どうもORETSURI自称淡水担当・大谷賢史(@仕事は海関係)です。
魚が釣れないと言われる2月。それは様々な要因がありますが、それでも魚達は力強く息づいています。本来、人間の目に触れることのない、その息吹に触れられることが釣りの一番の醍醐味だと私は思っています。
『ハコスチ』
この言葉を耳にしたことがある方はかなりのツウです。北海道の大自然と箱型のスカイラインが思い浮かんだ人はバブリー世代かもしれません。
かく言う私も最近好きなプロアングラー氏のブログで初めて知り、今回が初挑戦です。
平田編集長はすでにハコスチを知っていましたので、知っていたら編集長クラスの釣ヲタと自負できます。が、誉められるか否かは自己判断で。
ハコスチについて、あたしにはそういう難しいことはよくわからないので、群馬県のサイトをご覧下さい。
・釣り人の多くは「引きが強い魚」「姿形が美しい魚」を求めていました。
・釣り人のニーズを受けて、水産試験場では、釣り対象として特化したニジマスを開発しました。
・群馬県は開発したニジマスを「ハコスチ」と命名しました。(商標登録第5817883号:平成28年1月8日)
・野性味が強いスチールヘッド系ニジマスと群馬県のみが保有する飼育しやすい箱島系ニジマスを交配しています。
・名前は箱島(ハコシマ)系とスチールヘッド系に由来します。
・スチールヘッド系の特徴を引き継ぎ、釣り人の欲求を満たす引きの強さと箱島系の姿形の美しさを併せ持っています。
・釣り人へのアンケートでも引きが強いという評価があります。
端的に言うと、めっちゃ引きが強くて魚体が超絶美麗な遊漁用ニジマスってことですね
そんなキャツを仕留めるべく、ルアー竿担いで群馬県上野村の神流川に向かってみました。
意外と情報が少ない「ハコスチ」狙いのタックルやルアーは?
事前にyahooやGoogleで『ハコスチ ルアー』と検索しても一向に情報が拾えません。。。
フライ釣行記は少しばかりあり、ティペット(糸)をブチ切られまくったなどとあるのですが、ハコスチってどんだけなんだ?
で、結局どんなタックルにして、どんなルアーがいいのかわからず終い。
グーグルマップで川相を見るといわゆる渓流〜山岳渓流だったこともあり、あんまし柔いロッドや細糸でやって、ブチブチ切られて、顰蹙買うのだけは嫌なので、ミノー用のハリのあるグラスロッドと、オールラウンド用のULロッドの二本。
リールはシマノ1000番と、流れが強い場合を見越してシマノ2500番。道糸は悩みましたが太すぎず細すぎないナイロンの0.8号をチョイス。
ルアーは、ミノー、スプーン、スピナー、虫系フローティング、エッグ系、エリア用極小スプーンなど各種を持参。
冬季かつハイプレッシャーなことより、魚食性は低いだろうと考えて、極小スプーンのボトムバンプ(底をピョンピョンさせて虫を演出)かエッグ系コロコロかな。
渓流のエサ釣りは早春はイクラで釣れるのが定説だし、案外エッグ系でバクバク食いに来るんちゃうの?と高を括るが、
まあ、そうは問屋が卸さないというヤツです。
群馬県上野村への道のり
- ①花園インターからR140経由でR299で小鹿野の山越えルート(下道50分位)
- ②本所児玉インターからR462経由で神流湖を横目に神流川遡行ルート(下道40分位)
- ③下仁田インターからR254から県道45を経由するルート(下道30分位とのこと)
この3ルートがあります。
今回は行きはのんびりと大宮から下道で②ルート。帰りは①ルートで皆野寄居有料道路も使う最速コース。
①ルートの山頂トンネルの中にでっかいツララがあってビビりましたが、道は以外にも綺麗。山越えも大したことない印象。
②ルートは工事中の場所が多く、片側一車線規制が何ヶ所もあり、道路もガタガタ。焦ってアクセル吹かしたままギアを入れるとカブはウィリーしますのでお気を付けください。
今日はワンボックスにエアサス&20インチタイヤを着けた釣りに全く向かない車でしたので、苦難な道でした。まあ、普通車なら何ら問題ないでしょうが、個人的には花園経由ルートが好きです。
ただ神流湖ルートだと、走ると『鯉のぼり』と『ひな祭り』が流れるメロディラインというものが2ヶ所あるので、ドライブするのはかなりアリです。
