人間は常に問いをもっている生き物。
釣り人も一緒です。
今日も世界では多くの問いが生まれ、答えが見つかっています。
そんな中、インターネットでは確かではない答えがいろいろと流布され、それがまことしやかに拡散されたり。
そんな、ウェブ上に転がっている『釣りのなぜ?どうして?』について、釣りメディアORETSURI編集長の平田が勝手に回答する本シリーズ。
今回の質問
遊漁船の船長が海にゴミを捨てる場面を見かけます。注意したいのですが、言い出せない釣り人もいるはずです。「貴方たちの職場でしょ!」って言えない漁師や船頭に物申して下さい!
質問者:nobygoさん
<平田の回答>
「嫌な船宿には無理して行かない&Googleレビューに積極的にコメントして世に伝える」
どうもこんにちは。平田です。
どうですか、最近釣れてますか?
あ、そうっすか。ほーん。いやね、一応聞いてみただけですよ。
さて。
息子を保育園に迎えにいくために、あと1時間しかないので、質問への回答に早速入りましょう。
というか、今回も質問というか、釣り人からのアングリーというか、怒りというか、お願い事項だったので、こちらで適宜質問に変換して進めていきますね。
これは、えーっと。
「遊漁船の船長が海にゴミを捨てる場面を見かけますが、平田さんはどう思いますか?この事態を解決するためにはどうしたらよいんでしょうか?」
というようなことなんだと思います。ですよね?
あ、だいたいあってましたか。よかったです。
「解決方法」の提案というよりも「共感」が求められているのかもしれないですが。
さて。
きっと質問者の方は船釣りと海と自然を愛するごく普通の真っ当な釣り人の方なんだと思います。
そういう気持ちって大切だと思いますよ。
船釣りにいって大多数の釣り人は海にゴミなんて捨てないんですよ。良心が痛む。しかも釣り船の船長や中乗りという立場で自分の職場である海にゴミを投棄するなんて、自分の首を自分で締めてるようなもんじゃないですか。もう、頭がおかしいんじゃないかと。
そう思いますよね。
うん、そうですよね。わかる。
え?じゃあ、捨てる人はなんなのかって?
これはね、いくつかのパターンにわかれるんです。
わかりやすく、船釣りでしばしばみられる海への「タバコのポイ捨て」を例にして、まとめてみましょう。
海でタバコを捨てる釣り船のスタッフは、だいたい3種類です。
- そのむかし海が「無限のゴミ箱」だと思われていたときからの生き字引
- タバコを捨てるのは悪いと思っているがメンドクサイので捨ててしまう「意志が弱い人」
- タバコを捨てるのになんにも感じない「道徳面に欠陥」がある人
それじゃ、パターンごとに説明していきますね。
まず、1。
そのむかし海が「無限のゴミ箱」だと思われていたときからの生き字引
今となってはゴミ問題・環境問題が盛んに叫ばれていて、みんなそうだなー、環境を大事にしないとなーと思っているはずです。が、むかしはそうでもなかったんです。海が「無限のゴミ箱」だととらわれていて、あんまり物事を深く考えられない人を中心に海にゴミをすてるのがデフォルトだった時代があったわけなんです。
むかしの刑事ドラマをみると、路上で張り込み中の主人公が余裕綽々でたばこをもみ消して、そのままにして、犯人を追いかけるシーンみたいなのがでてきます。これをみて、むしろ貴殿から立ち上るニオイで犯人に張り込みがバレてしまうんじゃないか?犯人が非喫煙者だったら半径30mに近づいたら気づくぞ、とか思ってしまうんですが、まーこれはそういう時代だったんです。
そんな細かいこといっていたら、ドラマなんてできないよということです。みんなモクモクやっていた時代。日本が泡のように膨らんで、精神より物質的なところがもてはやされた時。
それが時を経て、「タバコは人に迷惑をかけないようにして吸わないとね」「ポイ捨てはダメだよね」ということが一般的になってきたわけです。
