梅雨は真夏よりウナギが釣りやすい季節な気がします。真夏になると、河川の状態にもよりますが水温があがってウナギの活性も今一つになるような気も。
今回は釣りあげたウナギの泥抜き中に出現した「そろばん状の異物」の謎について書きます。
ウナギの泥抜きについて
まずウナギの泥抜きについて考えてみると、ウナギの泥抜きは調理時に内臓を傷つけなければやらなくてもよいかもなと感じる部分もあります。
ウナギ業者の話では、流水を当て続けるとバクテリアが少なくなり独特の臭みが薄れるともいわれています。
実際に泥抜きをしていると、口からは未消化のエサを、肛門からは糞尿がでてきて水が濁りかなり臭くなります。が、筋肉(脂肪)にしみ込んだニオイがそう簡単に落ちるかというとそうでもなさそうなのです。
泥抜きの最大のリスクを考えるとしたら、ウナギが死ぬという点です。釣れたウナギは大方針を食道や胃まで飲み込んであがってくるのですが、この扱いによって意外とあっさり死にます。
生きているときに生命力が満点のうなぎも、泥抜き中にコロッと死ぬこともしばしば。
これは、エアーポンプの有無、水の濾過や、カルキの有無、光や衝撃などでのストレスの有無など多くの要因があるのですが、まー死にます。
生きたウナギをさばくと自動的に放血させて調理できるものの、死んだウナギは筋肉に走る血液のニオイがまず変わるののです。また、内臓部分や食道の裂け目(針傷)から餌の残りが消化液ともども飛び出て、身に腐敗臭をしみつけるわけです。あれは本当に臭い。
ウナギが吐き出す「そろばん」状の異物の謎
こちら持ち帰ったウナギたち。
このウナギなのですがかなり餌を豊富に食べていたようで、持ち帰ったそばから威勢よく餌をはいていました。未消化の魚だったり、今回釣りえさにしていたドバミミズだったり。
それと謎の物体。
それがこのそろばん状の物体です。全体で5つありました。
さわってみると、タコの吸盤のような感触。
こないだタコの下処理をした名残かな、いや違うよね。
そういえば過去にもみたことがあるような。
ウナギの体組織なんだろうか。いや、ウナギにはこんな器官なかったよな。
寄生虫かな。
餌にしたドバミミズの身体の組織にしては直径が倍ぐらいあるし。
謎。
謎。
ひたすら謎。
【教えてTwitter】
釣りあげたウナギが吐き出すこのソロバン状のものはなんですかね?全部で5つありました。タコの吸盤みたいな触感で pic.twitter.com/ygCTS7Avls— 平田 剛士@ORETSURI (@tsuyoshi_hirata) 2019年6月17日
こういうときはTwitterだなと思って聞いてみたところ、いろんな意見をもらえました。
「ドバミミズの生殖腺では?」
「ボラのへそでは?」
「ヒルでは?」
などなど。
ググってみても答えが出てこなかったので、実際にウナギをさばいてみたのです。
さばいてみたら、かなり胃が膨れてますね。
こちらがウナギの内臓。
胃袋をやぶってみましょう。ふぅ。ものすごく臭い。
ウナギとアナゴの胃袋の中身はけた違いの悪臭だったりします。
小魚とドバミミズの残骸がちらほら。
む?
オタマジャクシのようなフォルムだけども。
よくみるとこの小魚群が怪しげで。
手に取って胃腸の部分をチェックする・・・
あ、これだ。
そろばんっぽいな。コリコリしてる。
このように、そろばん状の器官がそろったわけです。
要は、ウナギが食べていた子ボラのへそ(幽門)だったわけですね。子ボラにも立派な逸物があるわけです。はじめてしった。
どのウナギもこのボラを大量に食べていたわけなのですが、このへそ部分だけ消化できず吐き出していたのでしょう。
謎がとけてスッキリ。
この釣り場でいつもウナギ釣りをしているおじさんが、ボラの幼魚を釣ってぶつ切りにして餌にしていたのは経験からくる特餌だったのでしょう。
今年はこの河川に稚鮎があまり見られないものの、ボラっ子はかなりいて、夜間に浅場に群れでよったものを、ウナギが追いかけて食べているようなシーンを考えると胸熱。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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