釣りあげたマゴチを冷蔵庫で熟成させたあとに竜田揚げにした様子をお送りします。漬け込み汁にこだわりがあり、ぜひチャレンジしてほしい白飯かきこみ系レシピです。
竜田揚げと唐揚げ
タツタだろ、タツタっていったらチキンタツタでしょ。俺は唐揚げのほうがいいなー。マスターハイボールに唐揚げで。そ、ハイカラで、てへぺろ。ってな具合に竜田揚げを侮っている人がいるのかどうかはわかりません。
むしろ唐揚げと竜田揚げの違いってなんでしょうね。
諸説ありながらも、竜田揚げは揚げ色が赤褐色で奈良・竜田川のもみじに見立てての雅な命名らしいですよ。じゃあおい、唐揚げとの違いはなんなんだよ。ってな疑問なんですが、唐揚げはもともと「空揚げ=衣なしの素揚げ」を指していたのが中華っぽいよねってなことで「唐」になったという説があるようです。
いずれにせよ、正確なところを知る人は誰もいないと。
いいでしょう。本物の竜田揚げをみてやりますよ。
マゴチを漬け込もうよ。そうしようよ
奥の個体は血が回っていたようで
ハラスは思い切ってカットして別の料理に
大型のサク。こちらは血が回っていない
中型のサク。血合いの色が赤いですね
用意したのはマゴチのサクです。
手前の個体は血が回ったのか血合いが赤いですね。数日寝かしたものです。マゴチの身は鶏肉に似ているのでチョイスしていますが、白身でも赤身でもなんでもいいと思います。揚げれば正義。
マグロでもイナダでも、ベラでもゴンズイでも揚げてしまえば同じですよ。
炎と油による魔法。
それが「揚げ物」です。
めそめそするなよ。俺について来いよ。
揚げればわかるさ。
・・・
さて、今回の竜田揚げですが、一応記事として体裁を整えるために、下味を工夫しています。
極秘ダレです。
メモの用意はよろしいか?
こちらの調味液である。
- 塩こうじ
- 生ニンニクすりおろし(ちゃんとツブからすりおろす)
- 生ショウガすりおろし(こちらもちゃんと根ショウガをすりおろすんだ)
- ナンプラー
- しょうゆ
- コショウ
「この漬け込み液がすごい2019」堂々の優勝作品です。
すりおろし系調味料は瓶詰めなどが便利なんですが、風味という点で5段階ぐらい差がつくので、ぜひすりおろしましょう。
うちの母親の和子が運動会の前に唐揚げを仕込んでくれたんですが、このときに、生ニンニクと生姜をすりおろして鶏もも肉を漬け込んであげてくれたんです。あれが旨かった。一晩漬けこむことで、鶏の臭みがぬけ、肉が柔らかくなり、味がしみこむと。
マゴチのサクは大きめにぶつ切りにしましょう。
50cmぐらいの個体からとれるサクであれば三等分ぐらいがよいです。一口サイズにするよりは、ちょっと豪快にする方が肉を食ってるなーという実感が出てきます。
そして、秘伝の塩麹ダレをかまして和える。
冷蔵庫にいれて漬け込みましょう。ほんとは一晩ぐらい置いたほうがいいですが、やりすぎると水分と一緒に身のうまみも抜けるので注意です。
マゴチ・タツタを揚げようよ。そうしようよ
片栗粉をまぶす。
みょうがの素揚げで油温を確認。ヨーソロー!
揚げ油は、サラダ油と濃い口ごま油を1:1。サラダ油オンリーでもよいですが、強めのごま油をいれることでパンチが効いた香ばしさで仕上げることができるんです。まー、だまされたと思ってやってるよろし。
あとは中温で揚げる。
あんまり油温が高過ぎると表面がいっきに焦げるので注意。
みょうがの素揚げもバッチコイ。
どれぐらい揚げるのか?
これはですね、油に浮き上がったらというのが一つの正解です。重要なのは表面がきちんと赤茶色になっているという状態です。
この通り、揚がった。
盛り付けはシンプルにレモンと。パセリあたりの緑があってもいいですね。
UPでみせたろか?
みるからにカラっと揚がってますね。
ずん!
ずずん!
味は・・・
「なんだこれは!連邦の竜田揚げは化け物か!?」
竜田揚げ業界に革命が起きたというか、これは魚なのかという深い味わいです。
ふむ。鶏の竜田揚げにように似てる。が、鶏肉のようなヘビーな脂がなく軽い。
一方、適度に衣をへてしみ込んだごまの香油が塩麹の旨みで武装したマゴチの身に援軍を送りつつ、舌の上で鶴翼の陣を敷き一斉攻撃を仕掛けてくるような。気づいたらニンニクと生姜のすりおろしから降り注ぐ矢の雨によって勝敗が決している…
「この勝負、西軍の勝ちである」
もう何をいっているんだか自分でもわからない。
でもね、本当にうまい、うまい、うまいよ。うますぎるよ。
と、いう具合に、ものの2分ぐらいで戦艦並みの白飯が亜空感に消滅。
そして、訪れたのは圧倒的な幸福。
竜田揚げいいなー。VIVA竜田。
マゴチはほんといい魚だなー。
きっと状態のいいスズキでも同じような仕上がりになるんだろう。
こちらは花椒塩。
中国山椒にヒマラヤピンクソルトをすり入れたこじゃれた一品。
これをつけると、爽やかな刺激がうまれてまた違った美味しさが。
マゴチの竜田揚げ、略して「マゴチタツタ」ですが、見ての通り物凄くオススメなので、ぜひ調味液からつくってみてください。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
▼鶏からや魚の揚げ物に、花椒塩をつけるとなお旨し。はじめから混合タイプもありながらも、「塩を○○にしてみたんだ」などと蘊蓄を調味料にするのもよいもんです。
▼だまされたとおもって一本買ってみてほしいかどや銀印。香りが違う。