が、どうしても、そういった時代の移り変わりに対応できない人もでてきます。タバコをポイ捨てするのが当たり前のままな人がいます。老人系の釣り人や船長にはチラホラみられますね。あと、地方の船宿に乗ると、出現率が増す印象です。。じゃあ、その船長が悪人かというと、意外といい人だったり。これは、もう、そういった時代から抜けきらない人なわけですよ
たとえばね、カワハギなんて、白い肝を手に入れるためには、釣ったらすぐに血抜きをしたほうがいいわけなんですが、「血抜きなんかしなくていいんだよ、氷締めでいいんだ!俺らは昔からそうしてる」というように、新しい情報をキャッチアップせず、昔からの連続を今日も繰り広げている人に多いパターンです。
要は時代の変化に自分のOSをアップデートしてないということなんだなと。
次に、2。
タバコを捨てるのは悪いと思っているがメンドクサイので捨ててしまう「意志が弱い人」
これは、単に意志が弱い人です。
いやね、善悪の観点はあるんです。だから自分がやっている行為が社会的にみて悪いということはわかっている。だけども、いちいち携帯灰皿とか持つのがメンドクサイし、吸い殻が手元にあるのもなんとなくいやん。
火がついてるタバコをずっともっていると火傷しちゃうし、危ない。それじゃあ俺っちはどうしたらいいかっていうと、あれだ。海に投げちゃえばいいんじゃないの?投げちゃえば火は消えるし、まず俺っちの安全面はクリア。それから潮ですぐ流れちゃうから景観面でもオッケー。それが誰かの釣り座のところに流れていっても、それが俺っちのせいとわからなければおけ丸なんじゃないかな。俺っち意志が弱いし、ポイ捨ては悪いのはわかってるけど、やっぱり易きに流れちゃうんだよな。ぷはー、タバコうまい。でも、船はきれいに保ちたい。てへぺろ。ポポイノポイ!
みたいな。
もうなんというか、こういう人は万事物事で大成せず、なにをやっても中途半端で、だいたい社会や組織の末端で冷メシを食っていたりするんですが、まーそれはやっぱり意志が弱いからなんです。どの人も、瞳の輝きがくすんでるというか、だいたいぼんやりしていて、何を考えているかよくわからない、昆虫のような眼をしている人がいますね。あれも、まー仕方ない。
次に、3。
タバコを捨てるのになんにも感じない道徳心に欠陥がある人
これはね、医学的にはよう知らんのですが、程度の差はあれ、道徳を制御するような脳の部位に欠陥があるんじゃないかなとおもってしまう人がいます。他に、親から躾をしっかり受けてこなかった人もこのパターンなのかもしれません。
こういう人は万事自分中心ですし、自分のことしか考えてないわけなので、タバコを捨ててもなんにも感じません。人に迷惑をかけてもなんにも感じず、むしろ、迷惑をかけているのに、注意されると逆切れし、自分が攻撃されたと認知してしまう。酷い場合は、逆に嫌がらせをしてきますからね、怖い。
堤防釣りにいけば鼻息荒く割り込むし、船で誰かとお祭りしたとき、自分が潮上でラインが流れているのに潮下の人のせいにしてキレる輩です。
さて。
どうしよう。そろそろ、結論に入らないと、保育園に息子を迎えにいけません。
「遊漁船の船長が海にゴミを捨てる場面を見かけますが、平田さんはどう思いますか?この事態を解決するためにはどうしたらよいんでしょうか?」
結局のところ、釣り船の船長だったり中乗りのスタッフが海にゴミを捨てる場合、釣り客としてはどうしたらよいんでしょう。
もし、世の人が全員趙雲だったら、一身これ胆なりってな具合に、勇気をもってすぐに注意するとは思うんです。わからない人はごめんなさい。
が、やっぱりそういった人など稀有なわけです。
多くの大人はできるだけ貧乏くじを引きたくないんです。トラブルを避けたいですし、船長のゴミ投棄などはやっぱり見て見ぬふりをしたいと思うのが自然です。せっかくの休みの日に釣りにきたら、釣りをたのしみたい。よーくわかります。
