どうも平田です。
逗子の自宅まわりでは、ニイニイゼミの鳴き声がいつのまにかミンミンゼミになって、その後、地底よりやってきた圧倒的なアブラゼミの兵力にかき消され、めちゃくちゃうるさいなーと思いながらも、でも夏っぽくていいな、と思う今日このごろ。
セミが鳴くのは求愛活動だからで、視覚がつかえない夜には基本的に鳴かないものの、たまに真夜中なのに馬鹿の一つ覚えのように鳴いているアブラゼミDQNの魂の演奏を聴くと、どんな世界にも周りになじめないバカというのはいるんだなーと微笑ましく思います。
きっとそうした奴らは、一生交尾できず朽ちて土になっていくのでしょう。そして、肥料になって誰かのためになるという・・・
・・・
今回は前置きが長文でしたが、アブラゼミ真っ盛りの夏といえば、夏のタチウオ釣りだろということ行ってきました。
タチウオ釣りは以前1度だけ金沢八景の米元丸さんで経験していたことがあったものの、あれは秋で水深100m前後ぐらいがポイントだったわけです。そのときの釣果は5尾。
夏のタチウオ釣りの特徴としては、タナが浅いということらしく、まだ手巻きリールしかもっていないわたしとしては、だったらレンタルなしでいけそうだなと。
今回は、Kさんと同行してもらっていて、同氏の船宿チョイスにより金沢漁港の鴨下丸さんから出船することに。
鴨下丸さんへ
鴨下丸さんは磯子と金沢漁港に2つあるようなのですが、のれん分けなのかもしれませんね。どうなんだろう。
サイトをみたところ、以下の通り老舗感が漂っています。
STシロギス、STライトアジ、STタチウオ(ST=ショート)が出船中のようなのですが、行間がなかなかワイルドです。きっとワイルドな船宿なのでしょうね。
こちらが金沢漁港に入って右奥にある鴨下丸さん。漁港の駐車料金は船宿で300円支払いましょう。
レンタルタックルなどもしっかり用意されているので手ぶらでもOKのようです。
どの船宿でもそうですがPEラインや錘の号数指定はしっかりまもっておきたいですね。
タチウオはPE2号までだそうです。また、この時期のタチウオ釣りの場合、サイトでの錘の指定は30号、60号、80号(要確認)とあったので、30号以外をそろえて、受付のお姉さんから錘30号&ヤマシタのライト天秤(たしかオモリ200円+天秤500円)を購入しました。
結果的には30号の錘は使わず、ライト天秤は海の藻屑となっていったのですが・・・
本日の釣り物はこちら。表記のばらつきにまた味がありますね。
氷は200円で購入です。わたしはコールマンのクーラーボックスに2L分のペットボトル氷をもっていくのですが、この日は暑くなりそうなので補充しておくことに。
建物を出て港の奥まったところに鴨下丸さんの船が停泊しています。嗚呼、いい天気であるなー。
▶次のページでいよいよ出船!
いよいよ出船しちゃうぞ
よし出船!と、みせかけて、天秤仕掛けのタチウオ釣りが初めて方のために仕掛けの説明です。
まずは王道のヤマシタライト天秤+錘40号。
この錘40号は乗船してすぐ、ちょっと強面な金髪船長(なれるとたぶんいい人なんだと思います。ポイント移動と操船技術とタナの指示が的確な印象)の指示で、
「オモリは40号つけておいてください」
という指示に従っていたところ、どうやら船長が沖にでていた仲間から情報を得たらしく、
「潮が速いみたいなんで、オモリ60号で。60号でお願いします」
ということになり、持参した60号をつけておきました。
このように、
①タチウオ釣りはタナがかなり多岐にわたるのと、潮によってオモリの号数がかなり変動する
②タチウオアタック(歯が剃刀なみ)によりPEラインがプッツンしてしまう
ということをよくふまえ、天秤とオモリは余分にもっていったほうがいいです。それとPEラインは200mは巻いておきましょう。ほんと。爺さん婆さんの忠告とわたしの忠告はほんと聞いたほうがいいですよ。
今回の仕掛けは、ササメの実船タチウオ仕掛け1本針タイプ。
この仕掛けがいいのは、まずなんだかパッケージが釣れそうというやつですね。実戦と実船という掛詞もまたいいじゃないですか。
っていうのは冗談で、以下の理由でチョイスしています。
- 仕掛けが比較的安い
- 1本針なので絡みづらく手返しがいい(初心者はどんな仕掛けでも針の数は少な目がおすすめ)2本針verもある
- 夏のタチウオは小型が多いようでフックは小さめの1/0をチョイス。
- ハリスは6号とそれほど太くはないものの、夜光ゴムと透明パイプで2重のガード(本釣行で1回だけハリス切れしましたが、獲れる率は高いかなと)
ハリス切れ時の補充として、ケイムラ針だけのものも持参しておいても経済的です。
それと、太刀魚の天秤釣りはシンプルで、天秤に指定号数の錘をつけてそこにタチウオ仕掛けをセットするだけです。
餌は冷凍のサバ。
丁寧にカットされています。はじめに2箱配られますので、ひと箱のみ解凍しておきましょう。夏の強い陽ざしにあたると脂がとけて崩れやすくなるため、もうひと箱はクーラーボックスにいれておくとよいと思います。
この鴨下丸さんの場合、エサのおかわりが無料のようで有難いのですが、船宿によっては有料なので、自分好みのエサをもっていってもよいですね。
また身エサをマルキューのアミノ酸αに漬け込むのもよいのかもしれません(Kさんがやってました)
ということでいよいよ出航!