ナビには『上野村ふれあい館』と入れればOKです。
施設の一番奥の駐車場に車を入れると近いです。「道の駅上野」ではありませんのでお間違いなきよう。
写真の通り開店時間は午前9時です。まあ、オフシーズンですんで、あせらずに行きましょう。
気温は2度。太陽光があるのでそこまで寒く感じませんが、寒いですわコレ。
上野村漁協はふれあい館の入り口を入り、左手奥のカウンター。
丸の内か新宿副都心にいそうなスタイリッシュなビシネスパーソン風のイケメン組合員さんがやさしく迎え入れてくれます。
期 間:2018年10月13日(土)~2019年2月の組合指定日まで(2019年は2月17日まで)
定休日:毎週火曜日
時 間:9時~16時(11月末まで17時)※今季から1時間延長になりました。
料 金:大 人2000円・中学生500円・小学生以下無料(年券所持者・女性は500円割引)
魚 種:ハコスチ・ニジマス
釣 法:フライ・テンカラ・ルアーに限る。C&R・シングルフックでバーブレスのみ使用可
その他:1、組合事務所にて受付後、入渓のこと。
2、現場売りはしません。
3、河川敷駐車場には限りがありますので係員の指示に従って下さい。
*上野村漁業協同組合ホームページより抜粋
ちなみにイケメン組合員さんに聞いたところ、ワーム類はOKだけど、ミノーなどで2フック、3フック仕様のものも1フックにしないといけないとのことでしたので、今回は急遽テールフック1本にしました。
そんなこんないろいろ聞いていると、イケメン組合員さんが
「ルアー・・・ですか?」
「もう終わりの時期なのでかなりスレているんですよね。」
「ルアーを全然追わないというか・・・食わないというか・・・」
「フライ持ってきてないですか?」
と、おっしゃるわけなんです。
。。。
「はい。持ってきてないです。てか持ってないです( ;∀;)」
ヘコむわ~。
なにこの渋さっ!
ふれあい館向かって左手より川へ降りられます。よく整備されているので、車高調車でも降りられました。ざっと車は20台は余裕で停められると思います。
駐車場前はフラットというか、川をせき止めた釣り堀というか、ゆったりとした流れ。
エリア(管理釣り場)好きな人にはおなじみの川相。安全そうなのでウェダーは履かず、無理せずの長靴スタイルで入渓(?)します。
偏向グラスを装着して川をのぞき込むと・・・
いるわwいるわw
普通のニジマスなのかハコスチなのかはわかりませんが、目測30cm~40cmくらいのマスがわんさかいます。
タックルはULロッドにシマノ1000番のリールをチョイス。ルアーは敢えて大きめで攻めてみようとイトウクラフト・エミシ70。
アップにキャストし、ポチャっと着水すると、
周囲3匹のマスが逃げるという・・・
シロッコ様がこの空域にいるかのようなハイプレッシャーデス。
鼻先をルアーがかすめても微動だにもしないマスも・・・
すぐにエッグに交換するも無反応。
エリア用のマイクロスプーン、櫻井釣漁具ネオスタイル0.5gでボトムを攻めるも無反応。
最終的には,、ザクトクラフトセニョールトルネードでわずかに反応したものの、せっかくネイティヴリバーに来たのになんだかなーな気持ちになり、移動開始。
釣り下ってみると・・・
10cm弱の謎の小魚の群れをプール下流に見つけ、プールの見えマスは1時間弱ルアーとっかえひっかえ粘るも、にっちもさっちもどうにもブルドックだったので、
「この小魚が流れてくるの待っているマスいるんでねえべか?」
と考え、今回は敢えて釣り下ります。
が、川の浅瀬は人が乗っても割れないレベルに凍っています。
うわーさすがに魚食はしないかなー。
けど、ここまで来てプールで見えマスねらうのもなんだしなー。
まあ、信じてやってみるか!と自分を鼓舞。
駐車場前を50メートルも下れば、こんな渓流。
早春のイワナを狙うようなイメージで、一口サイズのルアーを選択。デッドストックのコータック・馨リアルスプーン3gニジマスカラーに変更。(のち殉職)
何か所か打つも無反応。
相手がニジマスなので、イワナ釣りでの遡行よりもゆっくりと何投げかしつつ釣り下ります。
ついに憧れのハコスチがHIT!
