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「船釣りのエサ釣りにはリーダーが必要なの?」漫画家・佐藤秀峰さんの疑問に答えながら感じたこと

貸し竿のPEラインはほつれている

今回の記事は「船釣りのエサ釣りでPEラインだけでやるか、リーダーを組むのがよのか。メリットやデメリット」について解説します。もともと漫画家・佐藤秀峰さんの投稿に回答していたものですが、海のルアー釣りを経験してから船のエサ釣りをはじめる多くの人がたどる道かもしれません。みなさんの参考になれば幸いです。

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釣りも慣れると当たり前が増えてくる。「選択理由」を言えるか

釣り船からの風景(本牧)

釣りって慣れてくると、今まで疑問に思っていたことが当たり前になってしまうものですね。ものごとは、なんでもそうなのかもしれませんけども。

また、釣りを学んでいくなかで、「○○は▲▲をつかう(のが当たり前)」という具合に、特に理由を理解しないでその教えを守っていることもあったり。

「○○の釣りは240cmのロッドが一番いい」

「○○の錘は〇号が基準」

「○○の釣りは○○針がいい」

などなど。

釣りをしているベテランの友人・知人がいたりすればこのような話はたぶん頻繁に聞くはずですし、単独釣行でも、船釣りであれば船長や中乗りのスタッフから、断定的な表現で助言・指示されるはずです。

こういった定説のようなものは、多くの人の知見が最適化されたものであって大体正しかったりするんですが、それに対して鵜呑みにするよりは、「これこれ、こういった理由でこうしている」と自分の装備やアイテムが説明できるほうがなんとなく自律的な気がします。

「自分はこのように考えていて、だからこれを使っている」

こういうスタンスでもし釣りをしたい人がいれば、釣りにまつわるいろんな物事も、「なぜ・どうして」を考え自分で答えを出しながら楽しめばよいんだと思います。

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「船釣りのエサ釣りってPEでもノット組まなくてもいいんですか…?」について

今回は、もともと漫画家の佐藤秀峰さんがFacebookページにUPしていた疑問への回答からはじまっています。

佐藤さんはおかっぱりから釣りをはじめて、船の釣りや料理も楽しんでいるようです。

えーと…、船釣りのエサ釣りってPEでもノット組まなくてもいいんですか…?

船釣り用のロッドを買ったら、結束部分がガイドに引っかかるので、ネットで調べたら「PEを直接スベイルに結べばいい」と書いてあるのを見つけて、信じていいのかよくわからなくなりまして…。

ルアーの常識しか知らず、だったらPEを使う意味なくない?と思ったり。。、

素人ですいません。。

こちらが佐藤さんの疑問。

コメントでわたしも回答していたのですが、おかっぱりの釣りやルアー釣りから船のエサ釣りをはじめる場合に同じような悩みを持つ方もいるだろうなーと思い、この記事で回答しておくことにします。

こういう素朴な疑問、釣りをすると多くの人がたどる道や壁に対して、上から目線ではなく、できるだけやさしく親しみすく回答するのが、このサイトの役目だと感じています。

さて。

現在の船釣りシーンではPEラインを道糸に使うのが一般的ですね。

ルアー釣りの場合は、ほぼフロロカーボンなどのリーダーが必須。ではエサ釣りとなると、人によって異なります。

結論を言えば、大体のライトなエサ釣りはリーダーを使わなくても大丈夫です。つかわなくても何とかなります。が、使ったほうがよいシーンというのがやはりありますので後半で説明していきます。

ルアーの常識しか知らず、だったらPEを使う意味なくない?と思ったり。。、

これ、たしかにそう思いますよね。

PEラインがなぜ船釣りで利用されるようになったかというところから説明していきます。

PEラインが登場する前はナイロンライン(第二次大戦後)などで沖釣りをするのが一般的だったわけですが、ナイロンだと伸びやすく、オモリの着底やタナ(魚がいる層・狙う層)がとれないわけです。また強度を出すために、太くなるわけですが、そうなると潮受けしてしまったり。

すると、対策としてPEラインを道糸につかうよりも、重いオモリを使う必要がでてきたり。重いオモリを使うと、当然、ロッドやリールへの負荷が高くなるわけで何事もごっついタックルをそろえる必要があったり。

沖釣りの場合は、ルアーでもエサでも基本的には船の直下を釣ること多く、この「タナ」をとれるかどうかが釣果の命運を握ります。

PEライン(PE=ポリエチレン)の登場により、より細いラインで強度を出せるようになり、潮受けもしなくなり、かつ伸びが少ないので着底なども取りやすくなったわけです。

ライン自体に色を塗ることも容易なので、1m、5m、10mなどの着色によって、タナを把握するのも容易です。

が、PEラインにもデメリットがあり、そこを補うためにフロロカーボンやナイロンのリーダーを使うほうが良い釣りもあります。

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エサ釣りでリーダーを使うメリット

角で釣れたカワハギ

エサ釣りの場合、リーダーをつけると、だいたい以下の6つのメリットがあります。

  1. 釣り竿の穂先にPEラインが絡むことを防ぐ
  2. スナップサルカンとの結び目が強くなる
  3. 根周りなどの場合、根ずれに強くなる
  4. 急なアタリ・強いアワセ・歯の鋭い魚のアタックでPEラインから高切れしにくくなる
  5. PEラインよりフロロカーボンの方が目立ちにくく、魚に違和感を持たれにくい(かも)
  6. ナイロンリーダーを使うことにより、あえて感度を落として食い込みをよくする

