「ハゼは誰にでも釣れる釣り」というけれど・・・@金沢八景・平潟湾・野島駅下

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野島前の水路
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一年に2回ぐらいハゼを釣りたくなる。

季節は、晩夏から秋。

具体的には8月末~10月初旬ぐらいまで。このシーズンは、ハゼのサイズが大きくなってくるのと、深場に落ちてアタリがでなくなるという状況の手前、そんなときに暇をみつけては釣りにいく。

が、今年は気づいたら10月も末になっていた。

歳を重ねると相対的に月日の巡りが早く感じられるようになる。気づいたら、年末。気づいたら、年明け。気づいたら、春。気づいたら、夏。気づいたら、秋。気づいたら、おっさん。

かなしさ。

これを先人たちは味わって生きて、死んでいったんだろう。そんなことをTwitterをたらたら眺めながら考えていると、大学生の大井さんが、ハゼ釣りにいくようだったので便乗してみた。

なんていうかTwitterは楽だ。おかっぱりも楽だ。

ここで釣りしてるよー、みたいなことをツイートしておいたら、それを見た人が合流できたり。最近はめっきりFacebookからは姿を消し、Twitterに沈殿している。

大井さんは、大学の友達と金沢八景の侍従川にいるとのこと。侍従川のほとりには関東学院大学があって、その近くには「神豚」という二郎系ラーメンがある。たまに行く。

晴れていい日だな。

川沿いを歩くと、釣り人であれば必ずのぞく。

カタクチイワシのような群れがワイワイしている。イワシは基本的には魚の餌になるんだけども、そういったこととは露知らず、授かった命を謳歌している。

ああ、シーバスのエサだなと思って、周囲にスズキがいないかきょろきょろしてみる。

さらに川を下って、大井さんはどこにいるのかなとおもって顔を上げてみる。

と、左岸に釣り人らしき人がいるので、そちらへ、よちよち歩いていく。

すると、やはり大井さんと大学の友達だった。

まー、こんなところで釣りをしている人はほかにいないよね。と、思ったのでそれを口にしてみると、大井さんは「去年はすごい居たんですけどね。でも、今日は平日だからかも」みたいなことをいう。

そっか、平日っぽくないけど、平日だったか。わたしには曜日感覚があまりないので、そう思うことが多い。

大井さんは続けていう。

「平田さん聞いてください。さっき、釣れたハゼ(チチブ)をリリースしようとおもったら、でっかいシーバスが食ってきたんですよ!」

わたしは、「へー、馬路で!」といういつもの決まり文句をいう。

が、そこで驚いているかというと、まーそんなこともあるよねーとぐらいしか受け止めていない。むしろ考えていたのは、大学生と自然にはなしてんなー、俺。違和感なく、さらりと一緒に釣にいけるって、考えると素晴らしいことなのかもな。

そうこうして、釣れないので平潟湾へ。

平潟湾は金沢八景の駅前に広がる湾で、かなり浅い。牡蠣殻と岩礁地帯と砂泥エリアで構成されているのだが、ハゼ釣りのメッカとして横浜界隈では有名。

普段は関東有数の、いや全国でも有数の船宿集積地帯である。

名づけるならば、「フナヤドバレー」とでもいうだろうか。ま、いわないけど。

いつもは船釣りファンでにぎわっているこの平潟湾界隈も、晩夏にハゼ釣りがシーズンインすると、そこかしこで、ちょい投げをする人を目にする。

湾の特徴からしても、立ちこんでのべ竿で釣りをするというスタイルではなく、ちょい投げが多い。

8月末~11月ぐらいまでがシーズンではある。

それ以降は、ハゼは平潟湾の出口をでて、さらに水深がある八景島界隈まで落ちていくと言われている。俗にいう「落ちハゼ」というやつである。

初秋以降、水深が浅いところから徐々に水深が下がるのを、きっとハゼたちは感じ取るんだろう。

水中のハゼ同士がこんな話をしている。

「そろそろか」

「もう落ちようか」

「肌寒い」

わけはないんだけど、まー個体差はありながらも、深いところに向かう。それが平潟湾であれば、湾内っていうよりも、野島との水路だったり、その先にある八景島界隈の航路だったり。

