試してみてください。
ではでは。
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今回の柚子皮は自家製ですが、フリーズドライのきざみ柚子があると何かと便利です。冷凍うどんをチンして、関西風うどんつゆにきざみ柚子。なにかとしみいる秋ですね。