ムシガレイとタマガンゾウビラメ・ガンゾウビラメは、それぞれ沖目の砂泥地帯で釣れる魚なのですが、見た目がよく似ています。
近年アマダイ釣りが人気でありますが、生息域が重なってくるため釣ったことがある人も多いのではないしょうか。
「この薄っぺらい魚はなんだろ?」
ってな具合に。
よく似ている魚なので、筆者も両方「ムシガレイ」だと思っていた時期がありました。
今回はそんなムシガレイ・タマガンゾウビラメ・ガンゾウビラメの見分け方とオススメ料理を紹介します。
「ムシガレイ」は頭が右。カレイにしては口が大きい
ムシガレイは頭部が右側。虫食い状斑紋は6つ
まずこちらがムシガレイ。背中に3対の斑紋があり、全長で40㎝程度が最大。
漢字で書くと「虫鰈」これは模様が虫食い穴のようだからかもしれません。
タマガンゾウビラメと異なり、背中側を上にすると、頭部が右側を向きます。これが「カレイ」の仲間の特徴ですね。
ムシガレイは基本的に浅場では釣れないんですが、5月前後に浅場(水深20~30m)でライトアジ釣りをしていると、ちらほらヒットしたり。
ある程度水深がある漁港であれば、岸から狙うこともできます。
岸から釣れると、「お、マコガレイ?」ってな具合に迷うんですが、虫食い状の模様の他、口がやや大きめなので判別できます。
城ヶ島の岸からちょい投げで釣ったムシガレイ。身が厚い
ムシガレイはさばいてい見ると、カレイより大きめの甲殻類(ボケジャコ・蟹)やイカなどを食べている確率が高く、口もそのように発達しているのかもしれません。
初夏にライトアジ釣りのゲストして釣れた個体
身質は水分が多いので、ひと塩し、水分を抜いてから料理するのがオススメ。
アマダイ釣りでもよく出会う。
タマガンゾウビラメは手のひらサイズ。頭部が左
タマガンゾウビラメは頭部が左。虫食い状斑紋は5つ
続いてタマガンゾウビラメ。
この魚は20cmほどしか成長しません。なので、アマダイのゲストして釣れても「食べるところがなさそう」とリリースされています。
浅場では釣れず、水深100m前後でハリがかりしがちな魚です。
ムシガレイ同様、ぬめりは強め
タマガンゾウビラメは、背中側を上にすると頭部が左にきます。
アマダイ釣りで底付近に餌が垂れると釣れる
ガンゾウビラメは頭が左。タマガンゾウビラメより大型になる
こちらはガンゾウビラメ。側線上に一つ斑紋がある
ガンゾウビラメはタマガンゾウビラメとよく似ているんですが、サイズがより大きくなります。
水深30mぐらいまでの砂地や砂泥エリアで、カタクチイワシやメゴチなどで泳がせ釣りをしていたり、テンヤやワーム等でヒットしがちなのがこの魚。
全長40㎝ほどまで成長するので、釣れたときに「お、ヒラメ(ソゲ)」と思う釣り人もいるんですが、ガンゾウビラメかもしれません。
ヒラメと比較すると全体的に丸っこく、ずんぐりした体形。頭部もヒラメほどの大きさではありません。
テンジクガレイとよく似ているんですが、虫食い状の斑文が尾の付け根近くにあることから見分けがつきます。
ムシガレイ・タマガンゾウビラメ・ガンゾウビラメのおいしい食べ方3選
続いて、ムシガレイ・ガンゾウビラメ・タマガンゾウビラメを釣った際にオススメ料理を紹介します。
ムニエル
ムシガレイのムニエル
ムシガレイとガンゾウビラメのうち、30㎝程度で身の厚みがあるものはムニエルにするのがおすすめです。
皮目を香ばしく揚げるようにしてからしあげていきましょう。
唐揚げ
ムシガレイの唐揚げ
タマガンゾウビラメは釣れても手のひらサイズが最大なのですが、片栗粉をつけてあげると香ばしく骨ごと食べられます。
ガンゾウビラメやムシガレイのフライパンサイズも唐揚げにすると実に美味。
もみじおろし×ポン酢で食べてみましょう。絶品です。
干物もオツな味
ムシガレイの干物
ムシガレイ・タマガンゾウビラメは干物にするのもおすすめです。
ムシガレイはしばしば干物として市販されています。
地域によっては別名「水カレイ」というのですが、身質がやや水っぽいので、水分をぬく調理法はよくあっているのです。
アマダイ釣りで釣れたら、中型のアマダイともども干し上げてみましょう。
独特の風味(クセ)はあるのですが、絶品です。
水気が多く、鮮度悪化しやすいムシガレイも干物にすれば1週間はもつ。以降は冷凍へ
まとめ
今回は、しばしば釣れても「カレイ」とくくられている魚たち。
特にタマガンゾウビラメは小型なのでリリースされがちですが、唐揚げにすると骨まで食べられて旨い魚です。
次回釣れた時に、しげしげと観察してみてください。
それぞれ釣りあげたばかりは虫食い状の紋様が「金」や「サファイア」の色彩を帯びていてとても美しい魚です。
もしかして本命よりもおいしい魚かも。
▼タマガンゾウビラメを持ち帰ったときの三歳の息子のリアクション
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