実際には、八景島界隈にたどり着く前に、めんどくさくなってしまって、野島の水路あたりの砂泥底穴をほって冬を越す個体が多いのかもしれない。

釣りは、こんなことを想像するのが面白い。

この落ちハゼを待ち受けている運命は、釣り人による狙い撃ちだけでない。金沢漁港あたりをぬけると、そこには彼らを待ち受けている、マゴチやヒラメがいる。

11月も過ぎて、12月になっても、八景島界隈ではマゴチがよく釣れる。「むしろ、夏場より冬とか春のほうがマゴチ釣れるかも説」というのが金沢漁港の相川ボート勢では唱えられている。

さもありなん。

冬になっても、航路筋やかけあがりにはハゼの絨毯ができている。

目の前に餌の絨毯があるならば、食べたくなるのがマゴチの心情である。それは深場に落ちないで、浅場でパクパクしてるよね。

ということで、マゴチ釣りが好きな人は、相川ボートにいってハゼの泳がせをしてり、ルアーマゴチをやればいいと思う。

さて。

平潟湾でハゼ釣りをしようと思った一行がたどり着いたのは、平潟橋の近く。

ベンチもあって、足場がいい。

近くでカップルがちょい投げでハゼ釣りをしているようなので、距離をとってやってみることに。

地形は手前20mほどに牡蠣殻エリアがあり、その先に根混じりの砂泥エリアが広がっていると思う。「その先に」というところは想像。

ハゼ釣りにむずかしい仕掛けはいらない。

かんたんなものであれば、スナップサルカンにナス型オモリ5号をつけて、サルカン部分にハリス付きのハゼ針を10cmほどつけてしまえば、簡易胴付き仕掛けになる。ミャク釣り仕掛けと呼んでもいい。

ははーん。

これは釣れるな。

投げて着底したら、周囲にいるでろうハゼの注目をあつめるために、軽く竿をあおるようにして、誘い、ストップ。どんな釣りでも食わせの間というのが大切なんだよ。

あおる。

ストップ。

間。

あおる。

ストップ。

間。

これを2キャストほどしてわたしは気づく。

もしかして、ここに、ハゼがいないかもしれないという仮説である。

わたしも馬鹿ではない。もう37年も生きてきているし、ハゼ釣りだってもう何度やったかわからない。だから、やる気のないハゼは釣れないということと、ハゼはだいたいいたら誰かが口を使うということは知っている。

が、アタリなし。

ということで、早々に見切りをつけてネクストステージへ。

見えにくいが、手前の牡蠣殻エリアには、弛緩したシーバスやクロダイがいる。

手前には岸壁の際の藻類かなにかをホゴホゴ食べているボラ。

一応、シーバスやクロダイを見つけるごとに、「お、大井さん、あそこにシーバスがいるよ、投げてみなよ」に大井さんをけしかける。

すると、大井さんは「あ、デカいっすね」みたいなことをいって、イソメがちょこっとついたミャク釣り仕掛けをシーバスやらクロダイの鼻面に直撃させるという体たらく。

誰も真剣に狙っていないということがわかる。

むしろ、休んでいるシーバスやクロダイにとっては、嫌がらせ以外のなにものではない。ごめんな。こんな俺たちで。ゆるせよ。

平潟湾は釣り禁止ではないが、シーサイドラインの線路付近などは投げ釣り禁止なので注意したい。ストラクチャーについたシーバスを狙いたいのはわかるけど、危ないのでね。

と、大井さんが、わけのわからないことをやっているぞ。

こいつなにやってんだ。

???

うれしそうな大井さん(大学生)

えーっと、シーバス用のけっこういいルアーを回収したらしいです。

誰かが高切れしたんでしょうな。

つづいて、わたしの勘をたよりに「八景橋」へ移動。

野毛屋や小柴丸が出船しているエリアである。

タイラバやりたいなー。アカメフグ釣れてるかなーと思ってしまう。が、今日はハゼだから。俺はハゼだからと言い聞かせて、釣る。

釣り船にむかって投げてはいけないよ。

この平潟湾との合流地点の底を想像する。

えぐれてる。

容易にそのあたりはわかる。だからそのエグレをたどって、ハゼが河川から湾へ出ていくはずだからそこを狙おう。おう、そうしよう。

さて。

あ、さて。

さては南京玉すだれ。

プルプル。

すんごいちっさいアタリがある。明らかにマハゼではない大きさ。

針がかりしているのか、ただイソメをかじっているだけなのかわからないサイズ感。チチブかな?

