人間は常に問いをもっている生き物。
釣り人も一緒です。
今日も世界では多くの問いが生まれ、答えが見つかっています。
そんな中、インターネットでは確かではない答えがいろいろと流布され、それがまことしやかに拡散されたり。
そんな、ウェブ上に転がっている『釣りのなぜ?どうして?』について、釣りメディアORETSURI編集長の平田が勝手に回答する本シリーズ。
今回の質問
高級魚ランキングが欲しいです。釣りもの、何でもかんでも高級魚と言われ、どれが本気の高級魚かわかりません。グラム単位、市場の1匹あたりの価格、天然?養殖?などで高級魚ランキングが欲しいです。よろしくお願いします。釣り易さランキングまたは釣りづらさランキングもあれば、これは主観でしょかね。よろしくお願いします。
質問者:にしがみさん
<平田の回答>
「高級魚インフレの時代。魚の本質的な価値に注目したほうがいい」
今回のお悩みもしっかり考えて回答します。
まず読んでみると、質問というよりはORETSURIのコンテンツへの要望っぽいところもありながらも、これを強引なドリブルで質問として解釈すると、たぶんこの方は釣りをしていて、ネットやメディアが言う『高級魚』という情報に飽き飽きしているんだと思います。
TVをつければ大して高級魚でもなく希少でもない魚を『あの幻の江戸前高級魚○○を狙う!』みたいな打ち出しで釣っていたり。
それに対してなんだよ結局狙ってんのはマゴチかよ。ふつーにその辺にいるだろクソつまんねーなー、予定調和すぎるだろ。そんなの幻でもなく、こないだ堤防から釣ったわ。
と、
思ってYouTubeをぴこぴこ再生してみると、そこにも『穴釣りで高級魚○○を釣ってみた!』的なものがあり、ハタかクエか?と思って、ドキドキしながらクリックするとそれがただのカサゴだったりする。
すると、カサゴとかどこにでもいるだろうよ、燃やすぞ、と。バッドボタンを連打しつつ思うわけです。
いやはや、高級とはなんなのでしょうかね。
巷には『高級』があふれています。
- 高級車
- 高級住宅街
- 高級マンション
- 高級時計
- 高級ソープ
などなど。
それぞれ、〇円からが高級ですよ。というような決まりは明確にありません。
では誰が高級か決めているかというと、まずあるのが企画者が『高級』として打ち出したいかどうかという点です。
でもどんなに企画者が打ち出しても、肝心の受け手である消費者がそれを高級と認めなかったり、そこに高級を求めていなかったらその市場は成り立ちません。
たとえば、『高級もんじゃ焼き』とかいう店をつくっても、人はもんじゃ焼きに庶民的なものをもとめているわけですし、そうなると「ふざけんなこのやろいいますわ。うちの社員だったら殴ったりますわ」
ということになってしまうわけですね。
でも、高級ソープあたりは、やっぱり性欲に財力を兼ね備えたお金持ちがいて、ありあまる諭吉をバサバサつかっても味わいたいというものだとおもうので、一定の二―ズがあり成立しています。経費もつかえるし。
高級マンションだって、液状化待ったなしだけど、湾岸の高級タワマンに俺住んでますわという確固たるステイタスがある。
・・・
そろそろ飽きてきました。
結論に入りましょう。
魚において、高級魚というレッテル貼りはもうインフレ状態になってきています。
もう情報の受け手の本音は高級魚なんて飽きているんです。
なので、TVの番組表をみてもYouTubeのタイトルをみてもわたしは『伝説の魚』『幻の魚』『世紀の大発見!』的なタイトルをみても一切クリックしません。
どうせ、カサゴとかマゴチとかシーバスとかだろと。
声を大にしていいたい。
飽きた。
もう高級魚云々というネタには飽きました。
これは、多くの釣り人にとってもそうなんじゃないでしょうか。
むしろ、そういった魚を値段のみで考えるよりは、魚の本質的な価値、自分と魚との出会いによって相対的に価値を見出したほうがいいんじゃないかなと思います。
あれですか、あなたは人を年収や社会的な地位で判断しますか?
まともな社会人であれば、しないですよね。
もうそういう時代は終わったんです。
どんなに市場で安く扱われる魚でも、あなたがその魚を追い求め、
やっとの思いで釣った瞬間、思わず、
よっしゃー!!!!!!!
というように叫び、涙を流して、ときにはおしっこを漏らしてしまうぐらいうれしい魚であれば、もうそれがいくらで売れるとか、そういうことは考えなくてよいんです。
そろそろ、他の誰かにとって貴重云々なのではなく、あなたにとって『一番大切な魚』を探す冒険に出てみませんか?
ではでは。
※質問がないとエンドレスでYahoo!知恵袋などの質問を勝手に回答していく仕様です。