昨年、高知でアカメを追った。
1週間の釣行予定が、台風の影響で4日間の日程となったが、最終日、最後の最後でアカメに出会うことができた。
今年は仲間のリベンジと、もっとはっきりとアカメを写真におさめたいという気持ちがあった。
去年、私がアカメを釣ったとき、夜間だったため写真に満足できていなかったのだ。
だからそのリベンジであり最大5日間の予定を組み、それぞれの目標が達成された時点で終了と決めて釣行した。
釣り場の環境は去年の様子からわかっている。2週間前から入念に準備を進めた。
私とりょう氏・こうた氏の3人体制で狙う。
京都駅集合 まずは腹ごしらえ
りょう氏・こうた氏は京都寄りの大阪在住ということもあり、私は新幹線で京都へ行き車の彼らに合流した。
まずは腹ごしらえから。
2人のオススメ、「ラーメン 一作」へ。
頼んだのは超濃厚こってりラーメン レベル神
スープが汁というよりもタレ状。粘度でいうと麻婆豆腐くらい。味は抜群だがとにかく重い。
ご飯には最高に合い美味しかった。やっぱりラーメンは正義!
3人とも満腹になり満足。高知へ。車で4時間の道のりだ。
運転は2人にお願いして、私は後ろでゆっくり休んだ。
高知到着。アカメ狙いの餌確保と計測手伝い
まだ暗い夜中の3時頃に現地へ到着。
昨年知り合った方から、現地にいるけんしん氏に連絡してもらったようで初対面ながら隣に入れて頂くことになった。
準備を進めながら話を聞くと昨晩アカメが釣れたようだ。明るくなってから計測するために今は繋いであるとのこと。期待度が高まる。
セッティングを終えて明るくなるまで待機する。
日が出て辺りが見えるようになってから早速餌を確保するためにフカセ釣りをスタート。
場所作りのためにコマセを多めに入れて用意する。
コマセと同調させて仕掛けを流していくと15分ほどで浮きが消し込んでいった。
立派なチヌだが、当地ではアカメのエサになる
首を振りながら重々しく抵抗してたが、やがて力果て浮いてきたのは45cmほどのチヌ。
ちょっと餌には大きいかなー。そう思いつつも一応ビクに入れてキープ。
りょう氏にもアタリがあり同サイズのチヌをゲット。
初めてのチヌとのことで喜んでいたのも束の間、次の瞬間には針に掛けて泳がせていた。
ここでけんしん氏から計測を手伝って欲しいと言われ快く承諾。チヌ釣りを一旦中止して計測を手伝う。
ロープを手繰り寄せると巨大なアカメが浮いてきた。
5人体制でシートを敷き水で濡らす。そこにアカメを横たわせ写真撮影。
ひたすら水を組む人、水を掛け続ける人、カメラを構える人、撮影補助と役割分担し迅速に計測と撮影を済ませる。
このサイズの魚になると酸欠にはとても弱く、陸では自重で内臓を気づ付ける心配もあるのだ。
体高も厚みもすごい立派なアカメである。
一年ぶりの再会。
今年も自分たちの魚からでは無かったがやっぱり嬉しい。やっぱりこのアカメに会うためだけに高知まで来ているのだ。
けんしん氏も初めてのメーターオーバーとのことで入水撮影。
水中では更に大きさがよく分かる。デカい。本当におめでとうございます!
まさかの一投目でアカメが!
けんしん氏が釣りあげたアカメは、元気を取り戻すとすぐに泳ぎだし、ゆっくりと消えていった。
迅速な計測と丁寧な扱いが功を奏したようだ。
元気に帰っていった姿を見送り一安心。私達も更に気合が入った。
計測の片付けを始めると何やら様子がおかしい。
りょう氏が泳がせていたチヌが見当たらない。
・・・
竿には少し重みが乗っているようだ。
根掛かりの可能がもあったので、りょう氏は竿を取り確かめる。
糸を張る。
すると、確かな生命感を感じたようで、大きくアワセる。
アカメが居食いしていたのだ。
りょう氏の「来ました!!」という叫び声と同時に巨大なアカメが飛び上がる。
ドラグを締めこんだはずのリールからはラインが滑り出る。
改良したクエ竿を絞り込み、アカメは暴れ回る。それを上手くいなしながら確実に追い込む。
数分で決着はつき、横たわるアカメをタモに押し込むと大きくはみ出した。
とても1人では持ち上がらない。
3人掛かりでやっと陸に上げるとなにやらすごく大きい。
昨年の私の130cmを上回る134cm
その魚体は老成魚を思わせる傷痕と体色。問答無用に巨大。
昨年の雪辱を果たした!本当におめでとう!
