釣りの代表的トラブル『ラインクロス』とは?
ラインクロスは別名『クロス』とも呼ばれ、主に投げ釣り(ルアー含む)で他の釣り人とラインが『X状』に交差して『オマツリ(絡む)』してしまうことを指します。
乗り合いの釣り船などでもキャストを伴う釣りでは発生しますが、特にトラブルに生じやすいのは堤防釣りなどのおかっぱりからの釣りです。
お互いの仕掛けがシンプルであればすぐにオマツリをほどいて釣りを続行できますが、例えばサビキ釣り同士のように針数が多い場合はそれぞれの仕掛けを交換することにもつながります。
ラインクロスが発生する原因と対策
誰にとっても迷惑で不快なラインクロスは何故起こるのでしょうか?
原因と対策をまとめておきます。
<ラインクロスの原因>
- 風の影響
- 潮流の影響
- そもそも釣り座が近すぎる
- テクニック不足で斜めにキャストする
- 錘やルアーの重量が軽すぎる
1.風の影響
強風時はルアーや仕掛けをまっすぐキャストできず、風下に飛ばされ隣の釣り座から出ているラインと絡んでしまうことがあります。
<対策>
風が強いときには、釣り座の感覚を十分とるとともに、使用するルアーや仕掛けのオモリの重量を増やすとともに、弾道を低くするか風上側にキャストして少しでも風の影響を受けないようにします。
2.潮流の影響
地形が海峡や水路状になっているエリアはキャスト後に仕掛けやルアーが強い潮流で流され結果的に隣の釣り座から出ているラインとクロスしてしまう可能性があります。特に大潮など潮流が速いときには海も川のように流れていきます。
<対策>
使用するルアーや仕掛けのオモリの重量を増やすことで流されることを避けるようにしましょう。また、投げ釣りなどで仕掛けをキャストした後に釣り座を離れてしまうと、自分がいない間にとなりの釣り座とクロスしてしまっていることもあります。やむなく移動する際は誰かに見張りをしてもらうようにしましょう。
3.そもそも釣り座が近すぎる
初心者の場合、釣りの種類ごとに、どのような『間合い』が必要か理解できていないこともあります。釣りはそのジャンルによって必要な距離が異なります。
<対策>
ベテランは『間合い』を考えて釣り座をとる。特に初心者の場合、先行者に挨拶をして自分がこれから行う釣りをしても問題ないか確認しましょう。
4.テクニック不足で斜めにキャストする
サミングやキャストの方向などを上手く制御できないレベルで、自分の釣り座から扇状にキャストをすることは自らラインクロスの原因をつくっているようなものです。
<対策>
特にルアー釣りや投げ釣りの場合、キャスト技術が未熟な場合は、常にまっすぐのみキャストするようにしましょう。扇状にキャストすることで釣果が上がる可能性はあるもののトラブルも多くなると常に理解しておく必要があります。
5.錘やルアーの重量が軽すぎる
潮流や風速の話につながりますが、キャストするオモリやルアーの重量が軽すぎることによるトラブルもよく見られます。
特にぶっこみ釣り等で軽いオモリをつかって潮流の早い海域で釣りをすると、場合によっては20~30mほど仕掛けが流され、かなり離れたところにいる釣り座から出ている仕掛けと結果的にラインクロスしてしまうこともあります。
<対策>
釣り場や条件によって適したルアーや仕掛けの重量というものがあります。自分で判断できない場合は、釣り場のベテランに声をかけて、適正なオモリや形状などをヒアリングしてみましょう。
三崎港は城ケ島と向かい合っており、潮流が速め。天秤類のオモリ形状や重量に注意
釣り座の優先順位は先行者優先
どの釣りでもそうですが、おかっぱりの釣りでの優先順位は先に釣り座を設けた順という共通ルールがあります。
あとから釣り場にいって、挨拶なく割り込みラインクロスを発生させると、相手によってはトラブルになる可能性があります。
大人な釣り人であれば1,2回ぐらいは我慢してくれるかもしれませんが、後から割り込んで、ラインクロス時も謝罪がない場合は誰でも怒るのが当たり前です。
釣り座の適正な間隔とは
では釣り座の適正な感覚とは何メートルなのでしょうか。
これは、釣り場のルールとともに明文化されたものではなく、人の性格(攻撃性、排他性の有無・器の大きさ)や釣り方によっても異なります。
極端な話、ルアー釣りをしていれば、そのキャストが届く範囲が釣り座とも言えますし、サビキ釣りで足元だけ狙う場合は、1m間隔で釣り座を設けても問題ないこともあります。
自分としては「これぐらい間をとっておけば問題ないだろう」でも、相手にとっては自分のテリトリーを侵害されたと捉えているかもしれません。
人によっては公共の場における釣り座を、あたかも私有物のようにとらえていることもあります。こうした人の隣で釣りをすることはお互いに精神をすり減らすので避けたいですね。
あいさつをしておくとその後トラブル発生率は下がる
ではラインクロスによるトラブルを防ぐためにはどうしたらよいでしょうか。
後から釣り場に入る場合にオススメしたいのが、まずは「あかるく気持ちよく挨拶」をすることです。
挨拶をすると、真っ当に社会生活を送っている人であればなんらか挨拶やプラスの表情で対応してくれるはずです。
挨拶をして、ここで○○の釣りをしてよいか聞いてみましょう。
例えば釣り場が混んでいるところで相手が投げ釣りをしている場合も、足元のへチなどは空いていたりします。心の余裕がある釣り人は「足元であれば大丈夫。投げる時だけ注意してくださいね」などといってくれるはずです。
挨拶をしたときに以下の対応をする人がいた場合、できるだけ早くその場所を離れることをオススメします。
- 顔をしかめて無言
- あからさまに不満の声を口に出す
経験上、こうした人の隣で一定間隔をもうけて釣りをしても、わざと仕掛けをからめて嫌がらせをしてきたり、ろくなことがありません。
釣り座を設ける前には、挨拶と相手の言行・表情を観察することは覚えておきたいですね。
釣り座は先行者優先ながらも譲り合いの精神も必要
ただでさえ釣り場が少なくなっている昨今の日本。
どの釣り場でも週末や祝日は混みあっているはずです。
釣り座は先行者優先というのはだれもが理解しているルールですが、明日は我が身という事情でもあるので、お互い声掛けをしつつ可能な限り譲り合ってトラブルなく釣りを楽しみたいですね。
それと、最初のコミュニケーションの声掛けは『丁寧語』を使うとよいですよ。
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潮流が速いエリアでブッコミ釣りをすると仕掛けが流れがち。スパイク天秤を使うとより軽いオモリでも仕掛けが流されにくくなります。アナゴ釣りやカレイ釣りなどにオススメ。