近所の漁港で「アバサー(ハリセンボン)」を釣って食べる。アバサー汁は最高の旨さ!

リンクにプロモーションが含まれます
アバサー(ハリセンボン)の棘
スポンサーリンク

~この記事は約 7 分で読めます~

ハイサイ!沖縄のニッシーです!

今回僕が狙う「ターゲット」は、この魚。

皆さんご存知、「ハリセンボン」です。

水族館で展示されていたり、可愛らしい見た目からファンも多い魚ではないでしょうか。

全国的には観賞魚としての人気が高いハリセンボンですが、沖縄県では「アバサー」という方言名で親しまれる食材なのです。

今日は、「ハリセンボン(アバサー)」を捕獲して食べる話です。

目次

「ハリセンボン」ってどんな魚⁇

「ハリセンボン」は、暖かい海に生息するフグの仲間です。

フグの仲間ですが、毒は持っていません。

全長30センチ程の個体が多く、浅いサンゴの海や港内をのんびり泳いでいるのをよく見かけます。

特徴は何と言っても、身体中から生えた「鋭いトゲトゲ」!

このトゲは鱗が変化したもので、英名は「ポーキュパイン・フィッシュ」。意味は「ヤマアラシのような魚」です。

写真上が「通常形態」、写真下が「膨らんでいる途中」

普段トゲは寝ていますが、外敵に襲われて危険が迫ると、水や空気を吸って全方位に針を立てます。

この全身から生えた「トゲ」が、結構な痛さ!

「痛さ」を我慢して撮影

手に乗せてるだけでチクチクしますが、ちょっとでも圧がかかると出血するレベルの鋭さです。

ちなみに「針千本」という名前ながら、実際の針の数は300~400本弱ぐらい。個体によって針の数は異なります。

「ハリヨンヒャクポン」では語呂が悪いですもんね(笑)

沖縄など暖かい海域に生息しているハリセンボンですが、僕の地元の「島根県」でも数年に一度大漁発生し、定置網にかかって問題になります。

網の中でハリセンボンがトゲを立てることで、他の「漁獲した魚」に傷がつき、商品価値が下がってしまうためです。

実家にある「ハリセンボンのフグ提灯」

ハリセンボンは南から流れる海流に乗って、本来生息していない地域にまでやって来るんです。

とはいえ、極寒の冬の日本海では生き残れないので、こうしたハリセンボンは「死滅回遊魚」と呼ばれます。

「ハリセンボン」を釣ってみよう

さあ、いよいよハリセンボンを狙って釣っていきましょう!

ハリセンボンは、沖縄県内の海岸ならどこにでもいます。

今回は、足場のいい漁港の釣り場を選択しました。

ハリセンボンを狙う「仕掛け」がこちら!

ラインは「細すぎ、太すぎ」でなければ何でも大丈夫です。

僕は今回、「6号のナイロンライン」を使用しました。

実際の写真だと、こんな感じの仕掛けになります。

後で解説しますが、仕掛けに結んだ「ビニール袋の切れはし」がポイントです。

上の仕掛けを使った「釣りの手順」は以下の通りです。

①:上から海を覗いてハリセンボンを探す

堤防を歩いていると、「壁沿い」や「停泊中の船の周り」によくハリセンボンが居着いています。

見つけたハリセンボンをピンポイントに狙っていくのが確実です。

②:ハリセンボンの前に仕掛けを落とす

ハリセンボンを見つけたら、目の前にダイレクトに仕掛けを落としましょう。

驚かせないように、少し遠目に優しく落とします。

③:竿を上下に揺らして誘う

ここでポイントになるのが、「ビニール袋の切れはし」。

「ビニール袋」をちぎってラインに結ぶだけ

ハリセンボンは好奇心が強いので、海中でユラユラする「ビニール」と「ワーム」に興味津々で近づいて来ます。

④:勢いよくフッキング‼︎

ユラユラに夢中なハリセンボンに、フッキングをかけましょう。

仕掛けの下に「ボラ掛け針」がついているので、手首のスナップを効かせて竿を上にシャくるとフッキングが決まります。

後は、引っ掛けたハリセンボンを釣り上げるだけです。

ハリセンボンさえ見つけることが出来れば、簡単に釣り上げることが出来ますよ!

釣り上げた「ハリセンボン」を観察してみる

その後も堤防を歩き回り、足下のハリセンボンをテンポよく釣って行きます!

1時間程釣り歩いたところで、釣果は10匹。

水から上げると、「フガフガ」言いながら空気を吸って、少しづつ膨らんでいきます。

「一瞬で膨らむ上手な子」、「時間をかけてもなかなか膨らめない不器用な子」とハリセンボンにも個性があって面白いです(笑)

手乗りハリセンボン

正面から見ると、とても愛くるしい顔をしていますね。

ハリセンボンは歯がとても鋭いので、口に指を近づけないように注意してください!

