青魚・赤身の魚を釣って食べる人は「ヒスタミン」食中毒に注意!!【原因・症状・対策】

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魚種別ヒスチジン含有量
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先日、北海道でキハダマグロの刺身を食べた男女がヒスタミン食中毒で被害を受けた。

札幌市は3日、同市中央区南6条西15丁目の「東光ストア西線6条店」内の魚介類販売テナント「山長」で1月31日に販売されたキハダマグロの刺し身を食べた10~82歳の男女30人が、下痢や頭痛などの症状を訴えたと発表した。全員快方に向かっているという。市保健所はアレルギー症状を起こすヒスタミンによる食中毒と断定し、このテナントを3日から5日まで営業停止処分とした。東光ストアは営業している。

出典:https://www.asahi.com/articles/ASL2355LCL23IIPE01N.html

釣り人にとってもヒスタミン食中毒は、身近なものなので原因と対策について覚えておこう。

目次

ヒスタミン食中毒とは?

釣り上げた魚にはヒスチジンというアミノ酸の一種が含まれている。

出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/index.html

ヒスタミン産生菌が出す酵素によりヒスチジンがヒスタミンに変換され生成される。

このヒスタミンの濃度が高まった魚を食べると人体に作用し中毒が生じる。

ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。
ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌(例、Morganella morganii)の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。
そのため、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。
ヒスタミンは熱に安定であり、また調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。

出典:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130677.html

世の中には加熱信仰があり、火を通して加熱すればどんなものでも問題なく食べられると語られることがあるがヒスタミンは熱を通しても分解されない点に注意が必要だ。

ヒスタミン食中毒の原因になりやすい魚とは?

出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/index.html

こちらは東京都で実際にヒスタミン食中毒が発生した際の原因魚種だが、カジキマグロをTOPにマグロ、ブリと続いている。

カジキやマグロなどは、あまり釣り人にとってなじみがないことが多いが、鯖やブリ(幼魚含む)などの青魚は堤防釣りでも船釣りでもよく釣れる魚だ。

サバなどは、もともと「サバの生き腐れ」という言葉があるように、自己消化力が高く釣ったそばから腐っていく。ヒスタミン中毒だけでなく、アニサキス症の被害もあるため、取り扱いに注意したい。

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出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/index.html

本マグロの赤身が最も高濃度のヒスチジンをもっているが、釣りで一般的なターゲットでいうと、ブリ、サバ、マイワシ、アジあたりだろう。これらの魚を釣った際は注意したい。

ヒスタミン食中毒の症状

多くの場合、食べた直後から1時間以内に、顔面、特に口の周りや耳たぶが赤くなったり、じんましん、頭痛、おう吐、下痢などの症状が出ます。重症の場合は、呼吸困難や意識不明になることもありますが、死亡事例はありません。

出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/index.html

サバを食べて蕁麻疹がでた経験がある人もいると思う。あれらは鮮度が低かったり、適切な取り扱われ方をしないで流通した魚を食べたせいなのだ。

死なないとはいえ、つらい思いはしたくない人ばかりだと思うのできちんと対策したい。

ヒスタミン食中毒への対策

厚労省のサイトが詳しい。

 ・ 魚を購入した際は、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管するようにしましょう。
・ ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去しましょう。
・ また、鮮度が低下した恐れのある魚は食べないようにしましょう。調理時に加熱しても分解されません。
・ ヒスタミンを高濃度に含む食品を口に入れたときに、くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じることがあります。  この場合は、食べずに処分して下さい。

出典:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130677.html

対策としては、まず夏場は細菌の活動が盛んになるので注意が必要だ。

釣り場には氷を多めにもっていき、サバなどの青魚の場合、釣った直後に締めてエラや内臓は海に捨ててしまおう。

その後も潮氷をいれたクーラーボックスにいれて早めに持ち帰ったほうがいい。

帰宅後は常温で取り扱わず、すぐに冷蔵・冷凍して食べるとよい。

船釣りや波止釣りなど、釣った魚が死んでいるのにいつまでも水汲みバケツに入れたままの釣り人をみるが危険だ。

くれぐれもドヤ顔で「フライにすれば大丈夫」などと誰かにいったり、思い込まないようにしよう。

またヒスタミンが高濃度に生成された刺身などは、舌にびりびりする感触を感じることもあるようだ。

釣り人の場合は自分で釣った魚の後工程を知っているが、飲食店、とくに安売りの居酒屋などでは鮮度管理が不明瞭なところも多いと思う。

青魚・赤身の魚に違和感を感じたら食べない。これが身を守るすべなのかもしれない。

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