今回はカワハギ料理なんですが、主に肝醤油で食べる刺身以外の話をします。カワハギといえば最初に思い浮かぶのが肝パンを釣っての肝醤油だと思うのですが、煮ても焼いても旨いわけです。でも、どんな料理がいいんでしょ。そんなあなた向けの記事です。これはというものがあったら今度作ってみてください。
カワハギの肝醤油は旨いが飽きる
どん。先日鴨居大室港の五郎丸さんに乗って釣ってきたカワハギとトラギスです。
カワハギについてもガチ勢ではないので、まだ、うんじゅう枚とか釣りあげられる腕はありません。このときは、11枚。ようやったなーと個人的には思う釣果です。五郎丸さんは生アサリなんですが、やつぱりカワハギ釣りには生アサリですね。ほんと。
餌がつけやすいし、餌もちが違う。
この2点って、カワハギ釣りではほんと重要なんです。極寒のなか、かじかんだ手で餌をつけるときにつけやすければその分、仕掛けを投下する回数も増えますし、カワハギや貴殿たちについばまれてもエサは残りやすい。結果、本命のヒットにつながりやすいというわけで。
東京湾の各船宿の釣果をみていると、久比里勢が異様に釣っているんですよね。
なぜか。
あれは、名手が集結している&地場のポイントを攻められる&生アサリだからの3点なんじゃないでしょうか。カワハギ釣りをはじめていきなり名手になるのは無理があるので、あとは地場のポイントを攻められる点と生アサリが手に入るという点がある船宿にいけばいいんだと思います。
あとから考えると五郎丸さんはその2点を満たしていたなーと思います。とくに名手が多かったという印象ではないです。
それか、生アサリを剥くスキルを身につけてから竹岡沖を主戦場とする各船宿にいけば釣果もだいぶ変わるはずです。これほんと。
と、釣りの話をかなりしてしまったんですが、たくさんカワハギが釣れると、ちょっと考えようなのが料理の話ですね。
肝醤油はそれほど長期間たべられるようなものではなく、適切な処理をしてせいぜい翌日が限度なんじゃないでしょうか。腸の内容物とふれないようにして、胆のうをつぶさず切り離し、日本酒に漬け込む。
それで翌日中ぐらいがデッドラインで。3日目でも漬け込んでいるものは食べられるものの、生だと独特の臭みがやや多くなってきているので、加熱して食べるのが良さそうです。
いずれにせよ、カワハギを肝醤油で食べるのは当日or翌日ぐらいになるんですが、自家消費で11枚食べるのは少子高齢化社会における救世主、スーパー子沢山家族6男4女平田家に蜜着!とかの家族規模でないとキツメイシというわけです。
肝醤油ってのは脂肪分で味が濃いんだけど、その分飽きがくるわけなんです。
こういうことをいうと、「俺は肝醤油好きだし、武力も90以上あるので、カワハギ11枚ぐらい余裕のよっちゃんで食べられる」みたいなことを言う人がでてくるんですが、落ち着いてほしい。お前の話は誰もきいてないんだ。以後はちゃんと相手のニーズやマーケットをふまえて生きていってほしいです。
さて。
生で食べる刺身や肝醤油は飽きる。ならばどうしたらよいのかというと、「煮るなり焼くなり・・・」の言葉がある通り加熱です。
淡白なカワハギの身は肝醤油がなければ単なる白身。
持ち帰ったカワハギはむき身にして血合いをきれいにして水分をぬけばかなり保存性が高い
アラは捨てずにダシや骨煎餅あたりに利用する。目玉はくりぬこう。
オススメは唐揚げなんですが、他にないのかと問われれば、そうですね、煮付けと味噌焼きと鍋がございますなーと提案したい。ってことで具体的な料理を紹介していきます。メモとシェアの用意はよろしいか?