2段になっているポイント。
ちょうど右手の大石で人影が隠れ、また5フィートくらいの竿でも流れに対して真っすぐに引いてこれるポイント。
馨スプーンを1段目のポイントにキャストし、まずは手前側から流してもみる。
つづいて流心。奥(右岸)側の流れと流すも無反応。
5~6投げし、1段目の流心あたりにキャスト。
今回は透明ラインを使っているので、逆光で白泡が立ったポイントだとどこを流しているかは見えません。
着水と同時に素早く糸ふけを取り、流速よりもほんの少し早い程度にただ巻きをする。
釣れないときはとかくアクションさせたくなるが、シェイクもリフト&フォールもせず、
「ただひたすらスプーンをキラキラさせればいいんだ!」
と、自分に言い聞かせる。
・・・
イメージの中で、1段目から2段目に落ちた瞬間!
ミャク釣りの目印が止まるようなもたれるような変化を感じ、
条件反射で竿を立てる。
グンッ
乗った!
やった!
乗った!
大きい!
ズーンとして動かない。
けど、手ごたえはある!
ニゴイ貴殿みたいな引きだけど、ニゴイがいる場所じゃないし、きっとこれがハコスチだ!!!
上流には大岩があって動けないし、下流に走られてもラインが石にこすれてブレイクする。
ハコスチはめちゃめちゃ走るらしいし、ジャンプもするらしい。
これでジャンプされたり、走られたら絶対バラす。
バラしたくない!
おし!
引っ張るのやめよう!
魚を興奮させないように
ゆ~っくりとやりとりして、
足元まで寄せてネットでランディングしよう。
瞬間そんなことを思い、やさしいやりとりをする。
魚は目測で45cmくらい。
今日は大型のネットがあるあから寄せれば獲れる。ファイト時間はきっと30秒ほど。
爆裂ファイトが売りのハコスチは、思いのほかおとなしく短時間で私の差し出したネットに収まった。
やった!釣れた!ハコスチ釣れた!
引きは弱かったけどハコスチ獲れた!!
やった!
目測45cm。きっとハコスチ。
写真以上に美しい魚だった。
ネットに収まると、暴れまくり、釣り雑誌のような網の上に置いたような写真は無理だった。
これ以上陸に上げてしまうことが、神への冒涜であるような気持ちにさせる、そんな美しい魚だった。
ありがとう。
数枚だけ写真を撮ってそっとリリースした。
出会えてうれしかった。
釣れて本当にうれしかった。
誰もいない川で
「やった!」
「ありがとう。」
と言っていた。
行けるところまで遡行する・・・
下流はトンネル手前までがポイントとなるが、ウェダーを履いていかないと、中間部あたりに’通らず’となる。
中間部から下流はチャラ背であった。
入渓ポイントに戻る途中、簡単な高巻きをしつつ目をやると・・・
ゴミ。
非常に残念な気持ちになる。
こんなところで日本酒パックを捨てるなんて・・・
何ともいえない哀しい気持ちになる。
魚が釣れてくれた余裕と感謝の気持ちもあり、とりあえずゴミ袋とリュックに収まる量のゴミだけ拾ってみた。
全部拾うと手がふさがり、危なくなるから、ゴメン。
あとは次の釣り人、頼んだ!
また山肌は岩が多く、枯れ葉も積もっている。
平野部に住んでいると、枯れ葉の下は土だと脳が勝手に判断してしまうが、きっと大石や岩がゴロゴロしているはずです。
うかつに足を踏み入れると、石と石の間に挟まって捻挫をします。
山岳渓流での捻挫は事故や遭難です。
早く釣りたい!もっと釣りたい!