海中ではこの丈夫な歯を使って、「貝殻」や「ウニ」をバリボリ噛み砕いて食べています。

ハリセンボンのお腹

ひっくり返すとトゲトゲで、まるで「イガグリ」に見えます。

ハリセンボンの尾鰭

ハリセンボンの尾鰭(おびれ)は、極小サイズ。

小さな尾鰭や胸鰭を「ダンボ」のようにパタパタ羽ばたかせて、ゆっくり泳ぎます。

泳ぎがあまり得意でないので、シュノーケリング中に水中で出会っても簡単に捕まえられます。

今回釣れたハリセンボン達は小型だったので、観察をした後に全てリリース(釣れた魚を逃すこと)しました。

釣り人にとって「厄介な存在」でもある

ちなみに、ハリセンボンを専門に狙う人はあまりいません。

むしろ「厄介者」として釣り人からは、敬遠される存在です。

「ルアー」や「エギ」を投げていると追いかけて来てボロボロにされますし、フカセ釣りでも「餌」を器用に盗んでいくためです。

次回に夜の漁港へ出かけて捕まえた「ハリセンボン」を美味しく食べる頂く話を紹介します。

夜の漁港で「ハリセンボン」を捜索

日中でも釣れますが、ハリセンボンは夜行性の魚です。

より大きな個体を探して、夜の漁港にやって来ました。

探す場所は前回と同様、「岸壁沿い」や「停泊中の船の影」です。

夜の方がより遭遇率が上がる

ヘッドライトをつけて探すと、早速ハリセンボンがいたので捕獲!

夜に見るとトゲトゲの迫力が増して見えます(笑)。

ちなみに今回は効率重視で、ハリセンボンの捕獲に網を使っています。

泳ぎがのんびりなので、後ろからそっと網ですくえば簡単に捕まえられますよ。

その後も1時間ぐらい堤防を歩き回って、すくい上げたハリセンボンは30匹以上!

「ハリセンボン」が大漁

捕まえた中から、大きさが30センチ程度を4匹持ち帰ります。

ビックリして一斉に膨らんだ

残りのハリセンボン達は、観察してから海に帰しました。

「ハリセンボン」は沖縄県では高級食材

全国的に観賞魚としての人気が高いハリセンボンですが、沖縄県では「アバサー」の方言名で親しまれる高級食材です。

ハリセンボンは「フグの仲間」ですが、毒はありません。

大型のハリセンボンの仲間「ネズミフグ」の切り身

食用として市場に流通しているのは、大型になる「ヒトヅラハリセンボン」か「ネズミフグ」がほとんど。

大きな個体だと1匹5,000円近くするので、スーパーで切り身を買う方が多いです。

県内のスーパーで販売されている「アバサー」

食べ方は、「唐揚げ」か「アバサー汁(味噌汁)」がほとんどです。

個人的な意見ですが、僕は「アバサー汁は沖縄県の汁物料理の中で1番美味しい」と思っています。

「ハリセンボン」を解体する

全身を覆うトゲトゲが厄介ですが、手順さえ分かれば簡単に解体出来ます。

以下が具体的な手順です。

①:口の周りを一周するように切れ込みを入れる

皮を剥ぐための切れ込みです。個人的には包丁よりも「キッチンバサミ」がオススメです。

②:口の切れ込みから刃を入れて、皮を切り進める

この作業もキッチンバサミがオススメ。あらかじめ胸鰭や尾鰭周辺に切れ込みを入れておくと、よりスムーズに出来ます。

③:皮をめくりながら、包丁で身を切り離す

ここからは包丁を使用。皮を引っ張りながら身の間に刃先を入れて、解体を進めましょう。

④:「キモ」を取り出して、下処理が完成!

ハリセンボンの「キモ」は極上の味。食材として使うので、捨てずにとっておきましょう。

身体の大部分が皮

解体後の写真を見て分かる通り、皮を剥ぐとハリセンボンの身はほとんど残りません(笑)

同じ要領で、持ち帰った4匹をそれぞれ解体!

ショッキングなお顔に…

あんなに愛嬌があったハリセンボンの顔も、まるで「地球外生命体」のような見た目になってしまいました(笑)。

絶品の「アバサー汁」を作る

いよいよ「アバサー汁」を作っていきます。

手順は以下の通りです。

①:下処理したハリセンボンを一口大にカットする

キッチンバサミを使用。身を食べやすいサイズに切り分けます。

②:沸騰したお湯に身を入れて煮込む

15分前後煮込みます。アクが出るので取りましょう。

③:「キモ」をすり潰す

「キモ」と「泡盛(大さじ1杯)」を小鉢ですり潰しましょう。この「キモ」がアバサー汁最大の魅力です。

④:②の鍋に「③のキモ」と「ネギ」を入れて煮込む

「味噌」と「塩」で味を整えて、5分前後煮込んだら完成です。

完成した「アバサー汁」を実食

完成した「アバサー汁」を早速頂きます!

表面に浮かんでいるのは、すり潰して細かくなった「キモ」です。

まずは、ダシがしっかり出たスープから。

「うまいっ!」

細かい「キモ」の一粒一粒がとても濃厚で、とにかく美味しいです!

「ハリセンボン」の身

「身も最高!」

見た目、味どちらも「フグ」そのものです!

上品な白身にしっかりと味がしみ込んでいます。

この旨さは、実際に食べてみないと伝わらないのが残念です。

「アバサー汁」は、海鮮料理が豊富な食堂であればメニューにある場合が多いです。

価格はだいたい1,500円前後とやや高いですが、観光で沖縄に来られた際はぜひ食べて見てくださいね。

それでは、また!

※本記事はニッシーさんの「【沖縄冒険日誌】しままやー」を転載・再構成したものです。

寄稿者

ニッシー

ニッシー

使用タックル

・ロッド:プロマリン「テトラ大物EX150M
・リール:シマノ「チヌマチック1000XT」
・ライン:ナイロン6号
・ルアー:ジグヘッド+グラスミノー(S)

関連アイテム

ORETSURIフィールドレポーターについて

<お知らせ>
🌊Amazonタイムセール! 釣具も安い!
🌅楽天スーパーDEAL-人気アウトドア商品もポイント高還元!
🐙Yahoo!ショッピングならPayPay毎日5%還元!竿とリールが超得!
アバサー(ハリセンボン)の棘

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

記事をシェアしよう!
目次