この記事は約9分で読めます。

釣り船妖怪「モクモク法師」その実態と対策【シリーズ・釣り場の妖怪】

tabako_kitsuen_kenen_w710_g0s0

『妖怪 ― YOKAI』

あなたが大槻教授系なのかどうかはわかりません。

ですが、信じるも信じないも、妖怪は実際にこの世の狭間で確かに息づいている存在です。

高度に情報化された現代社会。

この時代を生きる我々は釣りという趣味になんらかの救いをもとめているのかもしれません。

が、そんな救いの場である釣り場にも『妖怪』があらわれるのです。

人呼んで、『釣り場妖怪』

そんな『妖怪』の実態と対策について、釣りメディアORETSURI編集長兼妖怪愛好家の平田が民俗学的見地とその道30年以上の豊富な釣り経験から解説する本シリーズ。

スポンサーリンク

今回の釣り場妖怪:釣り船妖怪「モクモク法師」

平田へんしゅうちょ、初めまして 船釣りを始めて二年のぷりちーなアラフィフです。私の目下の悩みは、風上で、ずっーと、まぁ、ずーっとタバコをふかす妖怪が現れてですね。大変困っております。あの妖怪の名前と退治する方法を教えて下さい!かなり切実ですm(__)m

質問:General Guessさんより

ORETSURI平田氏近影(@tsuyoshi_hirata)とりまフォロー!

前回の逃避妖怪「ツリイキタイタイ」については思いつくままに解説してきた結果、無駄に長い話になってしまいました。あれ自体が現実からの逃避なんじゃないかと思うぐらい長かったのですが、まったく後悔はしていません。

ごほん。

さて、今回はまた釣り船妖怪についてのようですね。

質問者さんはアラフィフとのことで、質問内容からもだいぶ加齢臭が漂ってきている気もしますが、今回も真剣に回答したいと思います。

まず、人間には2種類います。

喫煙する人。しない人。

このように、「人間には〇種類います。」と、言い切ってみると、なんとなくそれっぽいので言ってみただけなんですが、まーたしかに人間には喫煙者と非喫煙者がいるのは事実のようです。

芥川龍之介の『煙草と悪魔』を読んだことがあるかわかりませんが、我が国にタバコが伝来したのはイエズス会の宣教師が、国策で日本を植民地化しようとやってきたときとおなじ時代とのことです。まー室町とか江戸時代あたりでしょうか。

煙草たばこは、本来、日本になかつた植物である。では、何時いつ頃、舶載されたかと云ふと、記録によつて、年代が一致しない。或は、慶長年間と書いてあつたり、或は天文年間と書いてあつたりする。が、慶長十年頃には、既に栽培が、諸方に行はれてゐたらしい。それが文禄年間になると、「きかぬものたばこの法度はつと銭法度ぜにはつと、玉のみこゑにげんたくの医者」と云ふ落首らくしゆが出来た程、一般に喫煙が流行するやうになつた。――
そこで、この煙草は、誰の手で舶載されたかと云ふと、歴史家なら誰でも、葡萄牙ポルトガル人とか、西班牙スペイン人とか答へる。が、それは必ずしも唯一の答ではない。その外にまだ、もう一つ、伝説としての答が残つてゐる。それによると、煙草は、悪魔がどこからか持つて来たのださうである。さうして、その悪魔なるものは、天主教の伴天連ばてれんか(恐らくは、フランシス上人しやうにん)がはるばる日本へつれて来たのださうである。

出典:青空文庫

『煙草と悪魔』は、宣教師と一緒に日本にやってきた西洋の悪魔は、タバコの畑を育てて・・・という話で、まーとても面白いのでぜひ読んでいただきたいです。

で、そういったむかしの話では、たばこはNGではなく、薬として扱われていたこともあるようなのです。そこから時代を経て高度経済成長期には、オフィスのデスクなどで余裕シャクシャクで喫煙をする文化がありました。

