【釣り場の怖い話】誰かがいる・・・|カーディフウエダさんの話

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釣り場の怖い話 誰かがいる
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仲間内でサーフのシーバス釣りが流行っていた時のことです。

その日も、崖下のサーフに入ろうと、朝マズメを目指して深夜に到着しました。

ひらけた海沿いの空き地に車を停めて、後は歩くんです。

その日は蒸し暑い真夏の夜でした。

空き地に車を停めようと、車をバックで進めている時、助手席の友人が急に身を乗り出して後ろを見ました。

気にせず車を停めると、友人が、

「誰かいたよね?」と聞いてきます。

バックミラーでしっかり確かめていた私は、いないよと答えました。

すると、友人は突然車を降り、海の方に走っていきます。

そんな状況でも私は海の様子を見にいったんだろうなーくらいに思って、釣り支度をしようと車を降りました。

すると、友人が青い顔をして戻ってきました。

「おじさんが車の後ろにいたんだよ。海に向かって歩いていったんだけど、追いかけてみたら誰もいないんだ!」

私は全く取り合いませんでした。

見間違えじゃないのか?

とか、

散歩のおじさんがいたのを見失ったのでは?

とか。

思えばこれは序章に過ぎなかったんです。

僕らはウェーダーを履き、そんな怪現象など無かったように、崖の下のサーフに降りていきました。

崖下のサーフは、近くに民家や街灯もなく本当の意味で真っ暗になる場所です。

人の気配が無いというもあるのでしょう。シーバスは意外なほど浅場まで来て、ポッパーなどのトップウォーターで釣れるために楽しいのです。

いつものように、キャスティングをしながらどんどん崖とサーフが近づく暗いエリアに入って行きました。

そこは防空壕の跡なのでしょう。崖に人が入れるくらいの穴がいくつも空いています。

すると、今度はまた友人が、私を呼びます。

「早く来て!これを見て!」

行ってみると、砂浜にはたった今つけたような裸足の足跡が、片足だけ、ありました。

怖がる友人に、散歩しててたまたま踏み外して海に片足めり込ませたんでしょ?と言って納得させました。

そして更に崖を背後に背負いながら、釣り続けて行きます。

・・・

ふと、友人の方をみると、看護婦?のような女性が友人のそばにいます。

近くに病院は無いし、そもそも深夜だし、女性一人で散歩なんて危ないなぁ…なんて思っても、友人のそばを離れないので、何か話しでもしているんだろう、くらいに思っていました。

その日の海は、比較的凪いでいて、シーバスの群れも入っていないようでした。 明け方の上げ潮に期待して休憩をしようと友人に声をかけようとすると、もう女性はいませんでした。

「あれ?さっきの女の人は?看護婦みたいな人いたでしょ?」

と、私が聞くと友人は、

「…ずっと耳元で誰かに囁かれてたんだよ。でも誰もいないんだ。」

というではありませんか。

さすがに浜辺のおじさんにはじまり、足跡だの看護婦みたいな女性だの、おかしなことが多い日だったので、帰ることにしました。

そして暗い崖下を歩き、もとの車を停めた場所に行くと、赤い回転灯が見えます。

「おかしいな、別に駐車違反もしてないしな」と思って上がると、それは救急車でした。 僕らの車から50mくらい離れて停まっていたワゴンに救急隊員がいます。

「何かあったんですか?」と救急隊員に聞くと、「死後数日経った男性の遺体がありました。なにかご存知ですか?」 とのこと…。

もちろん知るはずもないので、そそくさとその場を後にしました。

あとで冷静に考えると、ワゴンのこと、誰が通報したのだろう…と。

そんな蒸し暑い真夏の夜の出来事でした。

※投稿いただいた釣り場の怖い話は編集部で編集して紹介しています。

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