1.釣り竿の穂先にPEラインが絡むことを防ぐ

PEラインでも特に細い号数(~2号程度)のものはコシがなく、濡れると釣り竿の穂先に絡みつきやすい特徴があります。たとえば、カワハギ釣りでは潮受けを減らし感度をあげるために1号以下のPEラインを使うことがありますが、リーダーを使わないとかなり穂先にまとわりつきます。

これは穂先のガイドやその脚の形状や風の有無や強さにもよりますが、ガイドにPEラインが絡むと、その絡みをほどいて仕掛けを落とす時間が増えてしまうわけです。

釣りでは「手返しが悪くなる」とよばれるものですが、1日船がたとえば実釣7時間程度として、20回穂先がらみが生じたとして、ほどくのに1分かかれば20分、2分かかれば40分と、チリツモで釣りをしている時間がとられてしまうわけですね。

その点、やや太目のフロロカーボンなどをリーダー(先糸)として結んでおくと、ラインが穂先に絡むことがすくなくなりますし、絡んだとしても細いPEラインよりは簡単にほどくことができるため手返しが良くなります。

2.スナップサルカンとの結び目が強くなる

船釣り、それも乗合の遊漁船では天秤などの仕掛け類と道糸をつなぐのにスナップサルカンを使うのが一般的です。

これも直結でいいんじゃないかと思うわけですが、乗合船の場合、オマツリをしたときにいち速くほどくということが重要です。自分で対応する場合、ハサミで仕掛けや道糸をカットしてしまえば収拾は速いのですが、中乗りスタッフや船長がサポートしてくれる場合もあります。

このときに、スナップサルカンは簡単に仕掛けを取り外せるので、ハサミを使わないでオマツリをほどくのに適しています。

が、このスナップサルカンに細いPEラインを結ぶと、何かの拍子に結び目からきれてしまうこともしばしばです。これはPEラインに伸びが少ないからという点と、PEラインは結び目が弱いという弱点があるからです。

そこで、フロロカーボンやナイロンのリーダーを使うと、サルカンとの結びが強くなり、根がかり時に天秤などの仕掛けが全損するのを防いだりします。スミイカのテンヤやタイラバ(これはルアーですが)などはキャストすることも多いのですが、0.8号程度のPE直結でキャストミスでバックラッシュした場合、高頻度で結び目からぱつんと切れてしまいます。

3.根周りなどの場合、根ずれに強くなる

PEラインはポリエチレン繊維を束ねたものを、4つ8つという具合により合わせて作ったより糸です。

最近ではコーティングされて繊維がむき出しではない製品も販売されていますが、基本的に繊維が目で見てとれるPEラインがほとんどです。

浅場の釣りで、たとえば、メバル・カサゴなどの釣りの場合、根回りと呼ばれる岩礁帯エリアで釣ることが一般的です。ヒラメもポイントによっては根回りを狙います。

たとえば胴付き仕掛け(オモリが下にあって、その上に枝針がある)で仕掛けを縦にして釣っていたつもりでも、潮によって流されて、PEライン部分がたるみ複雑に隆起する岩礁帯や人工漁礁などに擦れたりすることがあります。

このとき、PEラインでサルカンに直結していると、サルカン上部分がこすれて、繊維が削れやすくなってしまいもともとの強度を維持することが難しくなってしまいます。

また、いざ魚をヒットさせたあとに、その魚が根にもぐったり、根にラインを巻くこともしばしばです。このとき、PEラインで直結しているよりも、フロロカーボンリーダー(製法・種類によって摩擦への強さがことなる)を結んでおいたほうが、結果的に魚を釣り上げられる可能性が高まるわけです。

4.急なアタリ・強いアワセ・歯の鋭い魚のアタックでPEラインから高切れしにくくなる

船釣りで釣ったタチウオ

PEラインは劣化しにくいラインのため、巻きっぱなしでしばらく使う人も多いのですが、しばらく使っているとラインがいつのまにかほつれたりすることもしばしばです。

特に1号以下のラインの場合、急なアタリや強いアワセのときに仕掛け部分ではなくPEラインから高切れすることもあります。

たとえば、サイマキやメゴチで狙うマゴチのエサ釣りや、スミイカテンヤやスッテの釣りは、合わせたときに、ラインやロッドにかなりの負荷が生じます。

この時、リーダーを結んでいると瞬間的なショックを吸収するためPEラインからの高切れが少なくなります。

※マゴチやスズキの場合、エラ蓋や鰭が鋭いので合わせてからしばらくして巻かれたのか、PEラインから高切れすることもあります。水中でどうなっているかわかりませんが。また、タチウオのエサ釣りなどでは、いざタチウオを釣りあげるときに、同タイミングに釣りあげた隣の釣り客のタチウオの歯に道糸があたって高切れするのを防ぐことができます。あくまで同タイミングでの話ですが。