「おはようございまーす。今日もよろしくおねがいしまーす!」

モクモク。モクモクー。

煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙。

煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙。

煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙。

MTGや商談。

「そうですなー、これどうしたらよいのでしょうかねー。」

モクモク。モクモクー。

煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙煙。

わたしは、バブル崩壊前だったり、そういったモクモク時代に生きたわけではないので、当時の喫煙者以外の人がモクモク状態に対して何を感じていたのかはわかりません。

当時のサラリーマンドラマとか刑事ドラマとかをみると、モクモクがふつーの状態で流れているので、吸わないひとは苦しいながらも、表向きはふつーに生きていたのかもしれません。

やがて、さらに時代がうつり、世界は健康をより意識することになり、受動喫煙というものが騒がれることになりました。WHOもこの問題について積極的に動いています。

そう、

ここで、嫌煙派と喫煙愛好家の戦いが勃発したのです。

タバコが嫌いな人は、ニオイや健康問題で程度の差はあれ喫煙者を憎むようになりました。

そうこうして、次第に喫煙者は嫌煙派から「ヤニカス」呼ばわりされ追いやられてしまい、ありとあらゆるところに喫煙室が設けられたわけです。

分煙、完全分煙、禁煙。

また、禁煙治療が条件によって保険適用となるようになったことは、国が喫煙自体を「病気」と認定したのではと思われる事態です。

やがて制定された健康増進法には受動喫煙の防止が盛り込まれていますが、努力規定だったりすることもあるので、嫌煙派がさらに法改正にむけて攻め込んだのですが、愛煙家やその代議士によって改正はやや後退して、健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号) が定められました。

この内容は厚労省の情報をチェックいただけばよいのですが、ここで順次施行されているのは、屋内喫煙についてのルールなのですね。

なので、釣り船が屋内かというと、まー実際そうではないので、東京オリンピック以後も引き続きタバコを吸う愛煙家の方は現れつづけるわけです。

釣り船はほとんどの場合、船首側(ミヨシ)を風上にして操船されるわけですが、あえてミヨシ側に陣取り、タバコを吸う釣り人は確かにいます。

しかも1、2本などではなく、一日船で7時間などずーっとくわえたばこで座れると、たばこの苦手な人は船酔いしやすくなってしまったりします。

わたしにも喫煙者の友人・知人がいるのですが、やっぱり、屋外ぐらい自由にタバコを吸わせてくれという意見もあります。その気持ちよくわかります。

が、ここで出てくるのは、自由というものは他人の自由を侵してはいけないという原則です。

タバコをどこでも自由にすえるようにすると、その煙により被害を受ける人がいて、吸わない人の自由が侵害されるわけです。では、吸わない人のために喫煙者の吸う自由はどうなるのか。

こういった戦いは左翼や右翼の空中論争のようなもので延々キリがないのですが、やっぱり重要な観点としては、同じお金を払っている乗合船なわけで、お互い共存する方法はないだろうかと、一人一人が考え行動することだと思います。

船宿も喫煙ルールを定めはじめてきています。

  • 電子タバコならOK
  • 喫煙はトモ側で
  • 喫煙は電子タバコをふくめてトモ側で
  • 全席禁煙

などなど。

出船すると、「タバコは船尾で吸ってください」と船長が必ずアナウンスするところもあります。

まー、アナウンスするしないにしろ、ルールがどうであるにしろ、この時代の乗合船において、これからもタバコが嫌いな人に配慮せず、その灰がどこに飛び散っているか無頓着な人はこれからも現れ続けるとは思うのですが、こういった人は、釣り船妖怪「モクモク法師」なのかもしれませんね。

人間が共同体でいきる限りは、他者に配慮しないといけません。

でも自分の欲求を推進したい。これは喫煙者VS禁煙者という構図ではなく、喫煙者VS喫煙者の構図にもなりがちで、やがて喫煙者の肩身をさらに狭くしてしまう動きのような気もします。

スポンサーリンク

釣り船妖怪「モクモク法師」への対策

今回、やけに真面目な話をしてしまいました。

それだけ乗合船にとっては、切実な問題なのかもしれません。

筆者も、立ち位置を明確化すると、タバコの煙は隣でモクモク吸われ続けるのは苦手な派に所属しています。だいたい胃が弱い人の場合、船酔いしやすくなるんですよね。

とはいえ、禁煙の権利をふりかざして、タバコを吸う人のすべての楽しみを阻害したくはないという尊重の気持ちもあります。それは日本国民として認められている権利であるからです。