ビニールシートのまますぐに海に運び水中撮影。
夢中でシャッターを切る。自分のことのように嬉しい。来てよかった。
巨大な口。45㎝のチヌをひと飲みにするのも納得。
巨体を支えると、しばらくしてゆっくりと泳ぎだし消えていった。
りょう氏、初日から目的達成である。
残りの日数どうするの?と聞くと、買い物など率先してやります!とのこと。
その言葉通り遠征中の買い物は全て引き受けてくれた。ありがとう(笑)。
フカセ釣りで餌を確保。仲間と再会
リリース後は、引き続きフカセ釣りでチヌを狙う。
先ほど撒いたコマセが効いているのかすぐにアタリがきた。
そこからは5投に1匹くらいペースで釣れ続いた。
すぐに10匹ほどを確保して餌はOK。
11時くらいになると、去年私が釣ったアカメのランディングを手伝ってくれたやまちゃんが来てくれた。
事前に連絡を取っていたが弾丸で高知まで来てくれたのだ。
去年からたまに連絡を取合い、名古屋出張の時にはわざわざ岐阜から駆けつけてくれて一緒にお酒を呑んだりしていた。
こういう繋がりってすごい嬉しいね。
釣りの話、魚の話などいろいろ話し込んだ。
夕方になるとやまちゃんからフカセ釣りを見せてくれとリクエストがあり、灼熱の中フカセ釣りを開始。
実はこの時点で相当な日焼けをしていて、これが後に大惨事を引き起こすことになろうとは思いもよらなかった。
フカセ釣りは相も変わらず順調で20㎝~35㎝ほどのチヌがポンポン釣れる。
ここでせっかくなのでやまちゃんにパス。
すぐにチヌをゲット。
ハマったようでしばらくやってた。
夕方になるとルアーを投げに行くとのことで流入河川に向かっていった。
2本目のアカメがヒット
辺りは暗くなり、私は35㎝ほどのチヌを泳がせていた。
日中の猛暑で体力を消耗したせいで、夜8時頃からウトウトし、やがて堤防に横になった。
リュックを枕に、空を見上げると星がものすごくきれいだ。
日焼けした腕と足はジリジリと焼けるように痛む。が、睡魔には勝てず、すぐに眠りに落ちた。
どれくらい寝たのだろうか。
突然ラインが引き出された音で目が覚めた。
リールからはゆっくりだが糸が出続けている。
竿を持ちクリック(ラインアラーム)をオフにして抵抗を減らす。アカメに違和感を感じさせずにチヌを飲ませるためだ。
軽く糸を張ってみるとゴツゴツとチヌを咥え直す感触が伝わり大きくアワセた。
2度ほど追いアワセをすると、ド派手にエラ洗い!
しっかり掛かったようだ。
突っ込みとエラ洗いを繰り返すが、今回は全て止め切ってファイト。
1分ほどで足元に横たわった。
こうた氏と連携してランディング。一発で決まり無事ランディング成功!
りょう氏が用意してくれていたシートに横たえた。
まずまずサイズ。
今回は写真をどうしてもキレイに残したかったので、朝までロープで繋いでおくことにした。
このサイズでありながら、自分の全長の1/3ほどのチヌを飲み込んでしまうとは恐ろしい。
その後は何も起こらず、翌朝起きて早々に写真撮影。
ロープを手繰るとアカメも元気いっぱいで引きまわされる。
うーんたまらなくカッコイイ。
こういう魚はサイズ関係なく本当に嬉しい!
満足な写真も撮れたので、元気な内にリリース。
その後は買出しとフカセ釣りで時間をつぶす。
チヌはすぐに釣れてくれる。
普段釣りをしている東京湾では、到底考えられない量のチヌがいて、スレてないのか初心者でも簡単に釣れる。
フカセ釣りが少し上手になったような錯覚を感じるほどだ。
更なる再会 熱中症になりかけ休息
この日のアカメは大人しかった。
風が強くテントが危ない。ひとまずみんなで支える。
岩の隙間に脚を落としてなんとか耐えていたが、ひときわ強い風が吹いた瞬間に足が折れ、りょう氏のタープテントが崩壊。
こうして我々は遠征2日目にして日陰を失った。
夕方になると去年お世話になったあきら氏が来てくれた。
実は私達が高知入りする前日までも来ていた方で、その気合の入り方は半端じゃない。
ここで私が少しバテてしまい、3人で一度ネットカフェに退避して朝まで休むことにした。
朝まで寝たことで少し元気になったが足が痛い。
日焼けのヒリヒリとは違う炎症で腫れた足が神経を圧迫するような痛みだ。
歩くのは平気だが、立っているだけで激痛が走り、立ってもいられない。
完全に日焼けを舐めていた。
日焼けは火傷なのだ。この時期は日焼け止めは欠かせない。
買出しを済ませて昼前に現地に戻った。
状況を聞くが昨晩は静かだったようだ。
フカセ釣りは相変わらず調子がいい。
時たま強烈に引く魚が掛かるがこれはヘダイ。
キレイな魚だ。
チヌと比べると圧倒的に引きが強くガンガン走る。そして浮いてこない。
チヌは重々しく首を振るがヘダイの方がファイトは激しく面白い。
他にはシマイサキを確保。一口サイズで食べやすそう。
この日、シマイサキを背掛けにして泳がせたが中々いい動き。
しかし翌朝までアタリなく撃沈。
買出し出発直後にアカメがヒット!
