秋冬に人気のアマダイ釣り。
一般的な釣り方のうち「小突き」の動作の意味合いについて考察します。
▼本記事はXの以下投稿をもとにしています。Xでは釣りに関しての考察をいろいろしていますのでフォローしてみてください。
【アマダイ釣りと小突きについての私的考察】
アマダイ釣りでは小突きという基本動作がありますね。
オモリで海底を小突くとき、砂泥が舞い上がり、
砂煙がたったり、
オモリの色や音のアピールで魚が寄るといわれます。たしかにYouTubeで水中動画を見るに、… pic.twitter.com/pxyaAJGQf0
— ひらっさん (@tsuyoshi_hirata) February 13, 2024
アマダイは小突きすぎると釣れない?
オモリ自体に集魚効果があるともいわれるが・・・
アマダイ釣りでは小突きという基本動作がありますね。
オモリで海底を小突くとき、砂煙がたったり、オモリの色や音のアピールで魚が寄るといわれます。
たしかにYouTubeで水中動画を見るに、やわらかい砂泥底ではオモリにより砂煙が広がるのが確認できます。
この煙幕は海底の硬さによって控えめになったり、やりすぎになったりします。
底地が固いところでは小突いてもそれほど砂煙は上がらないものの、オモリが埋まってしまうような場所ではかなり舞ってしまうというわけです。
アマダイ釣りでは、「めちゃくちゃ小突くと釣れない」という意見があります。
わたしもそう考えています。
でも、なぜなんでしょう。
おそらくガチャガチャと小突きすぎる(たとえば30秒とか小突く)ことにより、魚が警戒する(小型は警戒心が薄いため釣れるが)というのはありそうです。
また、やりすぎた煙幕によって、オキアミ自体がアマダイから視認できなくなっているのかもしれません。
これも水中動画をみると、オモリが埋まるような「やわらかい砂泥底」ではかなり煙幕がたっていることからわかります。
そんな時、潮も流れず、船も動いていない場合は、その煙幕が停滞するわけです。
(潮が流れていなくても、エンジンで引っ張って流す操船では、また変わるとは思います)
また、握りこぶしひとつ分ぐらいの間を繰り返す小刻みな小突きでは、着底したオキアミが動かないまま砂泥に埋もれてしまうことも考えられます。
このとき、オキアミやチモトの結び目や飾りには砂泥や海底由来のゴミがつきます。
そして、こうなると極端にアタリが減り、アマダイが捕食しなくなる。
アタリが出ないときに、おかしいな?そう思って、回収して餌をチェックしてみる。
すると、オキアミはそのままなのに、粘質の泥がついていることも多いです。
他の釣り人が釣れているのに自分だけ釣れないなら、そういうことなんでしょう。
アマダイは眼が大きく視覚に頼ったエサ取りをするとされる
アマダイは眼が大きいということもあり、捕食行動では眼でしっかり見てから食べていることは想像に難くありません。
オキアミをつけるとき、黒目がないもの、崩れたものや胴体だけではアマダイのアタリが出ないのは、誰もが知っていることです。
だからみんなよい餌を選ぶわけです。
アマダイは、餌について汚れからなんらかの違和感を感じているのかもしれません。
たしかに生きているエビには汚れはつきませんしね。
アマダイの小突きと竿の調子
竿の調子でオモリの動きも変わる
小突きの程度は竿の調子によっても変わります。
柔らかめの竿では熱心に小突いているつもりでも、衝撃を竿で吸収してしまいます。
そのため、攻めの釣りをする人は、73調子から82調子、さらに固めの82調子と使用する竿が変わっていきます。
わたしもそうです。
が、これは小突きをうまくやる(やりやすくはなる)というよりも、微妙なモタレや吸い込みのアタリを敏感に感じ取るため、という意味が強いです。
実はオモリを小突いている最中にアマダイのアタリが頻発することもあります。
そんなときは餌が動いているというよりも、最初の仕掛けの落下フォールで着底した瞬間やその後に餌を吸い込んでいる気がします。
小突いているだけでも、船やアマダイの移動によってハリスが張ってアタリを感じるわけです。
そんなとき、柔らかい竿よりは固めの竿の方がアタリを認識しやすく、また掛ける動作に移りやすくなります。
小突きによって餌のオキアミが動くの?