なやましや。

では、この問題はどうしたらよいのでしょうか。

現時点で、個人でできることを整理すると以下の通りかと思います。

  • 乗合船に乗らない。仕立て船か、ボート釣りをする
  • 分煙の乗合船だけ選ぶ
  • 早起きして釣り座は限りなくミヨシの風上側を狙う
  • 乗船前にコミュニケーションをして風上に喫煙する釣り人がいたら、船長に相談して自分の釣り座を移動させてもらう(ニオイなどで気づく)
  • 満席かつ隣席の喫煙者がかなりのハードスモーカーで耐えきれない場合は本人に丁重に相談する
  • 船宿の経営者や船長と仲良くなって喫煙者と禁煙者の共存を相談する

質問者さんのように日本人は自分の考えをひた隠しにして、表向きはニコニコしながら場の調和を重視する傾向にあります。

「開国してくださいよ。」

というペリーの圧力に対して、とうじの江戸幕府のお偉いさんや役人は、

「えへへ、えへへ、まーなんというかちょっと確認しますんで、まってくださいね。」みたいに笑顔でお茶を濁して、あーいろいろめんどくさ次郎やな、先送り先送り。と思っていたのかもしれません。

これからも間違いなく世界のながれはさらに禁煙・分煙に向かうと思われます。

若い人ほど喫煙をしなくなっている状況もあります。なんせ、若い人はお金を使いません。タバコを買っているのであれば先行きも不透明な日本社会のために貯金をするはずです。

・・・

釣り船も、あと5~10年程度たち、現在のコア層である50~70代の方が自然に少なくなれば、必然的に20~40代の男性にくわえて女性を集客しなくてはいけなくなってきます。

そうなってくると、大多数の人が、禁煙や分煙の船宿を選ぶようになるはずです。

そうなれば、つぶれていない船宿であればどこも禁煙や分煙になっているんじゃないでしょうか。

うーむ。

今回は、けっこう難しい問題でした。

どれぐらい難しいかというと、一歩間違えると、妖怪云々以前に、この記事自体が炎上してモクモクしてしまうわけです。

禁煙者からはもっと頑張って「モクモク法師」を糾弾・追放せよ!と叩かれ、愛煙家からは俺は「モクモク法師」じゃねーぞ!このやろうなめやがって、どつくぞと怒られてしまうわけです。

まー叩かれても怒られても、ORETSURIのアクセス数が増えるので、それはそれでわっしょいわっしょいなんですが、やはり表向きは、あれこれ気にしているようにしておかないと、いろいろと難しい世の中です。

最後に。

妖怪「モクモク法師」と呼ばれたくない人は、やっぱり船宿のルール以前に、乗合船の前提条件である「他の釣り人に迷惑をかけない」を意識して行動したほうがよいと思います。

また、質問者さんのように、釣り船のモクモク問題について強い課題意識を持っている方は、勇気をもって、

「禁煙(分煙)してくださいよ。」

と、船宿にかけあってみるのはいかがでしょうか。

わたしからは以上です。

みんな仲良く。

それでは、よい釣りを。

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

釣り場でみた・聞いた妖怪について平田に解説してほしいときはこちらに質問を

※質問がない場合、エンドレスで過去の釣り場でみた妖怪について勝手に回答していく仕様です。

スポンサーリンク

関連記事

逃避妖怪「ツリイキタイタイ」その実態と対策【シリーズ・釣り場の妖怪】

2019.03.07

これまで解説した釣り場の妖怪一覧はこちら

関連アイテム

<お知らせ>
☀【釣り具半額】楽天スーパーセール開催中!6/11・1:59まで
☀Amazonタイムセール開催中!アウトドア商品がお得

この記事を気に入ったら
いいね!

最新情報をお届けします

TwitterでORETSURIをフォローしよう!