日が高くなった午前9時、りょう氏とこうた氏が買出しに出掛けていった。
私はといえば足が痛くて、竿の近くで座り込んでいた。
二人が買出しに出掛けて5分ほど経った時だった。
突然私が投げていたシマイサキのタックルから糸が出て止まる。
海を覗き込むと足元では大きな波紋が広がっていた。アカメがバイトしたのだ!
20秒ほど送り込むと、ゴツゴツと咥え直した感覚。
そこでアワセ。
一本目よりも重い。
タックルもライトなやつにヒットしたため、ドラグを使っていなしていく。
立っていると足が痛いが、今回ばかりは気合で我慢した。
3分ほどで横たわり、かずき氏とあきら氏に手伝ってもらいランディング。
上げてみるとサイズアップ確定!やったね!
ひとまず2人が戻るまでロープに繋いでおく。
しばらくして戻ってきたところで写真撮影。
立派なサイズ!出来過ぎだ。
25kgくらいあるのかな。
ちょっと細かったけどカッコイイ。かっこよすぎる。こんな素晴らしい魚が岸から、堤防から釣れる高知県に感謝。地元の方達の努力があっての環境である。
最終夜 、最後の一発に賭ける
今回、最大5日間の日程で組んでいたが、あまりの暑さで3人ともかなりバテており、また全員ではないが、私とりょう氏はゲット出来ていたこともあり、今夜を最後とすることにした。
あとはこうた氏に一発、チャンスが回ってくることを祈る。
餌のチヌは相変わらず確保は容易。しかしながら昨日から食っていたのはコノシロやボラ、そして私のシマイサキ。どうやら小さ目の餌がいいようだ。残りのチヌの中からも一番小さなものを、こうた氏が泳がせた。
夕方になるが、あまりの足の痛さに耐えきれず一度病院へ。
先生には「日焼けだね~3日くらいで収まるよ」と、言われるが、既に3日目なんですけどね…。
とりあえず塗り薬と飲み薬をもらって帰還。
最後の一発に期待してその時を待つ。
しかしながら静かなまま無情にも時間は過ぎ、夜が明けていく。
そしてそのまま朝がやってきて、タイムアップ。
ゴミの処理や片付けなどもしながら続けていたが、最後までアカメが食うことは無かった。
撤収 温泉で汗を流しカツオを食べる
昼前には片付けを完了。
お世話になったあきら氏とかずき氏に挨拶をし別れを告げた。2人ともまだまだ頑張るようだ。
まずは温泉で汗を流す。しかし日焼けした箇所はお湯を受け付けない。
湯舟には入れずひたすらに水を浴び、身体を冷やすだけしか出来なかった。
汗を流しさっぱりした後は食事。どこかのお店に入りたかったが空いているところが少なく、結局ひろめ市場へ。ここはフードコートのようになっていて色々食べられる。
美味しそうなものを片っ端から注文していった。
定番のカツオタタキ。何回食べても絶品。ニンニクとの相性も◎◎◎。
カツオの酒盗。酒が飲みたくなる。よく耐えた、自分。
カツオのハラモ揚げ。甘酸っぱいタレが掛かっている。酒が飲みたくなる。よく耐えた、自分。
クジラの舌。もろ味噌が変わった味で美味しい。酒が飲みたくなる。よく耐えた、自分。
スジ煮。こういうの大好き。酒が飲みたくなる。よく耐えた、自分。
ウツボのから揚げ。ウツボって離島に行くとすんごい釣れるけど今度食べてみようかな。もちもちしてて美味しい。酒が飲みたくなる。よく耐えた、自分。
最後はカツオタタキ丼で締めた。
いや~満足満足。
やっぱりご当地のものは、本当に美味しい。埼玉じゃ食べられない。
腹を満たした後は4時間かけて京都に戻り、りょう氏とこうた氏に別れを告げ、終電で埼玉まで帰ってきた。
足の痛みはその後2日ほど続いたが、薬のおかげか、やがて収まった。
アカメは去年130cmを釣り、今年は満足のいく写真も撮れた。もう達成すべき目標はないかもしれないが、またアカメに会いに行きたい。
フカセ釣りは泥沼にハマりそうな面白さもあり、現地でしか会えない仲間もいて、アカメは何本釣ってもかっこよく嬉しい。
そして高知は飯がめちゃくちゃ美味い。
また来年の夏には高知にいるのかな。
今はまだ何も決めてないけどまた高知に行くことは必ずあるだろう。
高知というフィールドが好きになってしまったのだ。
アングラ―
まつともの釣師(@BigGame_BigOne)
タックルデータ
<1>
- ロッド:STANDING ROCK 11B
- リール:TICA TEAM ST668R
- メインライン:PE10号
- リーダー:ナイロン40号
- ハリス:ナイロン60号
- 針:スーパークエ30号
- 孫針:管付き丸セイゴ20号
<2>
- ロッド:振出し石鯛410M
- リール:海魂4000T
- メインライン:PE10号
- リーダー:ナイロン40号
- ハリス:ナイロン40号
- 号 針:スーパークエ25号
- 孫針:管付き丸セイゴ20号