気持ちは同じ釣り人なので重々わかりますが、まあ、焦らず迂回して1歩1歩行きましょう。
雪渓なんかも同じです。雪が崩れて転落することもあります。
ゆめゆめおわすれなきよう。
遡行してみると、いるところにはハコスチはいるけども・・・
上流域には、一旦車をふれあい館駐車場までもどし、左手の遊歩道から入渓すると早いです。
釣り人のふれあい館駐車もOKです。
この看板に従い、遊歩道沿いを遡行できます。川へ降りるのは石組みの土手を降りる必要がありますが、大人なら危なくなく降りられます。
上流に行くにつれてこんな大石ゴロゴロのゴーロ帯になります。
ネイティヴ化したニジマスか残り魚がいないかスプーンやミノーをキャストしますが、反応なし。
本流の堰堤。
左岸の岩場からも、右岸のゴーロ帯からも堰堤へエントリーするのは厳しかった。
ウェダーを履いて、頑張っていけば行けないこともないが、安全第一のソロ釣行なので今日は断念。
本当は右岸側から岩よじ登って行けることころまで行っているんですが、怖くて引き返しました。
支流の先には細流の先にニャンボーみたいな堰堤が。
こっちの支流薄暗くてさみしいところです。
右目側で2投げしましたが悪寒がしたので、逃げ帰りました。
ニジマスは見えず10cmくらいの茶色い魚(たぶんイワナ)が何匹か見えました。
渓相からしてもイワナの渓で、ニジマスやハコスチは大雨の時に登ってきて、堰堤下で溜まっていなければいないんじゃないでしょうか?
駐車場やや上流の吊り橋。
観光地の吊り橋じゃないんで、これマジ命の危険感じます。揺れ尋常じゃないです。
特に高所恐怖症じゃないですが、そろーりそろーり泉元彌になりました。
正直怖かったっす。
ただこんな感じでハコスチが群れているのがよく見えます。
全部40cmクラスです。
5分前にフライマンが狙っていましたが、無反応でした。
写真を見てわかる通り、ハコスチはそれぞれ一定間隔の縄張りをもって、上流から流れてくるエサを捕食しています。
上手なフライマンはボチボチと上げていましたが、あまり上手くない人には難しいようです。
これがシーズン後半の実情です。
ルアーへの反応はこういったプールの魚は皆無。
もういっそプールのセンシティブな魚は諦めて、流れ込みの白泡の下にいるテンションの高い魚に狙いをチェンジすることも作戦だと思います。
まあそこは趣向なので、センシティブな魚をテクニックで釣るのも面白いですし、釣り歩いて釣れる魚を探すのも面白いです。
魚のストックはプールが圧倒的に多いですが、瀬にも落ち込みにも魚はまんべんなく着いていましたので、よい川と呼べるのではないでしょうか?
晩秋から早春の間も大きくて美しい渓魚に会わせてくれ上野村・神流川、もっともっと流行るのではないでしょうか?
番外編
今回はこんなスタイルでした。
周辺には野生動物のフンも多くあります。狩猟区域かどうかはしりませんが、安全のため山でオレンジは必須かと。
ダイビングドライスーツの腕部分を渓流釣りで使うと超便利!!!袖口が全く濡れないし、温かい!
切り口のクロロプレンの断面にルアーを指しておけば、フォロールアーをすぐに投げたい!
なんて時もすぐに交換できます。
バーブレスフックでしたが、今回1個も落としませんでした。
また、周辺には「しおじの湯」という日帰り温泉があり、遊漁者は割引券がもらえます。
ただ、しおじの湯は「ふれあい館」よりも山のほうへ行っ先にあるので、私は帰宅方向にある「ヴィラせせらぎ」へ寄りました。
まあ、安定の臨時休業でしたけどね( ;∀;)
カップルや家族連れで行く際は定休日だけでなく、臨時休業日もリサーチを。
ちなみに上野村の冬季釣り場は2019年は2月17日(日)で終了です!
ではまた。
大谷賢史
使用タックル
- ロッド:ダイコー カナディスAMS562UL
- リール:シマオ ソアレ1000
- ライン:ナイロン0.8号通し(安物を毎回交換してる)
- ヒットルアー:コータック 馨スプーン3gニジマスカラー(廃盤/殉職)
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