アマダイの標準仕掛けは2m前後(地域による)
小突きによって餌のオキアミが動くという考えもあるようです。
これはハリス長によるなーと考えています。
一般的なアマダイのハリス長は2.0m程度(エリアによって異なります)ですが、底上にオモリを置いたまま細かく小突くとき、オキアミが動くのか。
これは潮にもよると思いますが、流れていないときはオキアミは底を垂れているわけで、ほとんど動かないはずです。
たとえば小突きを大きな動作にし、オモリが底上を1m程度上げるような大きい動きではオキアミも動くことになるでしょう。
が、そのオモリのエレベーター的な上下運動の繰り返しやオキアミの動きを良型アマダイ氏がどう思うか。
あんまりよい効果はなさそうです。
短ハリスはタナがあってもトラギスやヒメ、小型のアマダイが多くなる印象
チャレンジングですが、1mなどの短ハリスでは餌の動きが出るかもしれません。
が、短ハリスは経験上、小型やその他の魚がヒットしやすくなる印象です。
極端に速い底潮で、なんとか底上をキープしたいような釣況以外では1m以内などの短ハリスは、ハリス2m程度の一般的な仕掛けをこえる釣果は出しづらいです。
特に低活性のときは中型以上のアマダイのアタリが出づらくなります。
これはなぜか。
わたしは、アマダイが天秤とオモリを異物ととらえてしまうためでは?と考えています。
タイラバや一つテンヤでもアマダイが釣れ、これらにはハリスという概念がありません。
この二つの場合、アマダイは「仕掛け全体をひとつの餌」と認識しているのではないか。そう考えます。
が、1m等の短ハリスの仕掛けではどうでしょうか。
天秤&オモリと餌がハリスによって離れるため、アマダイがそれぞれを一つのものと認識しなくなるのでは、という考えです。
つまり、「異物(天秤+オモリ)+オキアミ」ということですね。
他に短ハリスの場合、オキアミが誘いに対してダイレクトに動きすぎ、自然に動かないデメリットも想像できます。
そういった理由から、アマダイ以外の魚が釣れやすかったり、警戒心の低い小型のアマダイが多くなるのではないでしょうか。
見ての通り、ヒメやトラギスとアマダイのタナはほぼ変わらない
アマダイ釣りの小突き動作が持つ大切な効果とは
最後に、小突きの動作の意味で一番大切だと思うことがあります。
それは、待ちの時間です。
なんのことか。
そう、底上にオキアミが垂れるまでの時間をつくるという意味合いです。
アマダイは底上にいるわけで、釣り人はオモリを着底させて、オキアミを一旦底上に垂らすイメージします。
このときの沈下速度は潮・浮力体(飾り)・針の重さ・ガン玉の有無によっても異なるわけですが、小突きの動作がないと、なんとなく手持ち無沙汰になります。
そのため、着底後すぐに底上1mまでオモリを聞き上げたり、そこから1mさらにしゃくりあげたりする人もいるはずです。
性格的にせっかちな人はそうなります。わたしはそうです。
このとき、そもそもオキアミは着底せず、浮き上がったまま、アマダイのテリトリー上をはるか浮上して動くはずです。
で、キダイが連発する。
浮き上がった餌は黄鯛のテリトリーに。濃い時は場所変え以外、何をしてもだめ
特に誘いの後に間を持たせない場合はそうなります。
一般的な誘いでは、オモリを5回から10回程度、やさしめに小突きますね。
このとき、底潮にもよりますが、一旦オキアミが着底するはずです。
アマダイ釣りでは、「この間」が大切なのだと考えます。
(小突いて魚が寄るのかもしれないので)警戒されない程度、煙幕だらけにならない程度に、煙幕をたてる。
そして、オキアミがついた仕掛けが底上になじむ。
そこから鋭めのしゃくりでオキアミがほどよい煙幕の上に飛び上がる。
ここでアマダイが「ヒャッハー!餌!」と思う。
または、ゆっくりとした聞き上げでオキアミが砂泥をはってから、逃げるように「ふわり」と遠ざかるのをアマダイが「!」と視認する。
なんだか釣れるような気がしてきましたね(笑)。
でも、実際やってみると海はそう甘くないんですけどね。
以上、思考を整理するのに、すごく長くなりました。
まとめると、
・小突きはほどほどにしたほうがよいかも(魚が警戒せず、仕掛けがなじんで埋もれない程度に)
・オキアミが着底する間を意識して取れないことが多いので、適度な小突きはその助けになる
ってことです。
過去にハリス1mの仕掛けで鬼小突き的な釣り方を何度かしたこともありますが、まー平均釣果で考えると釣れません。
小型が数釣れることもあったのですが、デカいのはほんと釣れない。
そういうことなんだろうなーと思って、最近はやってます。
ではでは。
>>>YouTubeではシンプルな釣行動画を上げてます。秋冬はアマダイもたまに
関連アイテム
▼最近買ったリーディングLGの82 H-180MTは小突きやすく、小突きの動作中や聞き上げ中のアタリ感度が高く、とても掛けやすい竿でおすすめ