5.PEラインよりフロロカーボンの方が目立ちにくく、魚に違和感を持たれにくい(かも)

PEラインは着色され透明感が全くないラインのため水中で魚に違和感を持たれやすい可能性があります。

魚がラインをどれぐらい認識しているかはわかりませんが、PEラインよりは水中に溶け込みやすいフロロカーボンリーダーの方が魚からは違和感をもたれにくいことが想定されます。

仕掛け(天秤・胴付き)から出ているハリスが短いときに、エサによってきた魚とPEラインはより近くなるはずです。このときに魚はもしかして、水中に直線的にのびるPEラインに違和感を持つかもしれません。

また、「この違和感を持たれているかも」と釣り人自身が思うことは、様々な釣りの疑心暗鬼につながり、やがて集中力の低下や、空回りにつながり、釣れない原因になることもしばしばです。

6.ナイロンリーダーを使うことにより、あえて感度を落として食い込みをよくする

船竿もカーボンロッドが主流になって、高価なものほど、カーボン含有率が高く感度も良好なことがほとんどです。またガイドの種類やリールシートなども魚のアタリや仕掛け周りの様子を敏感に察せるものが出ています。

カワハギの釣りなどではこのような高感度が求められていますが、たとえば感度をあえて落としたほうがよく釣れる魚もいます。

たとえばイシモチは、狙って釣るとアタリが明確なのですが、餌のアオイソメの端っこからしゃぶるように飲み込んでいきます。しゃぶるという表現が的確かはわかりませんが、イシモチの口には小さな歯があって、アオイソメを丸ごとのみこまず、少しずつ飲み込むときにこの歯にイソメが引っかかっているのではないかと思うことも。

このイシモチのアタリは、グングン、グングン、ググググンというように続くのですが、比較的沖釣りのなかでもアタリがデカイ魚なので、最初の方のアタリで合わしてしまいがちです。

が、アタリがデカくても、実際は針部分まで食い込んでいないこともしばしば。

イシモチの場合、びっくりして合わせないように、魚に違和感をもたれないように、あえて、竿自体をかなりやわらかい胴調子(6:4)の竿にしたり、道糸をナイロンラインにする方法が知られています。

一方、この釣りのためだけに、胴調子の竿やナイロンラインを巻いたリールを用意するのが面倒でもあるときに、PEラインの先端にナイロン5号をリーダーとして、1.5~3mぐらい結んでおくと、イシモチの食い込みが良くなります。

余談:佐藤秀峰さんの悩みはむかし自分が感じたものだった

ご存知の方もいるかもしれませんが、佐藤さんは、釣りをはじめてからnoteに釣りという趣味について率直に感じたことを書いています。

釣りをしていて考えたこと

わたしも海釣りについては本格的にはじめたのはまだ5,6年ぐらいなのですが、佐藤さんが釣りという趣味に感じていることはよくわかるなーと思っています。

なぜ世界は初心者に優しくないのでしょうか?昨年末、思い立って「釣り」を始めてみました。これまで「趣味は何ですか?」と質問されても、「何ですかねぇ…?」としか答えられなかった僕ですが、何か趣味と呼べるものが欲しくなりまして。で、今住んでいる家は海が近いので、とりあえず「釣り」。

たしかに世界は初心者にやさしくないですよね。

特に釣りは奥が深すぎる底なし沼のような趣味でもあるので、どこから説明していいかわからないというもあるかもしれません。また、釣りは一人でも成立する趣味のため、釣り場では他人とコミュニケーションをとるのがうまくない人と遭遇することもしばしばです。

この

  • どこから説明していいかわからない
  • 説明する力がない人が多い(コミュニケーションが不得手の人も多い)

という点に加えて、釣りの世界では物事をマウンティングしてしまう人が登場しがちです。

ネットでも釣りに関する些細な投稿や疑問に対して、斜め上から、ナッツシュートみたいなのがびゅんびゅん飛んでくるわけです。

特に大人になってから釣りをはじめるのは、子供の頃にはじめるより、かなり難易度があがるハードゲームかもしれません。

「初心者」という状態は、誰もが一度は通ってきた道ですし、或る釣りのジャンルに精通していても、ジャンルを変えればいつでも「初心者」になるわけです。

そういったことを踏まえて、釣りもベテランになるほど、他者にやさしくなりたいものだなーと思うばかりです。

人の悩みに歩み寄って説明するという行為。

これは自分の中でも蓄積された経験や考え方を整理して他者がわかるようにアウトプットすることだと思うのですが、おしえるということは、自分が教えられていることなんだろうなと改めて感じました。

ということで、自分のなかでもなんでリーダーを使うかがしっくりしています。

人にやさしくっていうのは、もしかして、自分にもやさしい行為なんじゃないかと思ったり。

平田(@tsuyoshi_hirata

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ABOUTこの記事をかいた人

平田 剛士

ORETSURI編集長。釣り歴30年ぐらい。いつの間にか釣りメディアをはじめていたもので人生不思議だなーと思っている今日この頃。 口癖は「釣りはいいよねー」