これはコロナ騒ぎになる前の春先での出来事です。
シーバス狙いで、ウェーディングをしたんです。
その日は夕方からポイントに入り、下げ潮から入りはじめました。
ちょうど深夜0時頃が上げに変わるタイミング。
そこから深夜まで粘っていました。
バチ抜けも重なり、小ぶりのを1本釣ってさらに大型を狙って遅くまでやっていると、あたりが急に霧につつまれ、何も見えなくなってきました。
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さすがにそろそろ危険だな。
そう思い、納竿しようとした矢先。
30メートルぐらい先に、ウェーディングしているアングラーがみえました。
…あれ?
あんなとこに先行者いたかなぁ。
そう思っていたんですが、しばらく観察していると、その人の様子がおかしいんです。
まず、ルアー交換などでヘッドライトを使用しているようなんですが、一切ライトが点灯しないんです。
そして、キャストの音がしない。
ただ、ひたすらリール を回している感じがしました。
さすがに、変だなぁと思い、「すいませーん!」と大声で叫んでみると、応答なし。
まぁ、よほどの釣りキチガイもいるもんだな、そう思い、岸に上がろうと背中を向けると、今までにない寒気というか何かの気配を感じました。
少しだけ振り返ってみると、さっきアングラーが体勢はそのままで音もなく近づいてくるように感じました。
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霧が凄くてライトでガンガンに照らしてやっと進めるのに、ライトも無しでこちらに近づいてくることに恐怖を感じはじめたので、急いで車まで戻りました。
先に別ポイントでウェーディングしていた友人が戻っていて、この出来事を伝えると、「この潮の流れでそのポイントにウェーディングできる人なんて絶対いない!」とのこと。
何故ならそこは水深3メートルぐらいはあるんだとか。
もし溺れていたらヤバイので、確認しにいくとの事。
かなり怖かったので私は待っていることしました。
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しばらくして友人が戻ってきて、「誰もいないじゃん!心配して損したわー」と言って後ろを向いたとたん、私は背筋が凍り付きました。
友人のウェーディングベストの背中に、泥のような手形が付いていたのです。
私は何も見なかったように、サッと拭いてやりましたが、以降、そのポイントでの釣りはしていません。
※投稿いただいた釣り場の怖い話は編集部で編集して紹介しています。写真はイメージです