身近なタイドプールや岸壁にひっそりと生息している「イソスジエビ」は、魚にとっても良い餌ですが、人間が食べても美味しい食材です。
今回は、「イソスジエビ」のかんたんな捕獲方法と料理レシピを紹介します。
イソスジエビについて
イソスジエビは、テナガエビ科に分類されているエビです。体長5cm前後でメスのほうがやや大き目。
産卵期は春から夏で、梅雨前後は特に繁殖のために、群れやすいので捕まえやすいと言えます。
この時期に捕獲すると多くの抱卵したメスが混ざります。
スジエビは、淡水にもいて本種にそっくりなのですが、全体的なサイズはイソスジエビの方が大きく、よく見るとシマのパターンが異なります。
他のエビやカニ類と同様、夜行性。昼間は捕食者から逃れるために、障害物の隙間にいることがほとんど。
夜になるとエサをもとめ障害物の面に出て周辺を徘徊します。
食性は雑食で、魚介類の死骸など、動物系の餌も良く食べます。
<イソスジエビとよく似たエビ>
- ユビナガスジエビ:両爪がやや長く、尾部の黒縞がない(淡水のテナガエビの幼体に近い)。河口域に多め
- スジエビモドキ:尾の黒縞がイソスジエビより少ない
※実際は3種が混ざって獲れます。
イソスジエビが生息している場所
タイドプールはイソスジエビの宝庫
イソスジエビは、外洋の磯場に多いエビです。小規模な磯にあるタイドプールでもよく見られます。
比較的潮通しが良ければ、堤防や岸壁などでもよく見ることができるエビです。
イソスジエビが生息している場所には、他にもヤドカリ類、イシガニ、イソガニ、ショウジンガニなどが生息しています。
イソスジエビの捕獲方法
イソスジエビは、厳冬期を含めて周年捕獲できます。
効率的に捕獲する場合は、梅雨前後の産卵シーズンがオススメです。夜間であれば岸壁などに大量に群れているためこれを採取するとよいでしょう。
昼間は隙間にいることが多く採取しにくいので、できるだけ小型の網を使うのがオススメ。
夜間の採取の場合、ヘッドライトなどをあてると、イソスジエビの眼が光るので、そこに網をいれましょう。
それほど動きは素早くなく、警戒心も高くはないので、ゆっくり尾側からネットを近づけ、頭側から手や足で追いこんですくいましょう。磯場などは貝殻などで尖っているためネットの扱い方をあやまるとすぐにやぶれてしまうので注意が必要です。
小場所でイソスジエビを捕獲する場合、一番お手軽なのは観賞魚用のネットを使う方法です。
程度フラットな岸壁などでは、平らな部分押しつけられるネットを使うと沢山とれます。また、磯場ではガード付きでないとすぐに網が傷んでしまうので注意しましょう。
イソスジエビ自体は、かなり大量に生息しているので、獲りつくすことはないと思いますが、食べきれるだけ持ち帰るのを心がけるとよいでしょう。
イソスジエビの持ち帰り方
捕まえたイソスジエビは、移動距離が少なければ2Lのペットボトルに海水と一緒につめて活かして持ち帰ることができます。
酸欠や熱に極めて弱いので、夏場の場合は保冷剤などで冷やしながら持ち帰るとよいでしょう。
移動時間が長い場合は、生き餌用の小型クーラー(ポンプ付き)を利用するとバッチリです。
イソスジエビは釣り餌として活用できる
イソスジエビは、魚にとって手軽にたんぱく質等を摂取できる餌でもあります。
活かした状態で細めの針につければ、独特の動きもあるため、効果的な釣り餌としても使えます。
アオリイカの胃袋からでてきたイソスジエビの残骸
<イソスジエビで狙える主な魚>
- メバル
- セイゴ、フッコ(鈴木)
- カサゴ
- メジナ
- ウミタナゴ
- フグ類
- ベラ類
※オキアミを食わせエサとして使うような釣り物すべて活用できます。
イソスジエビの料理法・レシピ
下処理
余裕があれば、持ち帰ったイソスジエビを海水と一緒に数時間放っておきましょう。すると、体内の糞が排出されます。
その後、塩をまぶして軽くこすり、流水で洗い流すと汚れがとれます。
気にならなければ、軽くゆすいでそのまま料理に使ってももちろん大丈夫です。
イソスジエビのアヒージョ
スペイン料理店では、よくエビのアヒージョというメニューがありますね。
イソスジエビでつくってみるのも美味です。
トーストしたバケットと一緒に食べると白ワインによく合います。
イソスジエビの素揚げ・かき揚げ
他のエビ類同様、揚げると香ばしく食べられます。
素揚げにして塩を振り、レモンを絞ってもビールによく合います。
また、タマネギ・葱・三つ葉などと一緒にかき揚げにしても実に美味。
イソスジエビのかき揚げ丼
イソスジエビをかき揚げにして甘辛いタレをまぶして丼に盛り付けたもの。実に美味。
イソスジエビのかき揚げ天茶
イソスジエビのかき揚げと米をあわせ、ほうじ茶をかけたもの。味付けは白出汁がオススメ。
イソスジエビは誰でも簡単に捕まえられるターゲット
今回は、身近な釣り場の足元にかなり生息しているイソスジエビについて紹介しました。
夜釣りをしていて、帰り際にライトを照らすと光る眼。
いつもは見逃しているかもしれませんが、獲り過ぎない程度に持ち帰って料理してみるのも楽しいですよ。
活餌としてフカセ釣りなどに使うのもおすすめです。
イソスジエビが出てくる動画
関連アイテム
▼子供連れで遊ぶときは昼間がベストです。ライフジャケットも適宜。
▼夜の採集はヘッドライトとランタンがあると便利
▼網は小さいものと大きいものがあるとあれこれ攻めやすい
▼持ち帰る距離があるときはクーラーボックスで冷やしながらor氷締めして持ち帰るのがオススメ
▼天ぷらを揚げる時は50%かどや銀印を投入。これで人生が変わります