あっというまに、第二海堡周辺へ。
東京・神奈川・千葉のタチウオ狙いの釣り船が船団をつくっています。船長がポイントをしぼっている間に、むかいの船をみていると、銀色のつるぎみたいなタチウオがぎらぎら踊っているという状態。
ぬおー、テンションあがってきたぞ。
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虎舞竜発生・・・
「はい、はじめてくださーい。水深○○メートル30~45mをさぐってみて」
というような船長の指示で、移動中にセッティング完了した仕掛けをシュルシュルと落とす・・・
カウンター付きのリールではなく、高校生の頃にかった97年式スコーピオンという具合なので、PEラインの色変化で水深をはかります。
10m
20m
30m
40m
あれラインがとまったぞ。
!?
ぬお。バックラッシュ(下糸が出てきて上の糸と絡む)してしまった。
メカニカルブレーキ(両軸リールの糸巻=スプール回転を調整部分)が緩すぎたか・・・しまった。
なんだよ。船釣りでバックラッシュとは。
で、これがなかなかほどけず、固着してしまったので、10分ちかくほぐすのに取り組んでみたものの、その間も左隣りのカップルが見事タチウオをゲット。ぬおーいいなー。
ということで、ここは見切りが肝心とPEラインを40メートル強カットすることに。このPEラインは150メートル巻きで、すでに数メートルはなくしているから、あと100メートルぐらいしかないぞ・・・
むーん。
気を取り直して、仕掛けを指定タナまで落としてしゃくってくると・・・
ずん。
あ、当たった。
ここで、小さめのシャクリで餌を追い上げ喰いさせようとするも、喰い込まない。
こういうときは身餌がずれているので、一度巻き上げてエサ交換するのが吉です。
あげてみると、噛み跡が・・・
タチウオは、立ち泳ぎをしていて、エサのサバに対して下から突き上げて噛んでくるのですが、くわえ込みが浅いこともあり、そんなときはこんな風に着け餌に噛み跡がつきます。
よし、エサ付け替え&投下。
一旦50まで落として、45メートルラインまで素早くあげて大きくシャクッタ瞬間、
ずーん。
と、竿に重みが。おータチウオだこれ。のったぞ!
ふはははは。
非力なリールでえっちらほっちら巻き巻きしてると、やはりタチウオ。
やはりアジなんかの引きとは大違いですなー。これだよこれこれ。
ということで、今年はじめてのタチウオがこちら。歯がするどいのでワニグリップがあると便利ですよ。
タチウオの歯は、かすっただけで流血事件なので、利き腕が右手の場合は左手でワニグリップ、右手にプライヤーをもって、手際よく釣り針を外して、血抜きをするなど余計なことは考えず一気にクーラーボックスに放り込みましょう。
- よし釣れた
- ワニグリップ&プライヤー
- クーラーボックスに放り込む
- しっかりサバ餌をつけて投下&シャクリ
この繰り返し作業で、食いがたっているときや群れを逃がさないのが数を伸ばす秘訣なんだろうなと。
それと、水深50メートルよりタナが浅い場合は、手巻きリールが有利という記事をみたのですが、巻き上げ労力と速度を考えるとライトな電動リール(たとえばフォースマスター400)に分があるんじゃないかなと思います。
ま、わたしは、アナログ人間なもので中道手巻き派に所属しておるので。
この後、数匹タチウオを釣り上げ、船長の判断で観音崎沖へ移動!
▶次ページで観音崎沖へ
観音崎沖
東京湾がせまくなっていて、潮が速めの観音崎沖あたりもタチウオのポイントとしては有名です。
たどりついてみると、船団が。んーちらほら釣れてますねー
が、落としてもアタリがなっしんぐ。
おかしいなーと思ったら、聞いてください、サバ餌がずれていた+アカクラゲの触手ですよ。奥さん。
アジ釣りでもそうですが、魚というのは、ちゃんと目視しているのかわかりませんが、このクラゲの触手を見切る傾向にあって、これがついてるとアタリが遠のくのですよ。
なので周囲が釣れていて、タナやシャクリもあまり変わらないのに自分だけ釣れないというアノ事態が発生したときは、
餌のズレとクラゲの触手ついてないかな?