でも、やっぱり、そういったタバコのポイ捨てやら、弁当のゴミの投棄などについてはなんらか是正させたいと思うのも真っ当な釣り人の心です。だって、自分がいつも釣りに行っている海を目の前で汚されているんです。○○は自然分解されるからとかの問題以前に、自分が釣っている目の前に吸い殻や弁当かすなどが流れてくるのはつらい。
そんなときは、どうしたらいいのか。
これはまず、自分がやらねばだれがやるというスタンスで、直接言ってほしいと思います。
それで是正されない場合は、その船宿には二度と行かない。
でも、やっぱり面と向かって物事を言えないひとが増えています。匿名+ネットという条件がそろうと武力が90ぐらいまであがるものの、対面だと40ぐらいで弱い。これも仕方ない。
その場合に効果的なのはGoogleレビューにマイナス評価と実際に起きたことをコメントして是正を促すという方法があります。ネットに疎い船長の場合は、そういったネットのレビューなどを一切見ませんが、やっぱりよろしくないレビューが重なれば、集客面ではマイナスです。
人が何事も検索するようになった時代ですから、はじめていく船宿の場合、「○○丸 評判」「○○丸 口コミ」「○○丸 評価」とかで事前にチェックするのが常なのではないでしょうか。そこに書かれていることを鵜呑みにしないまでも、多くの人が自分なりに情報を取捨選択して、意志決定に活かしているはずです。
あとは、船釣りをする友人知人に伝えておくとよいんじゃないでしょうか。
ちなみに、あまりサービスレベルがよろしくない船宿でも、ポイントの選択や釣らせる技術が高いところはあります、そういったところは玄人衆・常連界隈が集まる船宿として、営業を継続していくはずです。
が、世の中は玄人連ばかりではありません。
中高年を中心とした常連衆も、やがては痛風、糖尿病、視力の低下、ガン、足腰が弱るなどで、士気が低下し、徐々に船宿に足が向かなくなるわけです。
そういった観点を持つと、やっぱり受け入れる釣り客の母集団は広くしておき、ソフト面でのサービスレベルの向上を考えて、ルールやマナーをまもり、初心者や女性や子供にやさしくしていったほうが長期的に経営も安泰すると思うんですけどね。
たとえば、陸にいる女将さんやその他のスタッフはとても感じがいいものの、船長と中乗りのスタッフがかなり微妙というところがあります。中乗りスタッフは、人に釣りを教えながらタバコを吸って、それを海に放り投げたり。こういうのは、たぶん、陸にいる人たちは知らないんです。なので、陸で待機している経営者に教えて差し上げるとよいと思います。
他に、海上への投棄案件が継続して行われている船宿や漁師の場合、所轄の海上保安庁に通報するというのがあります。これはやっぱり現行犯逮捕だと思うんですが、あまりにもひどい場合は、該当する船長がゴミをすてる場でも写真や動画をとって、通報してみましょう。もし、何事かを是正したいという場合は。
とはいっても、質問者さんは、たぶんその船宿にはもう通ってないはずだと思います。
そうなると、「是正したい」と思うこころを鎮静化させるには、Googleレビューが現実的なんじゃないかなと思いました。ご自身が目撃したことを、誇張なく正確に記述し世の中へ伝えるのがよいでしょう。
Googleレビューはヤラセの温床でもありますが、やっぱり「これは事実だろうな」と思うことは読めばわかりますし、そういったレビューが、次に嫌な思いをする釣り客を減らすことにもなると思います。釣り客が減れば、船宿も、「あれ、おかしいな」と思ってアレコレ考えるかもしれません。
このように、世を生きるものは何事も淘汰されていくわけですが、限りある余暇の時間を有意義に過ごすためには、自分が嫌だ、有り得ないとおもった船宿には二度と近寄らないというスタンスが必要かと思います。
ツケはいつかまわってくる。
以上です。
平田(@tsuyoshi_hirata)
※質問がないとエンドレスでYahoo!知恵袋などの質問を勝手に回答していく仕様です。子育て繫忙期のため、これはという質問のみ回答します。出前はしておりません。