人間は常に問いをもっている生き物。
釣り人も一緒です。
今日も世界では多くの問いが生まれ、答えが見つかっています。
そんな中、インターネットでは確かではない答えがいろいろと流布され、それがまことしやかに拡散されたり。
そんな、ウェブ上に転がっている『釣りのなぜ?どうして?』について、釣りメディアORETSURI編集長の平田が勝手に回答する本シリーズ。
今回は、Yahoo!知恵袋から以下の内容について回答します。
今回の質問
初心者でもないのに1万円未満の安物タックルばかり使ってる人いるけど、何が面白いのでしょうか?もう少し高いタックルが欲しいとか使おうとは思わないのかな?
出典:Yahoo!知恵袋
<平田の回答>
今回のお悩みは、たぶん釣り道具にお金をかけている人からなんだと思います。
ダイワ党なのか、シマノ派の極右なのかはよくわかりません。
日々汗を流して、稼いだ金でこれだと思う高級釣り道具を買って釣りにいく。楽しいひと時ですね。
すこしインサイトで、質問者さんの思考回路をたどってみましょう。
まず、
よくいく釣り場で、あきらかに安タックルをつかっている人にしばしば出会う。
「ほーん、よくみてみると、身のこなしなどは初心者でもなさそうだ。でも、なんであんな安竿つかってんだろ。ベテランならもうすこしいいロッドをつかえばいいのにな、わ、釣りやがった。デカ。なんでだよ悔しい。俺の竿は○○だぞ!高いタックルつかってんのに、ふざけんなこのやろー。なんでだよー。」
釣り場にいくと、魚のことではなく他人のタックルが気になってしまう事例は他にもあります。
たとえば、カワハギの船釣りに行く。
「お、あの釣り師はシマノのステファーノだな。お、右隣りは極鋭○○か。ははーん、やるな、ダイワ党か、仲間だな。あーそれにひきかえ、となりの釣り師はプロマリンのバトルスティックときたか、あれじゃカワハギのあたりはとれんだろ。ま、オマツリされないように気をつけないとな。」
と、
いずれにせよ、釣りにいくごとに、『釣りを楽しむ』という目的よりも他人のタックルが必要以上に気になってしまって、こっそり毎回イライラしてしまう釣り人の方からなんだと思います。
とはいえ、その気持ちもなんとなくわかります。
というのも、釣り道具メーカーも巧みなので、釣り道具を際限なくリリースし、そこに細分化してグレードをつけていきます。
入門者用、ベテラン用、エキスパート用。超エキスパート用。
ザク、ドム、グフ、ゲルググ、シャア専用ゲルググ、ジオング。
だんだん素材がよくなり、外装もよくなり、マーケティング費用もそこにのっかっていく。
機体によってはニュータイプでしか操縦できないようなものも出てくるわけです。
すると、釣り人が今度は道具に釣られるようになってくるわけです。
もともと釣り道具の細分化とグレード化は『魚をよく釣るため』にあるはずです。
よく釣るとは、
- たくさん釣る
- 大物を釣る
- 釣趣を味わう
だいたいこの3つに集約されるかなと。
こうした目的がもともとありながらも、だんだんと高級釣り道具をもつことで、やがては陸上にいる人の道具が気になり、ディスりはじめる。
何が面白いのでしょうか?もう少し高いタックルが欲しいとか使おうとは思わないのかな?
このあたりとかは、多くの人が「知らねーよ、そんなの人の勝手だろボケ。寝てろよ」と、思うような言説だとは思うのですが、それをいっちゃあ御終いだよおいちゃん、と、わたしは思うんです。
「何が面白いか」
これは、その家庭における限られた予算で選んだ道具で、狙った魚を釣る喜びなんだと思います。
むしろ、何が面白いかは人によって異なるので、高級タックルをつかって魚を釣る楽しみを人に押し付けてはいけないのではないでしょうか。
「もう少し高いタックルが欲しいとか使おうとは思わないのかな?」
これは、欲しいと思っていても世の中には買えない人がることや、そこに投資するのであれば、もっとリターンの大きいところに投資したいというようなニーズなのかもしれません。
いずれにせよ、せっかくの余暇を利用して楽しい釣りをしたい気持ちは、釣り人全員に共通したものだと思います。
質問者さんは、きっと『できるだけお金を使わないで楽しむ喜び』の存在を知ると、もっと豊かな釣り人生を送れるんじゃないかなと思います。
他人の『釣り竿』を気にするものは自分の『釣り竿』に自信がない。
これは銭湯や温泉などにいっても同じです。
人生はあっという間に終わってしまいますので、他人がどうこうではなく、自分の釣りを存分に楽しめばよいと思います。
ではでは。
※質問がないとエンドレスでYahoo!知恵袋の質問を勝手に回答していく仕様です。