巻いてみると。

貴殿でしたか(アカオビシマハゼ)

ふぅ。

マハゼと生息域がかぶっているハゼながらも、マハゼのほうが餌をとる力が強いので、この方が釣れるとなると、もはやマハゼは深場落ちしたのでは。もしくは、先日来の大雨で湾内に大量の冷たい雨水が流れ込んで、魚全体の活性がさがっているのではあるまいか。

沈黙の平潟湾。

これは釣れないなということで、リーダーシップを発揮して、移動。野島駅下の水路に行くことに。釣りをはじめてから、大井さんの友人2名がパーティにゆるめに参加して、全体で4名。おっさん陣営のわたしと、大学生3名。

何を話そうかと迷ってしまうあなたは、まだまだコミュニケーション能力が足らない。コミュ強を自称するわたしは軽快に魚釣りの話から、彼らの大学生活をキャッチアップしようとするが、なにをいっても、笑ってごまかされてしまう。どうしたコミュ強。

ふりむいたら、大井さんしかいなくて、ほか2名が失踪。

どうやら、コンビニで昼ご飯を買っていたようで、のんきでなにより。ゆるめのリーダーシップってやつですよ。おほほ。

そしてここが野島の水路。

金沢八景出船の釣り船に乗った人は必ず通る道。

幾人が大漁の予感に胸を高鳴らせて沖へいったのか。

幾人がボウズの悲しさ、くやしさを胸に家路をたどったのか。

いきはよいよい。かえりはこわい。

この水路では、メバルやアジ、イワシが釣れる。またマアナゴも、湾内外を行き来しているようで、釣れる。アカエイやクロダイやシーバスあたりはそこら中にいる。

そんなポイント。ハゼはどうなんだろ。

橋の上での釣りは「ご注意」とあるが、通行人もいるので控えましょう。

対岸の公園で釣りをしている、岸釣り武者のおっさんがいたので、ええやんけと横に入ろうとしたらこの看板。まーだれも子供がいないけども、ルールはルールですし。

ということでやってきたのは、野島の駅下(脇)。

釣り船で15時あたりに沖上がりでクタクタになって帰ってくると、このあたりで釣りをしている人が多くいて、イワシや豆アジを狙っていたりする。

コマセが年百年中まかれているので、小メジナやウミタナゴなどが居ついている。

よくみると、45~50cmぐらいのブラッキーなクロダイが所在なげに行ったり来たりしている。これは、牡蠣殻エリアで餌をとっているんだろう。夜釣りでヘチ釣りをしたら釣れそうだな。

野島の駅下を金沢漁港方面にあるていると、空き地があって、釣り人が多くなる。

地面や手すりにしみ込んだ積年のコマセ臭がくさい。

ちょうど、午後船が返ってくる時間帯で、航路の奥になげるのは忙しくなる。

なので、素人は手前に投げる。

が、ここで横目で見ると、野島駅下の常連衆と思われる爺様連は、船が通り過ぎるギリギリをふまえているらしい。釣り船が通り過ぎても、そのままでしかけも無傷。あら不思議。長年の勘なんだろう。

匠の技である。

それにしても、ハゼのあたりなど一度もない。

ウミタナゴが釣れたり。

底は牡蠣殻地獄なので、しばしばこのような状態になる。

もう、ハゼはあきらめて、ちょい投げして置き竿しておこう。

横目で、匠の技を拝見して、仕掛けの距離を調整。

ふわー。ひまだなー。

こりゃ夜だな。暗くなったらだろうなこの場所で釣れるのは。

右側でサビキ釣りの人が豆アジを釣っている。

と、

竿先がぴょこぴょこ動く。

もしかして、マハゼ???

・・・

・・・

・・・

貴殿でしたか(ピンギス)

このシロギスは大井さんによるマゴチのぶっこみ釣りの餌になったが、尾が蟹のような生き物にかじられてターンエンド。

すべてに釣り船が帰還。

夕闇が近くなったもんだ。

保育園に息子を迎えにいくために、途中退席。

それにしても、ハゼって、だれにでも釣れるイメージがあるけど、時期などによってはまーったく釣れないので、ちゃんと情報をキャッチアップしてからいかないと無駄足になるな。

という気づきを得た釣行だった。

みなさんも、平潟湾とかにハゼ釣りに行くのは無駄なので、やめましょう。

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

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