「カワハギの煮付け」には肝をさっといれよう
まずはカワハギの煮付けから。煮付けと煮物は厳密にいうと定義が違うんですが、まー細かいことはいいなさんな。
まず、多少寝かせた身をフライパンにいれる。このとき薄皮はついていてもOK。
熱湯をかけて霜降り処理をする。
実施んところ、鮮度がよいカワハギはあまりニオイがない。
とはいえ、そこはかとなくカワハギ臭があるのを落としたい場合はこの処理をしましょう。ある程度時間がたった個体も必須です。皮がないから、やぶけて見栄えが悪くなるなどの心配はないので、容赦なくわきたての熱湯を注ぎながら、思う存分霜降呪文を唱えるとよいと思います。
煮汁。
このあたりはすこし料理をかじっていると、「黄金比がどうだ」とか一家言ある人がちらほら出てくるんですが、まー適当でいいです。甘じょっぱくなっていればいいと思います。しょっぱいのが好きな人は醤油を多めに、甘辛いのが好きなのであれば醤油と砂糖を多くする。反対に薄味の場合は、砂糖をいれないでしょうゆも少なめにするなどで対応ができます。
ポイントは水をいれないで、酒を多めにすること。水あめもいれた方が仕上がりの照りがよくなります。東肥赤酒はだまされたと思って入れてみましょう。仕上がりが違うんだから。
材料は分量が多い順に以下の通り。
- 安日本酒
- 東肥赤酒
- しょうゆ
- きび砂糖
- みりん
- 水あめ
冬ということで甘辛く炊くとうまい葱をともに。生姜はいれすぎると土っぽい味になるのでほどほどに。梅干しをいれてもよいです。
柚子皮をいれるの香りがついてよろし。
水あめは常温ではとけないので、スプーンですくって溶かし入れましょう。
落し蓋としてキッチンペーパーをつかって、沸騰したら中火で10分。
まだ膨らんでない卵と肝は残り2分のタイミングで投入。
肝は熱を通しすぎないように仕上げる。鮮度がそれほどでない場合はちゃんと加熱しましょう。
10分後できあがり。
最後に強火にして水分を飛ばしつつ、煮汁が吸いこんだキッチンペーパーをはけがわりにして表面に塗るとよい照りがでますぞ。
みるからにうまそうである。
肝と卵には七味唐辛子をかましておくと乙。
10分の短時間煮付け法によってソフトに仕上がったカワハギ。飯がすすむ君。
このように、身+肝+柚子皮+七味で食べると、あらおいし。いいよいいよ、フォアグラ感がでてるよ。
白飯をかきこめるおかずのできあがりです。
ハギ鍋(水炊き)にはトラギスも入れてもいいんじゃない
カワハギのナベはハゲ鍋と言われるんですが、関東の場合はカワハギを「ハゲ」とはいわないことが多いんでカワハギ鍋とか、ハギ鍋と呼んでおけばよいかなと。
カワハギを鍋にする場合は、「肝土手鍋」というのがオススメなのですが、水炊き系のさっぱりしたものもまたそれはそれでうまい。
この通りブツ切りにしたカワハギとトラギスが具材です。
トラギスは天ぷらにしたほうが旨いものの、良型サイズの数が少ない場合はこのように鍋の具材にしてしまうのも一つ。
出汁は昆布とカワハギのアラでとりましょう。アラは梨割にしてから、一旦霜降り処理することで臭みがぬけます。安日本酒をドバドバっといれてね。
あとは四の五の言わず、炊けばいい。
酒好きの人はレンジで熱燗をかませばいい。
できあがる。
トラギスの身はやや柔らかいので鍋の中でほぐれないようにする
あとはもうポン酢をかけてメガネを曇らせながら食べればいいんです。
メガネをかけてないって?あ、そうっすか。
「カワハギの肝油辣椒味噌焼き」は白飯の友達
なんだか難しい料理名が出てきましたね。まーカワハギに味噌つけて焼くことはイメージができるはずです。
このローカンマブランドのユ―ラージャン(いろいろある)を使います。今回は玉ねぎ入りラー油。玉ねぎの天ぷら系の香ばしさがあるほとんど辛くないラー油です。
このラー油と味噌、肝、砂糖、みりんを混ぜ合わせる。だまされたと思って混ぜ合わせましょう。
するとこのようにディップソース状になる。むしろこれだけでキュウリなどをつけると滅茶旨いのは内緒です。
そこに血合いを丁寧に取り除いたカワハギを用意。薄皮はそのままで大丈夫。
あとはアルミホイルのに乗せて、肝油辣椒味噌を塗りたくる。ほら遠慮せず多めに塗ろうよ。塗り放題だから。
で、炙る。
オーブンでもトースターでもガスコンロでも。全体的に加熱されるものであれば大丈夫。
長ネギに火が通り、カワハギの表面も適度に焦げて香ばしい風貌になったところでフィニッシュ。ラー油に肝油が融合したものが白飯を呼ぶ声がします。
UPで見せたろか?
どん。
タンドリーチキンみたいな気配も漂っていますね。
この身はきれいにほぐれるのでつまんで、食べる。
白飯と食べる。
酒の肴に食べる。
旨い。旨い。旨い。旨い。旨い。旨い。旨い。
7回旨いといいました。
辛さはなく、香ばしい旨みが淡白なカワハギの身の総合力をあげていて実に頼もしい味わい。
カワハギは柚子味噌焼きという技もあるので気になる人はチェックしておいてください。
とはいっても、カワハギは肝醤油の刺身も外せないよね
肝醤油の刺身は飽きるものの、やっぱり外せないものでもありますねぇ。
なんだったら余った刺身を肝醤油に投入してそれを熱々の白飯にのっけて、これまた熱々の昆布だしをかけ、柚子胡椒を効かせて食べるだし茶漬けにしてしまうのも手です。
夜遅くにおなかがへったら食べたいヤツだ。
まとめ
今回はカワハギを煮るなり焼くなりしてみました。
たくさんカワハギを釣るとやや料理に困るのですが、肝醤油の刺身と唐揚げ以外に煮ると焼くを覚えておくとバリエーションを増えて数日は飽きないと思います。
鍋については、カワハギの個性を出すならば、味噌仕立ての「肝土手鍋」にしてしまったほうがいいかもしれません。カワハギの身は淡白なので、肝や味付けを濃いめにすることで存在感がでる料理になるわけです。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)