と、頻繁に餌をチェックしたほうがよいです。この点、巻き上げる際に体力が不要な電動リール勢が有利ですね。
この日も、じいさま連が、ウィーンウイーンと、テンポよくつっていらっしゃいました。うらやましい。
この観音崎沖でも数匹タチウオを釣り、今度は猿島沖へ。
船長は、頻繁に周囲の状況を判断してポイント移動をしてくれます。このあたり的確だなーと、船長力の高さが伝わってきます。
と、船長が突如警笛を鳴らして怒声。
「おいテメー!まわりみろや!オラ―!!」
おおお、
どうやら、一隻のプレジャーボートが船の進行方向を左舷側に横切った模様。
たしかに言葉は荒っぽいですが、ひとつ間違えれば転覆事故にもつながる状態なので、海の世界では多少強くいうことも必要なのかもしれません。
こうした一喝能力もなんだか好きです。信長の野望でも『一喝』能力があれば混乱した兵を収拾できたりしますからね。かっけーなおい。
プレジャーボートを運転する男性はこちらに頭を下げていました。ま、人間間違いはありますわな。
が、この猿島沖、時間の問題もあるのかわかりませんが、喰いが伸びない。
ということで、ここで持参したサンマ餌を使ってみます。これは江之浦漁港で使ったのこりをタチウオ用に整形したもの。
いい時期にとったサンマなのか、脂肪の層がすごいな。
と、船中沈黙の中、俺氏、一発でヒット!
ふはははは。
やはりサンマ餌が効くようですね。タチウオもサバ餌に飽きているのかも。群れがちょうどタナを通っただけなのかもしれませんがね。
このサンマ餌、気分転換にもつながるので、タチウオ釣りのときはもっていってもおもしろいかもしれません。
ただし、サバの皮と比較してサンマの皮は弱いので、シャクリがつよかったり、些細なことで釣り針からずれるので注意です。多少開きなどで水分が落ちていたほうがよいかもしれません。
しっかし夏の釣り船はいいですね。入道雲がもくもくですよ。
入道雲がもくもく。この雲をみるとなんだかワクワクしてくるのはわたしだけでしょうかね。
もう一度サバ餌にチェンジ。わたしの場合、縫い差しが好みですが、ひとによっていろんな刺し方があるので、いろいろためしてみるとよいでしょうね。
どんな刺し方でも、身餌のセンターに針を刺すというのと、エサの余分なところはハサミでカットしておくと、仕掛けが潮で回転しにくくなりその分、針持ちもよく、より長い時間タチウオを誘い続けられます。
とくにバンバンとタチウオが釣れているときは、瞬速でエサ付け替えを完了して、指定タナまで落とし込みたいもんです。
このあと、タチウオアタックによって、さらに50メートル程度のPEラインとライト天秤+60号錘が海の藻屑となりました。着底してすぐだったのですが、タチウオ釣り独特の現象かもしれませんね。。。
残りのラインは60~70メートルほど。だいじょうぶかな
▶次のページ、観音崎で高級魚が釣れた!?
ここでまた観音崎沖へ。
米元丸さんもいますね。いろんな釣り船をみていると、同じ釣りものでも、船宿ごとの集客力の違いがみれておもしろいです。つぶれる船宿、生き残る船宿、いいところが生き残ってほしいですが善良なだけではやっていけないのがこの世界の哀しいところです。
「この流しで最後にしますので、よろしくお願いします」
という船長のアナウンスを聞きながら、最後のタチウオを釣り上げてやろうと、身餌と天秤が絡まないように慎重に落とし込むと、潮がめっちゃ速い!
と、ここで3重お祭りが発生。
あー、これ終わったな。。。
と、最終的には、PEラインをカットしたものの、ラインを手繰ってみると・・・
ん、なんかついている。
あ、フグだ。
あれ、トラフグじゃんこれ!
500g前後と思われますが、立派なトラフグです。ちょっと迷ったものの、持ち帰ることに。
でも、だれに調理してもらうか。とりあえずツイッターとFacebookで公開投稿し、コメントを募ってみることにしました。
そして、沖上がりへ・・・
タチウオの餌釣りって、ジギング同様常にしゃくっているので、だいぶ腕が疲労するわけです。
今回は12尾。タチウオ釣り2回目にしてツ抜け達成でした。PEライントラブルが2回あり、一時はどうなるかと思いましたが、なんとかなるもんだなーと。
同じタチウオでも、しゃくり方を工夫するだけで、喰ってきたり奥が深いなと。
鴨下丸さんにたどり着くと、スイカがふるまわれていました。夏にはうれしいですねー。
この夏はまたタチウオをチャレンジしそうな予感です。
次はサイズと数の両方を伸ばせるか。たのしみです。
ではでは。
<利用船宿>
ORETSURI視点
- 氷200円、サバの付け餌のおかわり無料
- タチウオ釣りの場合PE2号指定、オモリ号数30号~80号まで複数用意が必要
- 船長の指示とポイントチェンジタイミングが的確
- 沖上がり時のスイカが有難かった。スタッフの方はみなさん丁寧。
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※高切れ(タチウオに噛まれる)を想定してPEライン2号を200メートル巻いておくとよい。
※錘の号数は複数そろえ、天秤も予備があったほうが安心して釣りができるはず。
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