船釣りをしていると、いつかはやらかしてしまうのが「ベイトリール水没事件」。
竿だけだったらいいけど、リールはリスクが高めですよね。メカでもあるわけで。
- 尻手ロープをつけていたので、かろうじて海神奉納は避けられたが、リールに海水が入ってしまった
- 船べりに立てていたリールに海水がざっぱーんしてしまった。しかもドラグゆるゆるだった件
- しまった。仕掛けの準備をしていたら海水が入ったバケツに竿がリールごと入ってしまった
- 釣り初心者に貸したらまんまと水没してしまった
などなど。
長く船釣りをしていると、一度は経験があるんじゃないでしょうか。
今回はベイトリールを海水に水没させてしまったときに応急処置としてやっているノウハウを紹介します。
ちなみ、リールの取り扱い説明書には書いてない話ですし、メーカー非推奨です。
自己責任でどうぞ。ノンクレームで。
タックルが海に落ちてしまった。その時リールをどうするか?
8月末のLT釣行で、タックル(ライトゲームSSとバルケッタ300HG)が海に落下したんですね。
ちょうど、キーパーからロッドを外していて、なにかの拍子に海にドボン。
わ。万事休す。
が、ハリス2号のビシアジ仕掛けのハリが服に引っ掛かって、運よくとまった!
強運かよ。
慎重にハリスをもって、引き上げてみる。
無事ランディング。
リールから滴る海水。
水も滴る良いリールとはこのことですね。
実際にはリールは水面下50㎝ぐらいで、30秒ぐらい沈んでいたはず。
思い切ってリールを真水で洗って使っちゃうのも一つ
それにしても、こういうときみんなどうしていますかね?
- 海水浸透をさけるためにハンドルを回さないで、沖上がり後に水洗い&乾燥させてオーバーホール依頼or自分で対応。
- 予備リールを使う
こういうスタンダードな選択肢もあると思うんです。
が、今回は予備リールがない状態。
釣りができる残り時間も2時間ほどある状態。どうしよう。
こんなとき、オススメは以下の通りです。
- 水をリールにジャバジャバかけてよく洗い流す。なんならリール底部の水抜き穴から水を流し込んでやり、その際にハンドルも回してしまう。落水前にドラグノブを緩めていた場合は、そのまま行う。
- リールはそのまま使用する
以上です。
おい正気か?
はたしてこんなことをやって大丈夫なのか。
ということで、人柱になってみました。
この通り、じゃばじゃば。
バルケッタ氏「ふぅ。炭酸水がうめぇ!生き返るぜぇ!」
手指を洗うために炭酸水を持参することが多いので、この日は常備しているサンガリアの強炭酸水を使用。
強炭酸水で手指を洗うと魚や餌のニオイや脂肪分が落ちやすいんですよ。これほんと。Amazonで大量買いしてます。
これは嘘なんですが、リールに炭酸水をかけると性能がアップします。 pic.twitter.com/9nU4WZo4DY
— 平田剛士|ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) September 6, 2020
動画でみるとこんな感じ。みるからにやばいヤツ。
このときは、リール落水後にすぐさま十分海水を洗い流し、釣りを続行。
沖あがり後、リールを漬け洗いする
そうこうして、2時間後に沖あがり。
デジタルカウンター搭載やブレーキ類が複雑なほどリスクは高い
タライに真水をためて、リールをドボン。
そのままリールのハンドルをぐるぐるぐるぐる、ぐーるぐると、回転させておきました。
リールには粘度の低いオイル、粘度の高いグリスが使われているんですが、このグリス表面に塩分を含んだ海水が混じってしまっていることを想定し、そのすべてを洗い流すイメージです。
当然水で洗うことで、オイルやグリスが落ちやすくなるという欠点はあるので、お湯ではなく水で行うほうがよいでしょう。
リールの漬け洗浄後は、排水がしっかり行われるようにリールの底部を下にして陰干ししておきます。
水色の部分が両軸リールの水抜き穴
リールの底には「水抜き穴」があるのです。
リールの表側が上になっていると、水がしっかり抜けず、錆の原因にもなります。注意。
帰宅後に、オーバーホールするorメーカーに依頼
帰宅後、細かい作業が得意な人は自分でオーバーホールしてしまうのが手っ取り早いです。
バルケッタの場合、開くと「バネが飛び散る呪い仕様」などもあります。ねじやバネなどが跳ねてもすぐ発見できる場所で行いましょう。
あらかじめ周囲の環境をきれいに清掃しておくのもポイント。
- 「パーツクリーナー」でギアなどを洗浄
- メーカー純正オイルとグリスを説明書通りに添付
メインギアやレベルワインド部分のグリスがすでに落ちている状態で釣りをしていた場合は、塩の付着&結晶化の影響を受けやすいです。
リールカバーのボルトが緩んでいた状態などは、特に海水がギア部分まで入りやすいので、毎釣行前にチェックしておきましょう。
あとはハンドル、逆転を防止する圧入式のワンウェイクラッチに錆びが発生するとハンドルが逆転しやすくなったり、ハンドル回転時に異音(キュルキュル音)がなりやすくなります。
こうした状態を感じたら、すぐさまショップに持ち込み、メーカーに修理依頼をしましょう。
ワンウェイクラッチ交換によって症状が改善するはずです。
まとめ
海に水没して2か月。
今のところ、上記の対応でICカウンターのユニットも故障なく、ギア部分も塩噛み感なく使用できています。
メーカーや機種による性能差、応急処置の程度によってもことなると思うのですが、自己責任で試してみるのも一つですね。
村田基さんも同じようなことを言ってました。
船釣りをしても、平常時はドラグを締めて真水をかけてさっと洗って乾かすでよいと思います。
一方、今回紹介したように運悪く水没したり、船べりに立ててあった竿とリールにじゃばじゃば海水がかかった状態であれば、真水で洗うだけでは不十分な気もします。
特にドラグをゆるめたままの状態だったり、レベルワインドや各所のグリスが切れかかっている状態だと、高確率で海水がギアボックスやハンドル軸まで浸水しているはず。
そんなとき、応急処置の参考にしておいてください。
平田(@tsuyoshi_hirata)
追記:1年半経過しました
2022-05-10:海水水没後、1年半経過しましたが、問題なく使用できています。巻き感は経年劣化により、落ちています。
この間、再度オーバーホール作業も行ってます。
先日、アブのレッドマックスを子供ちゃんに貸しているときに落水して完全に水没しました。
このように完全にドブ漬けしつつ、ハンドルをぐりぐりと回転させて海水を出し、完全に陰干し、問題なくつかえています。